人々が求めた住居は、
自分と家族のために<獲得された空間>であり、
絶えず自分と家族と共にある空間ではなかった。
私がデザインするシェルターは、
宇宙と共に機能する環境制御装置である。
水と食料、そしてエネルギーを自律的に生産し制御するための
シェルターを生産する人々にこそ、
最初にこの都市に依存したすべてをデフォルト化するシェルターが必要だ。
21世紀は、すでに難民の時代だ。
人々が求めた住居は、
自分と家族のために<獲得された空間>であり、
絶えず自分と家族と共にある空間ではなかった。
私がデザインするシェルターは、
宇宙と共に機能する環境制御装置である。
水と食料、そしてエネルギーを自律的に生産し制御するための
シェルターを生産する人々にこそ、
最初にこの都市に依存したすべてをデフォルト化するシェルターが必要だ。
21世紀は、すでに難民の時代だ。
もし、テンセグリティが発見されていなかったとすれば、
フラーレンとナノチューブ、そして細胞とシェルターは、
それぞれが特殊な形態として存在していたに違いない。
さらに、自然とその概念をささえる思考が
どのように形成されたのだろうか。
テンセグリティが発見されるまでの世界の科学哲学史に貢献する
圧縮材が不連続な構造を統合する連続する張力材にまで
抽象化された思考を共有する科学的・数学的・哲学的コロニーは、
孤立し遊離しながらもバックミンスター・フラーが練り上げた独自のコロニー以外に
いっさい存在していない事実を除外したならば、
フラーレンとナノチューブ、そして細胞とシェルターを、それぞれ
もっとも少ない物質と時間、そしてエネルギーで形成する同一の構造原理への理解は
他の惑星で展開されていたただろう。
構造とパターンは、
相互的に直接作用しながら変容する織物である。
面、線、点の相互作用から
閉じた新たな構造のパターンが発見される。
しかし、純粋な構造のパターンの目録には
ストラットやジョイントや皮膜のコストの情報は含まれない。
デザイン行為は、異なった原理間の調整のみならず、
それらすべての要素間の相互作用を調整する段階に存在する。
その認識は、予測的デザインサイエンスに属する。
その単独者へ向かう私の自己のテクノロジーの修行は、
バックミンスター・フラーに会った29歳から始まったが、
幸運にもその物質化の最終段階がついに訪れた。
シナジェティクス領域から
デザインサイエンス領域に移行する過程で
理論的段階から実践的段階へと質的に転位するだけに終わらない。
実践的段階が理論的段階へと押し戻すほどの
工学的技法を超えた数学的な原理の発見に遭遇したならば。
異なる2つの段階を通過し、往復することで
異質な原理から成り立つビジョンへ移行できているかどうかが
生存するための<有用性(utility)>に到達できる
信頼すべき兆しなのである。
テンセグリティ・シェルターの生産過程で遭遇する
シナジェティクス原理の発見は、
最大のプリセッション(計画的偶然性)である。
シェルターが完成すれば、
その内部で私は再びシナジェティクス論文を書くだろう。
見えない概念を記述し理解するには、
自然の形態を模写するのではなく、
自然の原理を発見し統合されたテクノロジーに
置換する試行錯誤が先行しなければならない。
モグラや鯨は自然の機能と相互作用できる
独自のアーティファクトをフィードバックした結果、
最適な形態を採用したに違いない。
つまり、先行するアーティファクトの模倣から
人類が直面する諸問題を解決することは出来ないのだ。
熟考(consideration)とは、語源的に
con(主体的に)sider(星々)との相互関係を構築する行為である。
デザインサイエンスにおける主体的な熟考は、
複製を前提にした設計図と直面する工具類と素材を
クリティカル・パスで対応する過程において
日々変化する環境を物理的に整備する行為と共にある。
個々の素材と様々な工具との相互関係が
単純化されていく時は、
素材と工具の配置パターンを劇的に変容させる。
数学的知識はその構造デザインの数学的背景を分析するには有用だが、
その知識は、シナジェティクスを習得し実践する
デザインサイエンティストの包括的経験から積み上げた
ユーザの想像力を誘発する単純化されたデザインに比べれば部分的でしかない。
原理的理解から発するシナジェティクスモデルに
可能な限り接近するための構造デザインを構成する
最小限の素材間の相互作用が
予測を超えた物理的機能に変換されてるからだろう。
シナジェティクスが、
明らかな触媒反応(Catalytic reaction)を引き起こしている時、
デザインサイエンティストは、
数学的知識には現れない物質変換に関わっている。
そして、コスモグラフィーからの不変の重さのない情報によって
引き起こされる構造の強度と剛性を加速する反応(シナジー)を再生させる。
シナジー>自然>未知という階層構造をさらに超えていくのは
宇宙の統合性(Cosmic Integrity)の存在である。
目的論と共に、宇宙の統合性を人間の生存空間において
再生するために物質化された装置<trimtab>の一つが
モバイル・テンセグリティシェルターである。
モバイル・テンセグリティシェルターは
水と食料とエネルギーが再生され続ける
<シナジェティクス回路>(=無柱、無管、無線、無軌道)に接続される。
不動産と絶縁するためのモバイル用の<trimtab>の開発に
必要なテクノロジーと部品類は、
ほとんどが既成品とその改造(2次加工)によって達成可能だ。
都市の課金装置ともっとも経済的に短期間に絶縁可能な<trimtab>の
開発に従事するのは、21世紀のアーティストサイエンティストである。
彼らのクライアントは、Cosmic Integrityの不可視の富だ。
自然を形態(form)だけから模倣できないように
未知(unknown)は、自然に含まれる。
シナジェティクスは
つねに未知の領域からやって来る信号(beep)を
直観によって解読することから始まる。
未知なる存在を包括する自然が
ついにシナジーを誘発する過程(process)と方法を
シナジェティクスは、視覚化してきた。
その過程と方法の再現において、
ユーティリティ(有用性)の物質化という要求から実践する方法は、
デザインサイエンスと呼ばれる。
局所的に従属化した種々の固有な方法を
その場から転位させ
予測できなかった効果的な方法を思い描き
再びその場でその機能の存在を確認できた場合、
局所的な分析に先行する
工学的方法の批判に基づいた発明に留まることなく
原理にまで遡ることができることを証明する機会なのだ。
つまり、もっとも効果的な方法は
入手可能な道具と素材だけでは解決しないのだ。
一般的な道具と素材は、
野生のメタフィジックスより、つねに遅れてやってくる。