バックミンスター・フラーの死後30年が経過した。
私は初期論文を公開することにした。
ちょうど30年前の7月18日に彼にあった。
私は30才になる直前だった。
この初期論文はサイエンティフィックアメリカン日本版の
オリジナル論文「多面体をおりたたむ」に続く第2弾だった。
これらの論文のスーパーバイザーは
バックミンスター・フラーだったが彼の死後、
日本の学会から出版された。
☆備考
“シナジェティクス研究所のサイト”:http://synergetics.jp/homeから
ダウンロードできる。
「コスモグラフィー」カテゴリーアーカイブ
最小単位
古代インドにおける重さと長さの最小単位は<麦>であった。
もっとも身近な主食に成り得たからこそ
この目に見える穀粒が
異なった世界を共通化するための記号に変換された。
穀物よりも成長の早いイモ類が記号化されなかったのは
イモ類が長期保存性に劣るからだった。
とりわけ、移動には不向きであった。
穀物とその栽培方法や保存方法が
重さと長さの永続的な最小単位を作り出したが
その単位はその植物が成長し
種子がより移動した結果である。
統計的な近似値的なその結果から
長さや重さは
それらをどのような方法で測定するか
という<操作>によって定義されている。
量子幾何学としてのシナジェティクス
シナジェティクスの量子モジュール群の発見は
素粒子物理学におけるクォークの発見に等しい。
シナジェティクス・モジュールの発見は
基本的な素粒子の発見と同様に
基本的なモジュールの発見だけではなく
異なったモジュール間の融合によって
より単純なシステムを発見してきた。
例えば、クォーク1個の質量が電子の質量の整数倍(=1836倍)
になる理由を科学的に解明できるのは
シナジェティクスの量子モジュール理論だけである。
シナジェティクスは
自然の先験的な秩序を発見する
科学的なテクノロジーである。
続)他人のアイデア
他人のアイデアとの違いを求める行為から
独創性は生まれない。
独創性は自己の無数の経験の秩序化に関わっている。
その結果、どんな他人のアイデアにも
似ていないアイデアが生まれるのである。
<Think different>は
物事を変える行為を外からみた時の
他人の言葉だ。
非鏡像的な相補性
すべての圧縮材は惑星地球から調達されてきた。
それゆえに、圧縮力は大地との結合を必要としている。
張力は惑星地球以外とのしかも
距離を超越した関係を含んでいる。
それゆえに、張力は圧縮力を統合できるが
単独では存在できないのである。
テンセグリティの張力は
非鏡像的に異なった圧縮力との関係においてのみ
相補的に存在しうるのだ。
他人のアイデア
国産車の部品は
世界中の部品メーカーが供給する部品から構成されている。
そうでなければ毎年デザインされる新車は
安価に、そして安全には製造できない。
しかし、独創性に関する限り
世界中の他人のアイデアを無数に集めても、
新しいアイデアはけっして生まれない。
続)客観的主義
何も生まなくとも
何も破壊することなく
何も放棄もしない<客観的主義>は
もっとも淀んだ主観的な行為だ。
客観的主義
シナジェティクスが「情緒と創造」のメタフィジックスに
関与すればするほど
事実を観察することから始める
<客観的主義>への依存度はほとんどなくなるだろう。
しかし、この方法は日常生活において
内的・外的に実際に生起している現象の観察を放棄することではない。
科学的な<客観的主義>が
単なる思考の習慣にすぎないことを認識することにある。
概念の牢獄
驚くには及ばない。
テンセグリティ原理が発見されるまで
圧縮力と張力の分離は
<構造とパターン>を問わず
いずれも構造の破壊行為とみなされていた。
概念の牢獄は思考方法からではなく
言語から始まっている。
「宇宙には<固体>は存在しない」RBF
無・信念
原理の発見は
自己の思考が完全に終焉したときに
風のようにやってくるだけである。
自然を曇りなく見るための
信念とは無縁だから。