デザインサイエンス」カテゴリーアーカイブ

Gimme Shelter

真の空間製造技術とは
権力が引き受けた生命空間の領域が破綻する方法、つまり
エネルギーと食糧生産の自律性を生命空間に導入する方法である。
この方法は、大気圏外の宇宙ステーションの設計では前提条件である。

喜びと苦痛を分離するための
空間製造技術(=シェルターの量産化)は存在する。
なぜなら、平均的な人々の税金でその開発は賄えるから。

用途開発(utilization)

ジオデシック理論から
シナジェティクスへ飛躍する挑戦に興味がない場合は
構造からシナジェティクスへの接続と同じ
構造とパターンの有用性の変換力に起因するだろう。
原理と工学の相互関係が有用性(とその無限性)を生むプロセスは
シナジェティクスを生成する。

用途開発(utilization)は応用技術ではなく、
先行するこれまでの標準の概念を破壊するテクノロジーである。
真の有用性は包括的な気づきによって発見される美的な解決方法である。

実験と経験

ほとんどの経験が無知と恐れと不安で満たされているにもかかわらず、
生存に必要なことはそれを実行する経験から認識される。
必要なことを実行する前に、それを実現する方法を知らないにもかかわらず
より効果的に余裕を持って実行できる段階が訪れる。
実験と経験は本来区別できない。

脱専門化

鳥は卵を産むための巣を作る、蜘蛛は獲物を捕獲するための巣を作る。
美しい専門家たちは単一の目的を実現する道具によって生存する。
人間だけが動く住居機械(自動車、船、飛行機、シェルター)
を作る才能が与えられた。
脱専門化は移動しながら発明するテクノロジーである。

展開型テンセグリティ構造1995

静止状態の固体現象は発見されなかった。
出来事は物から記述できない。
機能は物からデザインできない。
私が発見したシナジェティクスモデルはすべて動く。
テンセグリティ構造でさえ展開型にデザインできる。
1995年直径11mのモバイルテンセグリティシェルターが制作された。

1995年バックミンスターフラー100年祭(ニューヨーク)で展示された
展開型テンセグリティ構造モデル(直径200㎝) 
構造デザイン 梶川泰司 
制作 シナジェティクス研究所


『宇宙エコロジー』バックミンスターフラー+梶川泰司 著 美術出版社 2004 p352

シェルターの球形化率

最も効率的に飛行する鳥ほど、卵の非対称性または楕円率(楕球率)が高くなる。
そして、卵の形態は産卵数や環境要因、巣の形態とは無関係である。
卵は鳥の飛行経験から航空工学的にデザインされる。
卵黄が卵管に排卵され、卵管内で卵黄の周囲に卵白が形成され
最後に卵殻が形成される。
産卵以外のすべてが飛行中に形成されている。

人間の効果的なモバイルへの要求によって、
激しい風雪に対して
シェルターの球形化率と半球の非対称性を採用し、
その直径に対する2層皮膜の厚み率を
卵の直径と殻の比:1/100よりもさらに低くデザインした。

モバイルシェルターは、定住するためではなく
移動経験から球形にデザインされ、
すべての構成部品は移動中に調達される。

卵と飛行

飛行機能と安全な産卵と巣をデザインした結果、
鳥とその卵の大きさの比は種類毎に異なる。
ウズラの卵は小さいが、鳥と卵の大きさの比が鳥類の中で最大になる。
人間の大きさと住宅との大きさの比は、経済的格差で容易に変動する。
生存用のテンセグリティシェルターの直径は
最小限の重量と構造の相互作用から科学的に設定できる。

動物行動学的に、飛行と産卵の関係はモバイル性と住居との関係である。

形態は構造ではない

船は大波で揺らぐ。
航空機は乱気流で揺らぐ。
嵐で軋む住宅は振動には不向きだ。
エアロダイナミクスとは無縁な形態は
建築の世界では自己表現の手段になる。
形態は構造ではない。

大きな栗の木のある畑の傍で、
春嵐の中でその太い枝よりもスローに揺らいでいられるのは
嵐に共鳴するテンセグリティシェルターだけだ。
畑に係留するだけで収穫までしばらく停泊できる。