シナジェティクス」カテゴリーアーカイブ

直観と美において

シナジェティクスの諸原理をデザイン理論に組み込んで
外部に対してその実用性を望む場合や、
シナジェティクスにおけるバックミンスター・フラーの言説によって
産業上の進歩を無邪気な実証性において示めそうとするデザイン理論を
教授できると自負する場合は、侮蔑すべき何かが存在する。

そもそもシナジェティクスとデザインサイエンスは
すべての大学の外部で発見され、開発され続けて到達した
シナジーをさらに統合する<宇宙の知の階層構造>なのである。

シナジェティクスとデザインサイエンスが
これからも学会や学派を形成しえないのは
直観と美において圧倒的に
先験的メタフィジックスに関与しているからだ。

シナジェティクスとデザインサイエンスの基本的戦略

「原理には重さがない」という科学的概念は
モデル言語形成のためのインターフェイスであり
飛躍的な構造安定性と強度・剛性をもたらす質量のないパターンを
構造デザインの対象とするのは
モバイル・テンセグリティシェルターにおける
デザインの基本的戦略である。

シナジェティクスが境界領域から生まれたわけでもなく
デザインサイエンスが学際的に形成された歴史も存在しない。

宇宙の原理が境界領域から生まれたわけでもなく
物質が学際的に形成されているわけでもないからだ。

シナジェティクスは超越論哲学か

モデル言語は、分析や解釈からは生まれない。
モデル言語はシナジーを奥深いところで性格づけている一つの現れに違いない。

シナジェティクスほどバックミンスター・フラーという創始者の
思想の解釈の過剰性から遠のいた学問はないだろう。

若きバックミンスター・フラーは
先天的認識がどのように可能であるのか
その可能性と根拠についての問う認識において
もっともカントに接近し、
当時の相対性理論の希有な理解者としてアインシュタインと邂逅する。

バックミンスター・フラーを
プラグマティズム(アメリカ合衆国の哲学)に閉じ込めた
ヨーロッパ経由の日本の哲学者たちは
自らの解釈の過剰性で時代遅れなのである。

哲学的認識のシステムとしてのシナジェティクスは
モデル言語の発見に満ちている。

モデル言語は先験的であり、現在も先験的に生成され続けている。
すべてのモデル言語をシナジェティクスモデルとして
視覚化可能にする操作主義において
シナジェティクスは超越論哲学を超えた最初のメタフィジックスである。

シナジェティクスは、重さのない自然の諸原理の発見を誘導するシステムである。

概念モデル

見るためだけのテンセグリティモデルは
シナジェティクスに対して盲目となる。

テンセグリティは
発見された概念モデルからデザインされる。

純粋な概念モデルは、どんな構造にも似ていない。

放散虫やフラーレンでさえ、自然を模倣したのである。

美しい皺

<構造>という一見単純で身近な言葉の背後に隠れている不完全さを
一つ残らず解放しなくてはならない。
その瞬間的な崩壊によって、人々は圧死してきたのだから。

地震の周波数によって瓦解する脆弱な仕組み以上に
振動を拒む傲慢で虚しい概念によって
維持されたその不完全さは、
構造安定性に対して無数の思考上の断層を形成しているのである。

それに対して、自然の断層は剪断応力が岩盤の強度を上回った場合に
岩盤が割れてエネルギーの分岐点である断層が生じる。

岩盤を割ることによって、地震のエネルギーの一部を解放する断層は
圧縮応力と引張応力のいずれかまたは両方によって形成されるのである。

すべての断層は、バイオスフィアのエネルギー計算によって
動的均衡を形成している。

本来は、バイオスフィアの表皮の美しい皺なのである。

生きて動く老化なき皺なのである。

先験的思考

先験的シナジー情報は、思考からは到達できない。

先験的思考力によって獲得された全情報は
思考した人には属さない。

先験的なシナジー情報は、すでに宇宙に存在しているが
それらは、しばしば観察結果には現れない。

観察結果は
先験的シナジーに含まれない
自惚れた理論によって変化するだろうから。

先験的思考は存在するが
それを証明することは
シナジェティクスの目的ではない。

シナジーを求めて

地震学という科学では
現在の情報から全体や未来は予測できない。
観測され蓄積された過去のデータから
過去の事実を<未完成な理論>から解析できる段階にある。

シナジェティクスにおいては、
〈昨日〉の情報や方法に対して
いかなる差異を導入できのか、
一つの僅かな差異を概念モデルの<現象>から求める。
しばしば、その差異が新たな構造とパターンの発現として認識されるまでになる。

想像し得る一つの全体や未来の計画から出発して
<現在>を理解しようとはしないというメタフィジックスが前提にある。

なぜなら、シナジーはどの現在の部分的情報からも
シナジーを形成する全体情報は予測できないという無数の経験と
その経験に基づいたシナジーの発見があるからである。

『シナジェティクス』は、
エンドレスなこれらの発見のインデックスに満ちている。
『シナジェティクス』のインデックスは
未知なる分類学からやってきたのである。

全体はつねに想像し得る一つの全体を超えているがための分類学を
樹立した『シナジェティクス』は、インターネット社会が到来する前に
1975年、ディレクトリ型検索エンジンの原型を最初に書物に導入している。

☆この驚くべき方法は、つねにその内容と不可分にある。
SYNERGETICS

権力の物質化

構造としての城と城壁は
人間の生存には否定的だった。

圧縮材の集積は
統合力よりも
権力の物質化でしかなかった。

(数十億円かけた原寸大の破壊実験は
1回目で十分にその視覚化に成功した。

原爆ドームと同じように
圧縮材の破壊のプロセスの歴史を保存すべきだ。

エネルギーと対抗した構造の歴史を)

構造とパターン

構造とパターンは相互的に直接含み合う。

シナジェティクスから
構造とパターンが分離することはない。

不完全で非経済的な構造とパターンが
大地震で完全に、そして一挙に分離される時
人々はより柱のない空間に非難し、生活している。

より柱のない空間は
より経済的で、より軽い、
安全な構造とパターンを採用している。