今世紀の経営戦略でも頻繁に使用されるようになった<シナジー効果>
つまり、
技術力や生産設備、営業網などの各部門の共有によって
コストメリットやノウハウ、人材の移転などによる効率性の向上に繋がる
様々な相乗作用を活用した<シナジー効果>とは、
部分から推論できる全体の経営的な合理化のことである。
部分から推論できる全体の合理化としての<シナジー>は
部分から推測できない全体の非論理性を備えた
<自然のシナジー>とは本質的に異なる。
水素と酸素が化合して水になるように
2種類以上の物質が結びついて1種類の物質ができる化学変化が
相乗効果ではないように、
さらに、
圧縮材と張力材の各構成部材の相乗作用を活用した効果として
空間構造上の利益を生みだせるように
テンセグリティがデザインされたのではないように、
シナジーは人間が期待するような段階の相乗効果ではない。
真のシナジーはつねに発見されてきたのである。
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有機的について
炭素が無限の多様性をもつ物質を作る
もっとも重要な構成要素として発見された時には
「自然は有機的に統合された再生的なシステムを
つねに構造に取り入れている」(Y.K)とは未だ認識していなかった。
今や有機化学におけるすべての化学的結合は
つまり、炭素化合物の合成は
極性を形成する対称的な構造システムに関連している。
ーーーーーバックミンスター・フラーレーンにおいても
細部(detail)について
シナジェティクスモデルに
細部(ディテール)は存在しない。
細かく切り刻まれた部分の集積がない
シナジェティクスモデルによって
細分された部分からは推測できない
部分と全体の関係を観察できる。
非物質化された重さのない純粋な関係を。
自然の機能について
シナジェティクスモデルで
生起する物理現象が
デザインサイエンスの原寸大モデルでも物質化できるのは
シナジェティクスモデルに自然の機能が形成されているからだ。
シナジェティクスモデルは
建築デザインやプロダクトデザインが扱う
形態認識のための縮小モデルとは
本質的に異なっている。
非・XYZ座標システム
ユークリッド幾何学は
XYZ座標システムから時間を除外してきた。
シナジェティクスは
非・XYZ座標システムに時間を包括した最初の幾何学である。
ーーーーーー存在するすべてを対象化するための。
矛盾について
部分それ自体から
他の部分の存在を予測できる
どんな部分も存在しない。
すべての矛盾は
部分から他の部分の存在を予測できない
限界から生まれる。
しばしば部分から想像する矛盾、
あるいは首尾一貫性でさえ
全体とはつねに無関係である。
クロノファイル
クラウドに集積される
時系列的クロノファイル(=メールの履歴以外に
スタバやガソリン代などのレシートなども含む)は
他人が自分を見るように
自己を対象化する最初の記録方法かもしれない。
自己とは
先験的に明白ではないなら
記号言語による脳内探査の有力なツールだ。
残像
知覚と認識との間に遅延が生じるのは
脳のメカニズムの限界からである。
認識するためには
複数の異なった残像を待たなければならない。
残像と残像との時間差(=lag)は
無である。
瞑想とは
この無を受け入れることである。
ーーーーー残像が介在しない時間を。
脳の限界を利用して
無へと逸脱する瞬間を待っているのである。
回転と軌道について
宇宙では
恒星や衛星、そして電子や陽子などの
<回転=spin>と<軌道=orbit>は
同時に生成される。
しかし、
惑星地球上では
頭の<回転>を気にしても
頭の<軌道>をほとんど問題にしない教育に満足している。
20世紀間も続いた平面的世界観は
今も根深く支配している。
続)節約について
積極的な抵抗とは
たとえば、社会的な諸問題を解決するために
発明をすることである。
客観的行為は
積極的な抵抗から生まれやすい。