自然について考察したことが、いま見ている副作用だった場合、
自然の主目的はつねに機能していたのである。
人間は、発見した局所的なシントロピーから
エコロジーを再現できない段階にいる。
自然について考察したことが、いま見ている副作用だった場合、
自然の主目的はつねに機能していたのである。
人間は、発見した局所的なシントロピーから
エコロジーを再現できない段階にいる。
遺伝子コードが言語的なメッセージを包含していないように
シナジェティックな相補性はそのコードにはいっさい含まれていない。
非鏡像的な相補性は、1950年代の物理学の<対称的な破れ>から始まったが
シナジェティクス的には捉えられなかった。
シナジェティックな相補性は、内部と外部の反転に関する回転軸上のスピン操作で
<対称的な破れ>を説明できる。
参照
『コスモグラフィー シナジェティクス原論』バックミンスター・フラー著、梶川泰司訳 2004 白揚社
膨大な利益確保のためのエネルギー資源の輸送を
閉じた「パイプシステム」や、
局所的な地域ごとの電力ネットワークで独占する国家によって許可される
住宅・都市建築と全面的に対立したバックミンスター・フラーは、
建築家として振る舞うことはなかった。
実際、彼は建築家のライセンスを持たなかった。
1927年、フラーの創始したデザインサイエンスは、反建築的である。
シナジェティクスが幾何学主義を批判したように。
シナジェティクスを学生ではなくこどもに教えることで
どれほどのシナジェティクス原理が発見されたのだろうか。
そして、その原理群がすべて既成品から構成する方法を発見できたなら、
さらにその方法によって、世界中のどんな既成品からも
予測できない全体のシステムの機能が偶然に発見されたなら、
それは新たな合金の発見に等しい。
合金の製造方法は、おそくとも12歳までに習得すべきだろう。
独創性は、人間からであろうとコンピュータからであろうと、
予期しない障害や干渉によって
独自な問いから生まれる。
しばしば、問いかけ自体に独創性が宿る。
独創性は、複合した全体からやって来るがゆえに
つねに<間違うという神秘(RBF)>から誘導される。
独創性が、知的な盗癖からけっして偽装できないのは、
独創性に潜む神秘が、つねに反知性的で不合理だからである。
新しいアイデアをどんなに切望しても、
革新的なアイデアがやって来ない現象を
才能や予算の問題だけにしているかぎり
アイデアは、予期できる範囲で知性的で合理的だからである。
風にはパターンがあるが、
風の源には、風の吹かない場所がある。
無知によって秩序を発見できない場合、
秩序に先行するどんな初源的な風も存在しないにちがいない。
シナジェティクスは、幾何学ではない。
シナジェティクスは、
すべての存在に向けられるプロセスに生まれる。
三次元幾何学で代用する閉じた技法から
シナジェティクスモデルは発見されないように
デザインされている。
実際、構造に関わる専門家たちは、宇宙の重要な構造を発見しなかった。
1949年バックミンスター・フラーによって
球状テンセグリティは、絶えず共振し共鳴する
もっとも単純な生きた無生物として発見された。
その後、細胞テンセグリティを構成するタンパク質には、
圧縮材にも張力材にも変換され、細胞の形態を保つ機能が発見された。
細胞膜は構造ではなかった故に、
テンセグリティがもっとも注目されたのは20世紀後半の細胞学からであった。
21世紀の超軽量のテンセグリティ構造の圧縮材と張力材が
すべてカーボン材から構成されるように、
テンセグリティは、4面体の統合体なのである。
統合体には、不可視の張力が関与する。
引用
SYNERGETICS
Fig. 1033.019 Circuit Pattern Tensegrity
<実と虚>の相補システムでは
<実と虚>の優劣をけっして形成しない。
この相補システムには3種の空間モジュールが存在する。
<実と虚>の境界線は、ジオデシックな円弧状の最短距離で形成される。
正義と悪という概念的対立に置換するしかない政治経済システムは直線的である。
交換可能な相補性の欠如した対立は、時代遅れである。
☆
シナジェティクスが発見した3種の空間モジュールはピンポン球と紙粘土のモデリングから
実体とされた最初の球こそが、他の2種の鋳型として反転する認識方法に気づくだろう。
この手を伴う重要な空間実験は、とくにこどもが好きだ。
SYNERGETICS
great-circle geodesic arcs
Fig. 1032.31 Concave Octahedra and Concave Vector Equilibria Define Spherical Voids and Energy Trajectories:
空隙のない物質は存在しない。
残された空隙は不足を想起させるものでも
埋めるべき現実を待機するものでもない。
残された空隙のパターンから
虚と実との相補性を思考することができる。
それぞれは単独では存在しないリアリティを。
結晶学も準結晶学もこの相補性を発見できなかったのは
視覚的な観察に始終したからである。
球の最密充填システムから、この虚と実の相補性を
認識したのはシナジェティクスだけである。
SYNERGETICS
Fig. 1032.12 Convex and Concave Sphere Packing Voids:
汽車が電車に、
写真機がカメラに、
ビフテキがステーキに、
ナポリタンがアラビアータに、
オンザロックがオーバーロックに、
ホットがラテになる前に、
1970年代の幾何学はシナジェティクスになっていた。
中学生が暗くなるまで集団で部活しているのを見ると
私はいつも悲しくなる。
自発性を装った努力によって
21世紀が望む社畜になるほどの<段階的集団性>に気づいた時には、
彼らはもう学校にはいないだろうから。
真の自発性は、場所と群れを伴わない想像力にある。