デザインサイエンス」カテゴリーアーカイブ

哺乳瓶(baby bottle)

哺乳瓶という授乳する道具の発明は、労働形態の変化と人口爆発を加速した。

哺乳瓶の発明は、蒸気機関に始まる19世紀の産業革命と同時期であり、
世界同時多発的に生まれた。
哺乳瓶は、素材技術の革命から生まれたのではなく、
女性の工場労働力の確保の必要から生まれたのである。

その発明は人間を含む哺乳類の子に対して使用できるほど汎用性があるが
当時の哺乳瓶の開発主体は、つねに男性だった可能性がある。

自由(=Freedom)の実践方法

シナジェティクスが、自然の原理の発見によって、
その独自な探究方法を確立しながら
デザインサイエンスの環境の変革によってもたらされる
自由(=Freedom)の実践方法でないとしたら、
自己規律を伴う自己テクノロジーは
宇宙に内包されなかっただろう。

エネルギーと水、食料とシェルターの科学的な生産技術は、
自己テクノロジーを媒介する。

人為的なリバティ(liberty)とは異なった
自由(=Freedom)の実践方法は、つねに宇宙的で包括的だ。

自己シェルター

自己テクノロジーは、宇宙と環境との境界に
自己シェルターとして媒介する。

その自己シェルターが、単独では存在せず、
他の有限なものとの関係において生成され、存続するかぎり、
自己シェルターは重さのない諸機能の統合体である。

宇宙がそれを受容する時、自己シェルターは、
宇宙と自己が織りなす無償の贈与システムとなる。

シナジェティクスと数学

エッシャー論文でさえ、私の書いた論文は、すべて数学のカテゴリーに分類されてきた。

<構造とパターン>に関するすべての研究は数学である。

シナジェティクスは、数学と同様に
物理学、化学と生物学にも影響を与えてきたが
建築学に対してはもっとも希薄であった。

建築家は裕福なクライアントなしでは成功しないからに違いない。
震度7が発生した後も彼らは、<権力構造>をほとんど破壊できなかった。
耐震や免震、制振機能などを付加したより高価な注文住宅を設計している。

シナジェティクス

シナジェティクス的思考とは、
デザインサイエンス的現実にできるだけ接近し、
さらに、プロトタイプ制作で現実化する過程を
絶えず再構成するクリティカル・パスによって、
予測的デザインサイエンスを作動させる一つの方法である。

その方法こそが、
シナジェティクスの原理群を発見する方法にちがいない。

それによって、シナジェティクスが幾何学から離脱したのは、
予測的デザインサイエンスなくして
その方法が、ほとんど認識されなかったからだ。

自然のデフォルト

諸原理と素材、そして経済的な加工技術との統合する循環から
しばしば、構造原理の発見が訪れる。
それは、バージョンアップとは言わない。

使用している原理を最新版の原理へと切り替える作業は、
前例のない、しかし、自然が使用する原型(=デフォルト)への
クリティカル・パスなのだ。

類似するデザイン

バックミンスター・フラーが考えたことよりも、
考えなかったことを求める方法の最大の欠点は、
彼のデザインに類似する可能性がもっとも高くなることだ。

彼のデザインが、最初から誰にも似ていなかったのは、
問題解決の方法が、問題の数よりはつねに少ないという事実から
着手したからだ。

経験なき言語

日々の様々な良いあるいは悪い現象を公開するWeb上で社会的ネットワークは、
もはや情報公開の民主的な手続きの延長ではなく、
位置情報の客体化として機能すると同時に、
社会的な要素を備えた手段は、
経験なき言語による矯正あるいは服従の手段として機能するからこそ
政治家による誘導する意図を持った手法に転換されている。

いまや、個人による言語による社会化は、
むしろ個人を全方向性から攻撃している。

安全装置(fail safe)再考

安全装置(fail safe)とは、
失敗から生じる損害や不利益、不注意から生まれる故障や事故を
防ぐための安全装置を意味するが、
軍事的には、核装備の爆撃機が何かの誤りで
攻撃目標を爆撃することを防ぐシステムである。

つまり、自分の間違いや失敗を認めた時に、
未然に相手の損失や破壊を完全に防ぐための現実的方法を
システム自体に含ませることを意味している。

間違いを証明する客観的な証拠によって
相手から反論されたり、批判されて始めて自分の間違いを認める行為は
どんな安全装置も存在しないことを証明する行為である。

日本の原発にも、国会にも
生き延びるための安全装置は、意図的に消滅させられている。

☆シナジェティクス研究所 テンセグリティ・プリセッション参照
安全装置(fail safe