誰かに転がされている石に
苔はつかないが、いずれ丸くなる。
最初よりも小さくなって。
だれも4面体状の巨石を見たことがないが
どんな転石も4面体の過程を経ているだろう。
丸くなる前に。
誰かに転がされている石に
苔はつかないが、いずれ丸くなる。
最初よりも小さくなって。
だれも4面体状の巨石を見たことがないが
どんな転石も4面体の過程を経ているだろう。
丸くなる前に。
見失った思考方法をそこに見出すためではなく、
非弁証法的な言語の新たな可能性の探査でもなく、
私をモデル言語の現実性に近づけるためだった。
宇宙の不変的な<構造とパターン>のモデル(model)のほとんどは
まだ未発見であるが
建築家は物質に関する構造モデルを発見してこなかった。
建築家は、<構造は、クライアントの好みに応じて構造を変えることができる>と
いう誤解を与え続けている。
それは外観上の形態(form)デザインにすぎない。
合金とその構造は絶えず発見されてきた。
試行錯誤のみの方法で。
そして、部分からのどのような推論も合金に発見には有用ではなかった。
「原理には重さがない」という科学的概念を
メタフィジカルな思想とのインターフェイスにすることによって
飛躍的な構造安定性と強度・剛性をもたらす
質量のない数学的なパターンを構造デザインの対象とする。
その方法論は、直観による絶えざるモデリング以外には存在しないだろう。
デザインには
発見と発明の同時的な統合作用が含まれる。
あるいは
その統合作用を引き起こすための
メタフィジックな意識が予め必要になる。
有用性に相応しい思考にふけることによって
気がつくと自分を超えた思考領域に入ることがあるのは
有用性<Utility>なくして
どんな発見も発明も存在しないからだろう。
有用性は、まだ解決されていない<問題>の中に潜んでいる。
宇宙での存在比から
水素、ヘリウム、酸素に次いで豊富な炭素は
元素の中でも最多の4組の共有結合機能を形成し
それゆえに、ダイヤモンドからグラファイトへ変化したり
フラーレンやカーボンナノチューブに変換できる。
シナジェティクスがもたらす強力な機能は、
シナジー作用と同様に
どんな経験や知識からも推測できない全体の働きによって
最初の自分とは違った存在に相転移するという物理性にある。
その物理性は、個性やオリジナリティといった概念では
把握できない。
実際どのような形態の上にも<有機的>に配置される張力の相互作用には、
連続性が存在するが、その連続性ゆえに、
そのメカニズムとシンメトリーにおける分類がはじめて可能になる。
その分類によって、身体や生物の構造への類比も相同からも発見されなかった事実が
認識され、いまやテンセグリティを過去の構造から完全に離脱して特徴づけている。
前例のないそれらの<構造とパターン>は、
科学者や建築構造家の観察からは発見できなかったばかりか、
テンセグリティは生命と非生命とを統合する場にのみ形成されてきた。
つまり、テンセグリティほど<有機的概念>を破壊する存在はないのだ。
あるいは、テンセグリティには生命と非生命の境界性を無化する機能がある。
2009年7月9日 の<犬のしっぽブログ>から再び引用
真空管が破裂することを、内破(implosion)という。
内側に向かって爆発するという意味である。
この概念は、正しくない。
内破は、重力現象として見るべきである。
ヒロシマの原爆は、空中爆発(explosion)であったから
爆発と共に強大な球状空間が真空化され、
ついに、内部に強力な吸引力が発生した。
このもう一つの重力はやがて、上昇する螺旋運動を形成し、
キノコ雲の球体を形成した。
原爆はけっして都市を吹き飛ばす爆発力だけではない。
原爆の瞬間を表したヒロシマ原爆資料館の最新のCGのように、
爆発の放射(=圧縮力)のみに注目する原爆の物理学には、
内部への吸引力としての張力は不在である。
秩序を見分ける方法は、
もっとも大きなパターンの存在を発見すること以外にない。
そのパターンは、概念によってはじめて投影される。

映像1
最初の原爆のニュースは、共同通信社の特派員による手書きのイラストだった。
キノコ雲の下には、巨大な螺旋状のトルネードが描かれている。

映像2
アメリカ空軍が撮影した高度1万メートル上空からのキノコ雲。
キノコ雲よりもトルネードの方が黒いのは、爆発によって形成された放射性物質を吸い上げているからだ。
このキノコ雲は排気と吸引の機能を持っている巨大な掃除機と考えられる。
電気ではなく、原子力で作動した最初の掃除機だ。
多くの瓦礫と死体、そして元安川の水を大量に吸引した。
これが後の黒い雨となって落下した。
ヒロシマに川がなければ、もっと被爆者は少なかっただろう。
構造は、自己のテクノロジーとの反映物であり
第二の自己である。
構造を通過するエネルギーが構造自体をより強化するかぎり、
構造は、つねに動的に安定している。