デザインサイエンス」カテゴリーアーカイブ

シェルター、エネルギー、食料、そして水

生き残るためのテクノロジーとしての<自己のテクノロジー>は
ジオデシックスとテンセグリティ、
そしてオクテットトラス、水の完全再生のための複合発酵といったシステムが
相互に統合されるのではなく
巨大建築の形態学やエコロジーの分析対象に組み込まれ、分断されるに従って
それらの相互作用がもたらす重要性と自律性に関して
科学産業テクノロジーから分離され、そして除外されてきた。

しかし、だからこそ、<自己のテクノロジー>は
エネルギー、食料、水、シェルターとの相互作用によって
自律する統合テクノロジーに成り得るのである。

完全なモバイル・テクノロジーを生成する
シェルター、エネルギー、食料、そして水の各構成要素間は
大気圏内部を動く宇宙船としてデザインされる。

宇宙と環境の間

石器を作るには、適切な硬い石材が必要だが
それより以前に言葉という道具と概念が発明された。
石からは石器は生まれない。

それは、デザインサイエンスに
特殊な道具が発明されてきた理由と同じである。

それらの物質的な集積と共に、開発者との共同性という概念が
デザインサイエンスのメタフィジカルな開発環境を形成する。

宇宙と環境の間に、道具と概念が存在する。

翼の厚み

人間の皮膚の構造は、表皮、真皮、皮下組織からなり、
それぞれの厚さは、表皮が0.1〜0.3mm(最外層の角層が0.01〜0.03mm)、
真皮が1〜3mm、皮下組織は頭部や顔では2mm程度となる。

プランクトンだけを補食するトビウオには軽量化のために胃が退化している。
500メートルを連続して飛行できる透明な羽根の厚みは、僅か10ミクロンである。

この瞬時に展開して揚力を得る翼のフィルムには撥水性はないが、
撥水性があるシェルターの皮膜の厚みは、100ミクロンである。

人間の皮膚の最外層の厚みと、トビウオのフィルムの厚みは、同じであるのは
移動するには、その厚みで十分だからだ。

移動しない住宅やオフィスの最外層は、300ミリもあって
人々は、より重厚な空間に憧れている。

引用映像
トビウオ

構造のエフェメラリゼーション

1本の大黒柱(24cm角)の圧縮力の限界は30トン、重量は200キロ程度である。

1995年、私がデザインサイエンスプロジェクトで制作した
展開型テンセグリティ・ジオデシックシェルター(直径11m)の総重量は
150キロで、圧縮材のアルミパイプの直径は僅か17mmであった。)
2007年、張力材と圧縮材にカーボン材を使用した
直径6.5mのテンセグリティ・ジオデシックシェルターの
重量は僅か30キロ未満であった。

自律型テンセグリティシェルターの単位あたりの重量は、依然世界記録である。

構造のエフェメラリゼーション(=軽薄短小化)は、つねに加速度的であるが、
その真の機能は、社会では非科学的に誤解された象徴にしか使用されない。

テンセグリティの破壊実験

構造の定義は、
しばしばテンセグリティの破壊実験に基づく分析によっても
人間の生存に関する習慣的概念に対立する。

人々は未だ航空機の破壊実験と同様に
テンセグリティの破壊実験を知らない。

シナジェティクスによる構造への分析と批判は
社会制度が持っている構造への恣意性を明らかにし、
これからより自由で自律した安全に移動可能な空間を
物理的に経済的に生成できるかを明確にする。

大黒柱

権力は、住居の個性化というデザインで矯正し、階層化し、
構造の自律化を回避しようとする。

すでに家庭や学校における個性化によって
構造の<大黒柱>への依存性をより強化してきた方法と変わらない。

より太く重い<大黒柱>とそれを羨望するデザインが、
人々を圧死させてきたにもかかわらず
<大黒柱>は再生産されてきた。

権力が最も恐れているのは、構造の自律である。
真の構造の自律化によって、<大黒柱>は消滅する。

構造の内部へ

混血していくと、人類はすべて黒人になる。
生物学的に人類には人種は存在しない。

安定した構造が、互いに融合していけば
すべてテンセグリティになる。
——–人体を構成する70兆個の細胞のように。

そして、構造学的に、科学的に、
人類はまだ構造の内部には居住していない。

構造の内部へ移動して
e・食・住(energy-food-shelter)を満たす時が来たのである。

直観と美(再考)

<直観>と<美>は、
法律(=記号)と土地という人為的な富による権力作用の中に組み込まれ、
さらに後には、教育や医療、精神分析、
そして大量生産技術なとど相互に連動し統合されることで、
あるいは、宗教と共に除外され続けることで
その重要性と自立性に関して独自なエネルギーを失ってしまった。

<直観>と<美>なくして
モバイルシェルターがデザインできないのは
それらこそが生存と自己のテクノロジーに深く関与しているからである。