基本的な特許は
連続するアイデアのある段階に違いない。
それは独創的な発明の特徴である。
独創性の極限は原理の発見である。
発明が自然の諸原理の応用にすぎないなら。
「コスモグラフィー」カテゴリーアーカイブ
無償について
われわれはすでに生得的な安全装置(Fail-Safe)を与えられている。
自然はこの安全装置を
より重要な部分をけっして所有しない<標準>システムとして
すべての有機体生命に
隈無くインストールしてきた。
この無償の安全装置は
エコロジーと呼ばれている。
意図について
偶然とは意図しない経験である。
宇宙は自発性に基づいた客観的かつ主観的なすべての経験
つまり、新しい試みや実験と
意図しないすべての経験
つまり、偶然性に基づいた経験の両方を含んでいる。
火星計画について
地球上で個人が生存するためには
全体との繋がりが何であるかを絶えず確認しなければならない。
ーーーーー存続したい場合も、たとえ絶滅するにしても。
精神的な無力と惰性によって
絶滅に突き進んでいく人々を
夢で延命させる政治指導者がすっかり廃れても
夢から立ち直させる優れた医者は
火星にはいないだろう。
発見について
分析は
より小さな宇宙を
より単純に見るための人間が発明した知的な方法だ。
しかし、われわれは科学的に発見すればするほど
未知なる存在によってより圧倒される。
そして、未知なる存在はつねに
既知となった秩序と
互いに矛盾のない秩序を形成しているのである。
明らかに客観的な知性は先験的に存在している。
宇宙について
より大きな宇宙は
より小さい宇宙からはけっして予測できない。
ーーーーより小さい宇宙は複雑すぎるから。
続)パリティ(Parity)
シナジェティクスは
1950年代に素粒子物理学で発見されたパリティ(Parity)の概念を
最初にモデル化した唯一の包括的科学である。
私が1981年からバックミンスター・フラーと共同研究を開始するまでの
相補性(Complementarity)の概念と本質的に異なるパリティ(Parity)の概念を
シナジェティクス・モデルで物質化する懐胎期間は
ほぼ30年を要していた。
■参照『コズモグラフィー シナジェティクス原論』白揚社 (2007/09) 補遺
バックミンスター・フラー著 梶川泰司 訳・解説
パリティ(Parity)
地球上では
思考可能な対象に対して
対象の外側をその外部から観察する
思考形式がある。
この思考形式は
宇宙に対して
内部からその対象の外部を観察する思考の形式の反転現象を
けっして思考の対象にしない習慣を伴ってきた。
<左>と<右>を本質的に区別するための概念が
相互関係を一定に維持したまま
交換可能な<表裏の反転>現象
でしかないにも関わらず。
ーーー片方だけのゴム手袋によって左右を反転する実験のように
美について
陽電子が電子と衝突し対消滅して
光子が放出されてγ線に変換されるように
圧縮材と張力材がテンセグリティに変換され
すべての外力を分散する
共鳴型テンセグリティシステムの生成プロセスに
<美>は介在しない。
テンセグリティは外力とは共鳴できるが
美をデザインする人間の欲望とは共鳴しない。
続)神秘について
経験による
知識の初期化は
デフォルトの発見を伴う。
この発見は知識量に比例しない。
もちろん年齢にも比例しない。