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<成熟と休眠>

基礎という概念は
あらゆる教育過程や社会的活動の初期設定を支配している。

あらゆる<基礎=foundation>という概念は
大地の不動性に根拠を求めてきた。
<基礎=foundation>や<根拠>は
その不動の<大地に根を生やすこと>を意味する。

——–人類のほとんどの住宅の構造が、大地から、
つまり、基礎から自立するのではなく
基礎によって大地に繋がれているように。

しかし、<大地に根を生やす>植物においては
発芽する段階に至るまでに、
種子の<成熟と休眠>の時間と段階が存在し、
種子内部での複雑な生理学的変化を生成する。

それらの生理学的過程を経由した後に、
適切な環境条件(太陽光、水分、温度、湿度など)に出会った時
種子ははじめて大地に向けて発芽する。

植物は、環境条件に出会わなければ決して発芽しないようにデザインされている。

シナジェティクスの学習過程では
<成熟と休眠>という生理学的変化を経由しない時、
<基礎知識>はけっして発芽しない。

シナジェティクスは大地から離陸した最初の<思考の幾何学>である。

批判作業

新たな幾何学的事象を幾何学的な知識で標準化する代わりに
別のモデル言語で思考し、モデル化可能であるかを知ろうとする企てに
シナジェティクスが関与していないとすれば、
つまり、シナジェティクスが
シナジェティクスの思考自体への批判作業でないとすれば、
<思考の幾何学>は形成されなかった。

自己教育システム

掃除婦付き住宅は、ロボット掃除システムになり、
運転手付き自動車は、自動運転システムになるだろうが、

すべての<自己教育力を培う授業システム>は
科学的ではない。

学校および、家庭教師付き学習机は、
生得的な自己教育システムで十分である。

自己教育のプログラムとその教師は外部に存在しない。

テンセグリティの起源

どんな構造でも、多種多様な圧縮力と張力が構造システムを横断・縦断して構成している。
構造家においてこのような相互関係は、
権力が定義した構造システムの生産・蓄積・流通・作用なしに
相互に区別されることも、機能することも、そして生成することもできない。

構造家は数学者なしには、構造を解析できないように
スネルソンがテンセグリティの発見者・発明者に言及する時、
バックミンスター・フラーのテンセグリティの語源と定義にはけっして触れられなかった。

ケネス・スネルソン(Kenneth Snelson)は、
一般化された他の天体のテンセグリティ構造の力学(=コスモグラフィー)を
解説することができない。
テンセグリティのモデル言語の起源に彼は言及することができないように。

スネルソンのテンセグリティ彫刻は、記号言語のテクノロジーに躙り寄っている。

しかし、テンセグリティは
彫刻から始まってその様式で完成するほど
美術館の庭が似合う局所的な形態(form)ではなかった。

自然を模倣しないデザイン

圧縮材に細長比がある以上、挫屈する。
しかし、テンセグリティの圧縮材は、
その細長比の限界以上に挫屈しない。

細胞は、細胞膜だけでは自律できなかったので
テンセグリティ原理を応用したが、
細胞膜の内部の空洞化は目的ではなかった。

生存のための内部空間を形成する
私の分解型のモバイル・テンセグリティシェルターは
自然を模倣したデザインではない。

境界線

これまでのシンタックスを破壊するシナジェティクスは
境界線を越える方法であって、
その境界線が形成された後の理性の中で構築される幾何学の方ではない。
点、線、面の相互の関係性の起源を形成するモデル言語は、
シナジェティクスと幾何学との間の距離を打ち立てる境界線上にある。

浮遊的・回遊的・遊牧的科学

税収入に飢え続ける国家は、
ジオデシックやシナジェティクスのような
浮遊的・回遊的・遊牧的科学から、
独占可能な応用科学的技術だけを採用し、
こうした物質をより使わないテクノロジーを
許認可の制限内に従属させ、
その適用範囲を限定し管理する。

これは権力テクノロジーの基本的な戦略である。

疑似的な
浮遊的・回遊的・遊牧的科学は
いまや火星に集結しようとしている。

シナジェティクスによる分析と統合

シナジェティクスは、発見による統合だけではない。

シナジェティクスによる分析は
自分を外から見る一つの操作主義的な領域を含んでいる。
それは、自己の外で、宇宙と自己との境界を拡張する方法なのだ。

言語に近接していると同時に言語の現在性とは異なるものとして、
言語の現在性を包囲しながら言語から離脱し拡張ていく構造とパターンを
その外部において示すような言語の縁である。

シンタックスとセマンティックな統合はつねに
遅れてやってくる。

物質化はさらに遅延する。

最初の他者

シナジェティクスのモデル言語は
ある前例のないモデルに包含されるのではなく、
他の何かへの関係がモデルに偶発的に変換されることから始まり、
その後のモデルエンジニアリングによって
ついに、モデル言語はモデルなしに他者に伝達可能になる。

<正12面体は5つの正4面体に対称的に折りたむことができる>
という言語だけで、残りのすべての可能性が
瞬時に露わになったのである。

バックミンスター・フラーは、その言語に明晰な最初の他者であった。

しかし、そのような対話から宇宙を学ぶ方法は
素粒子物理学ほどまだ十分に研究されていない。

非弁証法的な言語モデル

ギリシア的幾何学思考の黎明さは、
大理石という固体性に基づいた体系化されたソリッドモデリングの歴史である。

シナジェティクスのモデリングとは、思考の黎明さを回復するのではなく
非弁証法的な言語モデルの飛躍を伴う現実化への可能性に近づけるためだ。

頂点部における2面角(dehedral angle)の解放から生まれる
動的な軸角(axial angle)と不変的な中心角(central angle)との
新たな変容するシンメトリーの発見以上に
ギリシア的固体概念からの解放はないだろう。