モノが高価ではない場合、
けっして安い(cheap)とは言わないだろう。
意図的に非効果的にしたモノこそが
実に安直(cheap)なのである。
同様に
高すぎるモノは
そのほとんどが計画的に思考しなかった
あるいは
行動しなかった結果なのである。
「デザインサイエンス」カテゴリーアーカイブ
思考する手
フォトショップが絵を描く才能を機敏に反映しより拡張したように
プロダクト革命にとって<手>は
思考する最初の精緻な3DMAKERである。
手は、3次元の軌跡を描いていく
船の舵を取るようにデザインされている。
手は原初的でありながら
3次元の最適なサイバネティクス(cybernetics)である。
現在の3Dプリンターが
<思考する手>を複製する機能であるかぎり
プロダクト革命を連鎖的に引き起こす新たな道具類は
ますますこの<思考する手>に依存するだろう。
問題
問題の方が問題解決方法よりも
独自性が高い場合、
問題を定義するには独創性が必要だ。
優れた問題が稀にしか問題にされないのは
独創性よりも豊富に存在するからだ。
食料自給率と廃棄率
日本の食料自給率39%(カロリーベース計算<註>)が
先進国の中では最低水準であるとする日本政府は、
食糧廃棄率では先進国の中でトップの75%である事実を公開してこなかった。
食料自給率39%でも
廃棄率を低下させる流通の包括的テクノロジーを採用すれば
グローバリズムのTPP戦略に対抗できるはずだが
日本の食糧の流通システムは
すでにグローバリズムの餌食になっている。
食料自給率と廃棄率は
食糧不足から不安と恐怖を与えるための
資本主義における分割統治の手法なのである。
食料自給率と廃棄率は
エネルギーに対する同様の<無知>から形成されている。
食糧は生命維持にとってはエネルギーだから。
<註>
カロリーベースでの自給率計算法では
微量元素の生命に対する諸機能が
無視されているのでまったく非科学的である。
生活器(反・兵器)
すべての兵器は
砂漠で闘うためだとしても
寒冷地仕様にデザインされているように
生存可能な寒冷地仕様の
テンセグリティ・モバイルシェルターとは
設置する場所の平均気温ではなく
最低気温に対応している。
これまでのアウトドア用のテントが
たとえ極地探検用のテントでさえも
断熱性と遮熱性、そして耐候性や耐久性を備えていないのは
極地での極地長期的な生活のための道具ではないからだ。
移動時の軽量化のためにそれらのほとんどの機能は
前例のない極地探検の記録更新のために犠牲になっている。
超軽量のテンセグリティ・モバイルシェルターは
寒冷地における長期的な快適生活のための道具である。
人類の5%が定住ではなく
つねに移動しなければ包括的なテクノロジーは発展しない。
テンセグリティ・モバイルシェルターは
大気圏内宇宙での長期のモバイル居住実験に最適である。
再生的モジュール
一雨ごとに、広葉樹の森は
光合成を弱めている。
光合成を弱めるためには
葉緑素を劇的に減らさなければならない。
同時に
凍結から身を守るための
水分を減らす劇的な方法こそは
落葉であった。
あるいは
葉を小さく、厚くするという方法であった。
短時間に移動できない彼らが
急激な寒さと闘うのではなく
表面積を短時間に劇的に減らす方法を採用したのは
より寒い気候に適応するためである。
同じ理由から
テンセグリティシェルターが
より寒い場所に移動できるのは
シェルターを構成するモジュールの
統合的な再生的デザインによって
植物の葉のように<合成>と<分解>を繰り返すことで
広範囲に自在に移動するための
もっとも経済的な表面積を再構成できるからである。
偶然性
偉大な自然の原理の発見ほど
発見者には純粋な偶然性が介在している。
発見者はその偶然を偶然性のまま
取り出すことに失敗して
新たなシンタックスを取り出すのだ。
この瞬間に発見者の発見力が明確になる。
発明もまた
偶然性が介在した
あるいは
介在させる発明ほど
発明家の発明力が明確になる瞬間がある。
植物のように
太陽光発電システムが送電線から独立した
蓄電型発電所として、とりわけ災害時にも機能しなければ
太陽光を電気エネルギーに変換しただけでは
植物のような自律的で増殖するエコロジーシステムとは言えない。
求愛するカエルの鳴き声は
フクロウの家族にとって
豪華な食事の合図に他ならないように、
太陽光で発電したエネルギーを
電力会社の送電線を通じて売電すればするほど
電力会社にとっては電気料金値上げの根拠になっている。
技術を学ぶ方法
ある技術を学ぶ時
その技術を形成するノウハウを経験者から学ぶ方法は
その技術には含まれない。
その技術について<対話 (dialog)>することが
技術を学ぶためのもっとも原始的かつ包括的技術である。
(dia=between,log=speak)
包括的技術の学習過程にカリキュラムは存在しない。
カリキュラムは大量に複製する工業製品を
作り出すためのシステムに準拠したアプリである。
自発的な動機(Know why)を排除する目的がある。
シナジェティクス教育は対話型である。
自己と自己との自己教育においても。
個別性
他者との違いは個別性を生む。
独創性を生むのはこの個別性ではない。
個別性を超えた段階にある。
言い換えれば、自分のことはどうでもいいのである。
