コスモグラフィー」カテゴリーアーカイブ

非人格的に

物理学におけるブラックホール、量子もつれや量子テレポーテーション、
そのすべての概念も定義も
そして、それらの実験による存在証明方法も
基本的には擬人的である。
しかし、宇宙は非人格的な存在である。
シナジェティクスほど
擬人化を遠ざけるメタフィジックスは存在しないだろう。
シナジェティクスは
非人格的に思考する過程における科学的な試みである。
宇宙の非人格的なテクノロジーは
人格の破壊と殺傷のための軍事テクノロジーのようなノウハウとは異なる。

自然について

学問は自然を説明できるが
学問が自然に従う場合だけである。
自然を説明するための学問は
異なった他者との対話を好む。
その結果、自然をより深く認識するための単純化によって
理論や権威というもっとも身近な人工自然の嘘が露わになる。
自然の単純化は、包括性への過程にちがいない。

シナジェティクス/再考

シナジェティクスは
宇宙の原理の探求でありつづけるかぎり
本質的にメタフィジックスな努力である。
夜明け前に起きて仕事をする場所は
さらに150年間は途切れることはないだろう。
その場所の空間デザインこそが
思考の構造とパターンに影響しているのである。

Art(芸術)

広島や長崎の核による被曝の悲惨さを認識させないで
原発テクノロジーを発展させるには
最初に核の平和利用を信じ込ませる必要があった。
感情移入から恐怖を排除する長期的な心理作戦によって
戦後世代は<鉄腕アトム>に愛情を感じてきたのである。
アートは、軍事的に応用されるが
技術の在り方を
明確に(=articulate)問うことも
原初的なアートである。

張力的共生

ミトコンドリアは、動物、植物、菌類にほぼ共通であるが
植物が太陽光で光合成をするまでに
ミトコンドリアという外部と共生して相補的な構造に変換したように
テンセグリティは張力という外部を
ほぼ構造の表面に変換し維持している。
テンセグリティの張力は、受容するすべての外力との均衡である。
テンセグリティ構造は、自重さえも外力分散の一部に変換される。

自然の構造デザイン

飛行機事故で死亡する人数よりも
地震で死亡する人が圧倒的に多いにもかかわらず
人間の生存に不可欠な構造のメカニズムに
飛行機ほど純真で率直なメカニズムを見つけることができないのは
構造家や建築家のほとんどがライセンスを獲得する過程で
構造物を土地資本主義における不動産に変換するための
記号の生成と変換方法だけが教育されてつづけているからだ。
建築の構造は不動産として大地に依存する限り時代遅れである。
もっとも単純な部材と部品数から形成される
テンセグリティシェルターの構造デザインほど
純真で率直なメカニズムの統合を要求するものは他に存在しない。
構造がもっとも単純な水素元素を開発したのは
人間ではないように
テンセグリティシェルターを開発する構造デザインは
原理の発見によって認識方法が変わる自然科学に属する。
自然が利用している構造のデザインは
観察よりも遙かに認識によって飛躍する。

外燃機関と内燃機関

焚火の熾火でコーヒーサイフォンを使うと原初的な外燃機関になる。
原子炉を使った原子力機関の同じような外燃機関の一種である。
すべての内燃機関は
太陽による閉じられていない外燃機関によって
間接的に動いていると考えられる。
つまり、石油系、バイオ系のエンジン。
燃料電池系ですら、太陽光エネルギーによって
水から水素を分離している。
21世紀の内燃機関の開発に必要なテクノロジーは
物理学、天文学、生物学、工学である。
最初に内部と外部に分離するのは
観察者の概念であり
彼が観察する場所なのである。

バイオ燃料

燃料電池に依存しない種々のバイオ燃料の製造方法が発明されてきた。
太陽による光合成が微生物を増殖させ
その微生物の分泌物がエンジンを駆動させる。
内燃機関は、バイオスフィアでは短命だったのではない。
地下資源に依存し発掘に膨大な資本投下で独占する
高価な石油系エンジン形式が短命だったのである。
現在のガソリン価格の高騰に伴うハイブッリドカー全盛期は
バイオ燃料の懐胎期を意味している。
ピーナッツオイルで動くナチのジーゼルエンジンとアルコールエンジンを
壊滅させたのは第2次世界戦争でのグランチである。
1950年代まで鯨の分厚い皮下脂肪層や内蔵から鯨油を採取していた連中である。
かつての黒船来航の目的が
捕鯨によるエネルギー確保と補給地の確立であったように
鯨から精製される機械用潤滑油は主に寒冷地における軍用であった。