いかなる種類の静的な安定を
ことごとく排除するシステムに到達している
テンセグリティは自由である。
そのシステムは自然の形態の観察からは発見されなかった。
そして、数学的な探査からも想像できなかった。
テンセグリティは
支配によって獲得する外部の<自由>から遊離して
自律的な<自由(アナーキー)>を具現化している。
けっして孤立しないテンセグリティは
基礎という大地から完全に自律するために
つねに振動によってより旋律的になる。
基礎が固体幻想に支えられていればいるほど
基礎のない自由は拡張する。
「コスモグラフィー」カテゴリーアーカイブ
単純さと単純化
相手の想像力を超えるための想像力は
より技巧的で複雑になる。
自然の想像力を超えた単純化は
発見されるのみである。
単純化のプロセスで発見される
単純さはつねに静的ではない。
人間の想像力で所有できないように。
元素の相対的な存在比
人間の宇宙に対する化学元素の相対的な存在比は
同じパターンになるようにデザインされている。
その統合したパターンを見ることができる人間という有機体は
宇宙でもっとも複雑で局所的なテクノロジーの集合体である。
形態(form)vs モデル(model)
観察から再現しないシナジェティクスモデルは
自己中心的な観察者には好都合なのである。
彼らはフィジカルな形態(form)に追われて
モデル言語を理解するメタフィジックスと
無関係にできる日々を過ごしている。
こうした形態のコレクションから始める探究は
逃避の擬態にすぎない。
この擬態の目的は
自己への観察をつねに誤認させることである。
共鳴型テンセグリティ
共鳴型テンセグリティは絶えず動いている。
テンセグリティは、
自重や外力を受けると複雑に変化する不均衡を素早く動的に変換し
あらゆる瞬間の新鮮な調和を形成する過程を
連続的に視覚化していくモデルである。
破壊から逃れるもっとも効果的な方法は
パッシブな外力分散である。
それゆえに、このテンセグリティモデルに最初に出会ったとき、
条件付けられ固定化された思考形態と
決して静止することがない無生物の自律的メカニズムとの間に
絶え間ない混乱がおこるのである。
しかし、この混乱が既成の思考パターンから
抜け出す葛藤に変化するとは限らない。
テンセグリティの一つの張力材が破断すると
全体が連動して瞬時に破断する思考形態を
疑うことができないまま
この絶えず動く無生物に対する怖れに支配されてしまうのである。
絶えず動いている構造が
生存空間には不適切だと判断させる
不動産という法律概念が
数千年間におよぶ概念の牢獄を形成している。
テンセグリティを美的範疇に押しとどめる努力も
その現れにちがいない。
続)全方位
シナジェティクスの<モデル言語>は
内部と外部の相互作用から生まれただけではない。
惑星地球を外部から見る行為と
その内部から宇宙を見る行為との
表裏とも720度の全方位の
非同時的視野角から生まれている。
例えば、同一のベクトル平衡体を
外部と内部とも720度の全方位から
異なる記述で表すことができる。
全方位
産業革命から工場労働者には
注意深く迅速に反復する動作が求められた。
政府は無数の学校を建造して
こどもの学習も模倣と反復から始める教育がはじまった。
しかし、コミュニケーションの方法を学ぶことは含まれていなかった。
遊びによって
こどもはコミュニケーションの方法から理解し始める。
さらに、必要性からコミュニケーションの方法を考案するには
模倣と反復による生産性からではなく
他者性が必要である。
こどもは最初の<言語>を作り出すのだ。
第3次産業革命(=デジタル情報革命)以後も
<言語>はつねに教育の外部から生まれている。
工場労働者の末裔たちは
内部的なデフォルト<言語>にまだ無関心である。
科学論文
真の発見は第三者の目撃者のいない場に発生する。
科学的発見が、同時的かつ共時的に
他者と共有されることは稀である。
科学論文は、その遊離し孤立したリアリティを再現するために
最後に他者と共有する表現形式である。
科学論文を書くために論文形式から学ぶほど
堕落した教育はない。
交流発生機
満月は周期的にやってくる。
私の場合、満月を見ると何故かいつも笑いがこみあげてくる。
月の裏面の満月を誰も見れないのは
バイオスフィアの海水との相互作用によって
月の自転と公転が地球とシンクロナイズされた結果なのである。
月の特殊な自転と公転の周期は
地球エコロジーには不可欠な重力交流発生機だ。
この奇跡的な重力交流発生機は
明らかに世界の気象だけではなく
動物の感情と植物の夜の光合成をコントロールしている。
動くものは距離を置いて動くものに影響を与える。
————太陽系のように
われわれは、接近し過ぎて互いの斥力を受けている。
プリセッションを信頼して、もっと互いに離れるべきだ。
単純化
複雑に見える出来事は
ある程度単純化できるが、
単純化して生成するためには
モデル言語が不可欠だ。
そのプロセスを単純化することは困難だが
単純に見えるように出来事は確かに再現される。
———–望むがままに