シナジェティクス」カテゴリーアーカイブ

シェルターデザイン

シェルターとは何か。

大地に働きかけようとしなかったなら死に絶えるように
バイオスフィアに働きかけようとする時にのみに形成される
自己のテクノロジーなくしては
生き延びられない。

テンセグリティ・シェルターデザインは
都市生活者のためのアウトドアへの新たな道具ではなく
バイオスフィアへのインドアなのである。

自惚れについて

黙々とひたすら構造とパターンを
発見しようと試みる。

その結果、発見された構造デザインを
他者にけっして原型をプレゼンしないまま
プロトタイプを再び黙々と制作する。

構造とパターンを最適な物理的モデルに変換した結果を
形態美やコストという<見える機能>から評価する知識から
けっして評価させない自由と経済的に自律する配慮は
他人の欲望を利用するデザイナーたちの
自惚れ(個人的獲得物質=for personal gain)からは生まれない。

自然の優れた構造とパターンには
もっとも経済的な構造安定性が共存している。
——–美が無意識と共存しているように

非再生的な固体

なぜなら、「宇宙には固体は存在しない。」RBF
そして、固体物理学も存在しない。

固体(solid)という概念が
防波堤やビルディングの強度と剛性に対する
願望を存在させているのである。

短命な固体こそ、分子的に変化し崩壊している。

実際、その寿命は実質40年間であり
非再生的で短命である。

無秩序の秩序化

「防潮堤は景観だけでなく目の前の津波襲撃を
ブラインドする凶器の遮蔽壁となった」

津波に対する防波堤は
土木工事で富を稼ぐための
コンクリート(=固体的)な思考そのものである。

セメントで凝固させた硬化物(コンクリート)は、
無秩序の秩序というものを
分子的なレベルで組織してきた。

その無秩序な防潮堤は都市を取り巻いている。

無秩序の秩序化は
権力テクノロジーの基本的な方法論である。

防潮堤ほど、権力テクノロジーによる非構造化を
視覚化している高価な固体はないだろう。

共振する構造

3mの高さから落下させて、
バウンドして、その衝突のエネルギーによって
なおも共振しながらもさらにバウンドして
その衝撃をより短期間に減衰していく過程で
テンセグリティをより構造化する構造モデルは
そのシナジーの全体性を記述することの不可能なモデルであり、
その共振という現象を回避することの不可能な最初の構造である。

固有の周波数の電磁波と原子核が相互作用するように
われわれの生命を保護するための
共振する構造として。

よりコンクリートな構造

コンクリート(concrete)は
もはや凝結した固体的な物質観に支配された言語の一つである。

語源的には、<concretus(con-共に+crescere成長する>
成長過程を意味している。
そして、有形な明確な具体性を意味しはじめたのである。

テンセグリティ以上に構造を
張力と共に成長過程に曝す
つまり、より構造を<コンクリート>にするシステムは存在しない。

テンセグリティは、非固体的で圧縮材と張力材が
ついに凝結しない
永遠に動的に共存するコンクリートな構造である。

テンセグリティは、
間違って凝結した
われわれの言語を砕くために発見されたのだ。

構造をより構造化するシステム

壊滅された都市を復興させるのは
破壊される前の記憶である。

構造は最近の発見である。
構造は空間に関する知で継承された
古典的な問題でも最優先的な問題でもなかった。

構造をより構造化するシステムは、
構成部材の強度や剛性から到達できない
重さのない統合性なのだ。

構造をより構造化するシステムは
最近まで未知(unknown)であった。

真の構造を通過するエネルギーは
構造をより強化するように機能するノウハウを
人間はついに想像できなかった。

構造を通過するエネルギーと専ら闘っているだけである。

<否定的無>から<自律的無>へと

無管、無線、無柱、無軌道という4つの<否定的無>は
構造の自律性のテクノロジーと
エネルギー・食料の生産性のテクノロジーによって
都市や農村から
分離可能な<自律的無>へと変換される。

すなわち、沿岸部に全人口の80%を閉める
現在の都市文明から
人口のない内陸部の極地へと向かうのである。

あるいは、珊瑚礁の小さな島々を移動し続けるのである。