コスモグラフィー」カテゴリーアーカイブ

常温常圧

自然は、反原発でもなく脱原発でもない。
宇宙全体のエネルギーは
増えも減りもしないにもかかわらず
惑星地球は、エネルギーを受け取る場所だ。
エネルギーを放射する必要がない場所として
デザインされた。
閉じた壁のない常温常圧で十分だ。
隔壁のない新しい境界線は、野生化する薔薇の茂みに任せよう。
———–真夏の私の庭なら無数の白カボチャで間に合っている。
受粉したそのめしべは、約40日で放射エネルギーを変換しながら肥大する。
冬期に長期保存できるカボチャの実は
カボチャの種子にとっても私にとっても
常温常圧で限りなく再生するモバイル用バッテリーなのだ。

秩序と主観

科学が秩序を<主観的>に発見した時、
それは純粋科学(pure science)である。
発見されたその秩序が
<客観的>に利用された場合、
応用科学(applied science)と呼ばれる。
シナジェティクスは、純粋科学に、
デザインサイエンスは、応用科学に属する。
<主観的>に発見する行為は
物理的に証明する行為よりも先行するが、
教育過程から秩序を<主観的>に発見する行為を
ほとんど排除してしまったのは
科学をメタフィジックスから切り離したからだ。
そして、科学の発展は開発費に比例すると
<客観的>に考えている。

理解と直観

多くの原理はまだ発見されていないもかかわらず
操作可能である。
浮力原理が発見される以前から船が造られていたように。
理解には
まだ発見されていないが操作可能な一般原理群を
把握するための直観が含まれている。
これらの直観こそが知識の利得領域を拡張している。
理解は、自然の秩序を発見するプロセスに生まれる。

安全率(Safety Factor)

無知は不確実性を増大させる。
技術的な無知が増大すればするほど、安全率はより増大する。
大地に依存した基礎部をもったすべての構造は
大地に重力を流し続けるかぎり
構造のマージン(=margin 余裕部分)は増大する。
建築産業の安全率は通常4〜6倍に設定され
化学プラントの安全率は4倍、
原子炉圧力容器の安全率は3倍に設定されてきたが
航空宇宙産業の安全率が1.15~1.25倍に設定できるのは
より軽くより強度と剛性を備えた構造こそが
より少ない材料でより多くの体積を包囲できると同時に
飛行の安全性をより向上させるからである。
安全率がより増大ればするほど、応力分散の自由度はより減少し
リダンダンシーがより増大する。
構造のマージン(余裕部分)こそが
安全性をより低下させているのである。

思考プログラム

独創性は
質問に対して検索で答える教育プログラムから生まれない。
検索ロボットが収集したこれまでの情報は
地球上の全情報のせいぜい1%未満である。
検索とコピペを奨励するプログラムは
植民地化の思考プログラムだ。
事物との新しい関係は
既存の情報や知識、
そして知恵やそれらとの組み合わせには存在しない。
検索とコピペを奨励するプログラムは
けっして動機(=know why)を生成しない。
独創性は
つねに検索不可能な領域で生成される。
他者からは検索できない
自己と宇宙との新しい経験から生まれる。

パリティ(parity=平衡)の物質化

張力の歴史は、
人間の構造的な客観化における
間接的、代理的、従属的でつねに局所的な概念の歴史である。
張力は、
哲学的前提から2次的な補佐的機能として考察されてきたが
張力が圧縮力とはじめて概念的に均衡したのは
1807年のイギリスのハンフリー・デービーによる
アルミニウムと鉄の合金の誕生からだった。
それ以後のすべての合金は、シナジェティックである。
つまり、それまでの産業を支えていた
哲学的前提が加速度的に破壊されていくのである。

ミスティック・ミステイク

包括的に理解していく行為に
魅力的な読書や瞑想は含まれない。
包括的な理解は
複数の間違った行為の過程から生まれる
もっとも神秘的な相互関係である。
それゆえに、
包括的な理解は教育プログラムから除外されてきた。
より間違わない論理性にのみに依存してきた知性は
もっとも分断されやすいのである。

現実への脱出

無数の異なった現実(=リアリティ)が
同時的かつ非同時的に存在する。
リアリティとして認識できるすべての存在は
観察者にとって
肯定的か否定的かのどちらかの状態を形成している。
より否定的な状態が優勢ならば
誰でも現実からの逃避を選ぶだろう。
リアリティと一般化(generalization)との相違は
一般化が<唯一の現実>から生成されていることにある。
異なったリアリティの不確定から脱出できたなら
生存する能力(=富)はより増大しはじめる。