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4種のシナジェティクス

これまでの不透明な住居の壁に
外部からの光や音、そして芳香と眺めを
透過させることは困難である。
分厚い不透明な壁ではなく
聴覚、触覚、視覚、嗅覚を遠ざけるための
4種のシナジェティクス技術がある。
それらは、不透明な物質によって
バイオスフィアの720度の全方向性の視野を遮り
個人空間を分断する方法よりは
軽量で再生的に優れている。

安全な遊離のために

最密充填システムでは
ある球が周囲の球の中心として始まるのではない。
最初に2つの同径の球が最短距離で形成する相互関係から始まる。
その関係が全放射方向において
隣接するすべての球において反復されるのである。
全放射方向におけるこの相互関係は、
バックミンスター・フラーによって
最初にオクテットトラス構造の総三角形化システムに変換されたのである。
このシステムは未だ一般住宅には採用されていないが
大地から安全な遊離状態を維持するための
軽量化が要求される自動車、航空機・宇宙構造物などの
モバイル用人工物にはもっとも有効な原理として応用されている。
重力が有無にかかわらず、宇宙は全方向的である。

問題

優れた問題の方が
その問題解決方法よりも
独自性が高い場合がある。
独自性を生み出す
その独創力は
解決方法が未だ存在しない優れた問題をも生み出す。
さらに、その独創的な解決方法によって
問題を減らすと同時に
しばしば優れた問題を増加させることができるのは
問題を定義する新たな直観とビジョンが存在するからだ。
問題解決方法は
問題増加方法に変換できる。

2つの球体

25世紀前のギリシアの球と
シナジェティクスにおける
ジオデシック球には明確な違いがある。
無限は、有限なシステムの中で形成される
局所的な現象である。
局所的なシステムは
連続的に細分化されるが
限定的である。
無限は、永遠とは無縁である。

自己愛

自己愛は自分の一部であるから、
自己を冷静に外から見つめるということは難しい。
人間に深く根づいた自己愛は
<分断して征服される>最初の要因である。
自己愛に基づいた個性との融合は
さらに分離の要因である。

産業化のためのロングテール

20世紀の脱工業化によって
科学がテクノロジーを
テクノロジーが産業を
産業が経済を
そして、
経済が政治を
先導する時系列的な構造が再認識されてきた。
あらゆる政治的指導者は
重要な出来事の終わりのしっぽの方で
選ばれているにすぎなかったのである。
より長くより細くなるほど
左右により大きく揺れる<ロングテール>の
指導者だったのだ。
そのテールの長さと揺れは
けっして科学を先導できないばかりか
経済さえも先導できないのである。
個人の直観と経験のみが
つねに新たな科学的探究心を先導しているのである。

抽象化

政治・経済的支配は
物質の抽象化にほとんど影響していない。
あらゆる発展は
物質からどのように抽象するかによって生まれている。
抽象とは、大きさから独立した<関係>の中に
純粋な<原理>を発見することである。
抽象化は、概念的にモデル化できる。

2つの法律(Law)

法律を遂行するために
ネガティブな罰則の強制を伴う
記号のテクノロジーがインストールされた。
自然は、自らの秩序形成において
いっさいの罰則を持たない
テクノロジーをデザインしている。
いまや個人は、法律(Civil Laws)と
科学的原理(Scientific Laws)との間に
引き裂かれながら生存している
小さなモバイラーだ。

分断方法

芸術家が宇宙の秩序を客観的に表現する行為を
科学者に委任し、
科学者が宇宙の秩序を主観的に発見する行為を
芸術家に委任した時から
宇宙さえも理系宇宙と文系宇宙に分断されてきた。
それゆえに、分割して統合するために
動機を排除した
主観的、あるいは客観的
教育プログラムが考案された。

服従

真のテクノロジーは
生活必需品を確保するのに必要な労働量を
劇的に減らすことができる。
しかし、パソコンやインターネットの出現によって
より規模の大きい世界的な経済的混乱が再び起り
より長時間働くようにされ、
そうでなければ、失業者として飢えるままに無関心に曝されている。
戦争に関与した政府の職務に従事するために
あらゆる生産的な仕事から無数の男女が引き抜かれる準備ができているのである。
戦時のための準備とは
経済的混乱を回避するための
平時の組織的なあらゆるタイプの<服従>である。