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天球儀と地球儀

天球儀は、地球からみた外部ではなく、閉じた球面に映る相互関係として描かれている。
地球から観察されるパターンを回復するには、つねに天球儀全体の鏡像反転という操作を必要とする。神の目から描かれた歴史が先行している。神は球体宇宙の外部に位置することができる。

一方、15世紀のイタリアの地理学者パオロ・トスカネリ地球球体説から作成された最初の地球儀は、天球儀のように鏡像として描かれていない。地神の目は、球内部から見た外部、つまり地上よりも下方には存在できない。

クリストファー・コロンブスが 1492年、大西洋をインドを目指してパロス港を出航した。この時の地球議は外部からみた地球儀であった。実用的な航海情報を描いたのではなく、いわば神の目から描かれた歴史が依然支配しているたと考えるべきだ。

なぜなら、その約1世紀後の1603年に出版された測天図で、星座のパターンを見える通りの星の配置、つまり地球から外部を見る観察者の視点が最初に描かれたからである。

ティコ・ブラーエの観測資料はヨハン・ケプラーによって整理され,ケプラーの法則発見の重要なクロノファイルとなった背景には、地球から外部を見る観察者の視点が天文学にもたらされたのである。  Y.K

プライムデザイナー

発明を評価できる人は、特許の審査官ではない。
真の発明家は特許の審査官よりは少ないのである。
そして発見家は、発明家よりも少ないのである。

ビジョンなくして発見には遭遇できないが、
発明は依頼することができる。
しかし、優れた発明家はクライアントなくして、
発見と発明に同時に関わっている。
バックミンスター・フラーは、そのような個人をプライムデザイナーと呼んでいた。  Y.K

発見家と発明家

ほとんどの人は、発見や発明と無縁な人生であると思っている。
しかし一つの発見や発明もないということはあり得ない。
だれでも異なった経験をしているかぎり。
発見や発明であると評価する人に出会っていないだけである。

決定的なことは、評価を依頼する関係からは発見も発明も生まれないのだ。  Y.K

ノウハウ know how からノウホワイknow whyへ 

Cosmic Integrityを科学的にも証明できるとするのがシナジェティクスであるが、
シナジェティクスを学ぶ前に数学が深く関与するはずだと考えられたのが
一番リアリティがあったから、バックミンスター・フラーと研究する場を共有できた。
しかし、そのリアリティをさらに具体的な形にするには当時の私には
数学的知識があまりにも不足していた。
だれでも現実を肯定して、考えることを考え始めざるを得ないと考えている。
与えられたすべてのデフォルトを受容する態度は
royal(王権)のデフォルトを排除する機会を失ってしまうだろう。
リアリティ(reality)は、royal(王権)の名残りに今なお閉じられているからだ。
分断された異なった自己が統合されるには、
局所的な個人のそれぞれの挑戦と失敗が必要だ。
ノウワット(know what=目的意識)ばかりでは、ノウハウも発見も生まれない。
目的意識は簡単に捏造できる。
ノウハウ( know how=技術知識)ばかりでは、何も発見されない。
技術知識は独占されやすい。
ノウホワイ(know why=理由・動機を知っていること)には、
国家や大企業、教育組織は無関心である。
個人は、ノウホワイを生得的デフォルトから自ら発見できる。
同時に、ノウホワイからノウハウとノウワットを分断する境界線を消去できる
重要なオペレーションが生まれるはずである。
know whyは教育不可能であるという理由から、
教育課程では完全に除外されているが、
私は、バックミンスター・フラーからknow whyについてもっとも対話できた。
バックミンスター・フラーは、知識よりも概念を優先していたからである。
概念デザイン(prime design)は共有することができた。
偉大な師は、know whyをデザインサイエンスとシナジェティクスに
リンクしたまま、去ったのだ。
友人のシナジェティクス研究者ロバート・グレイ(Robert Grey)が立ち上げたサイで、
バックミンスター・フラーのシナジェティクスの原書のテキストと図版から
いつでも自由に学ぶことができる。
http://www.rwgrayprojects.com/synergetics/synergetics.html
このリンクを理解するには学校(建物)と教師は不要だ。
100ドルパソコンと辞書でモバイルするときが来たのである。 
梶川 泰司 
                         
                            

『クリティカル・パス』

少年少女は自殺する。
死が正義になるのは彼らだけという現実を知る前に。
あるいは、その現実を知って、兵士になる若者もいる。
正義にも現実にも計画的陳腐化のシナリオがある。

死に急ぐのであれば、もしくは生き残ってなお人生の節約をして
学校で静かな絶望的な生活を送っているならば、
『クリティカル・パス』バックミンスター・フラー著を読んでほしい。
シナリオどうりに死んだ歴史を学ぶものも意味あることだ。  Y.K

プロトタイプのシミュレーション

実物大のプロトタイプを製作し、
機能テストをする必要のない量産型の工業製品は現在2つある。
1つは自動車。
すべての部品のはコンピュータ上でアセンブルされテスト走行まで可能である。
他の一つは核兵器である。
過去の無数の地下核実験のデータの蓄積から新たな核実験はすべてシミュレーションで実行できる。

モデル化によるシミュレーションは、現象についてどの程度正確に再現できるかによって計算要素とその量を制御できるので、現象についての完全な知識は不要である。
言い換えるならば、システムのモデル化は、完全な模倣からは始まらない。
システムの発見から始まるのである。  Y.K

テンセグリティ構造とパターン

知的爆発は、教育投資に比例するという前提で、通常の教育組織は運営されている。
彼らのビジネスは、常に「自然」が生成する内的プログラムを隠蔽することである。
しかし、学校が存在しなくても知的爆発時期は存在するのである。

たとえば、この知的爆発時期の子供は、テンセグリティ構造とパターンの完全性を予備知識なく瞬時に理解できる。これは神秘ではないだろうか。ーーーー貧感からの脱出には早期教育ほど効果的なものはない。  Y.K

エッシャーのメタフィジクス

等価の原理に関する考察をアニメーションで製作した。
エッシャー作品の場合、静止画でもモチーフの動きを感じさせるので、アニメーション化しても質的な変化はないことがわかる。
メタモルフォーゼには対立する図と地、そしてそれらの相互変換のすべてがある。  Y.K
http://synergetics.jp/tensegrityblog/
http://synergetics.jp/gallery/

YOU TUBE

ニュートンの静止宇宙の終焉は、インターネットにおける動画が最も重要なメディアになることで決定的となるだろう。
宇宙は互いに動いている。動画でなければ描けないシステムばかりである。太陽系は、ケプラーによって、互いに動く天体間の相互作用が調和した状態として発見された。その関係を捉えるメディアがもっとも自然である。宇宙は絶えず変容している。時にはデフォルトさえも。
ケプラーなら最初の楕円軌道の発見をYOU TUBEに投稿したはずである。動画だから非視覚的な数式を除外しても伝達可能である。  Y.K
http://www.youtube.com/