トリムタブ」カテゴリーアーカイブ

部分と全体

水素・ヘリウムの存在比は宇宙のどこでも一定である。
銀河の構造を作り出す以前から一様であったことを示す。 

ならば、水素・ヘリウムは部分なのか。全体なのか。

水素から他の元素の存在を予測することはできないが、
最初の元素ができる時には、
残りの元素を生成するシステムが存在しなければならなかった。
全体を対象化するには、全体を規定する全体でないものがなくてはならない。

ならば、システムは全体なのか、部分なのか。  Y.K

生業と仕事

この最優先課題からもっとも遠のいているのは
教えることを生業にしているほとんどの教師である。
原子力発電のエンジニアたちが核の問題からもっとも遠のいているのと
事態は重なるのである。
生業と仕事への深い分裂はメタフィジクスの問題である。  Y.K

環境問題

問題の発見力こそ最優先課題なのである。
しかし、問題を増やすノウハウはほとんど未知な知的体系に属している。
原理の発見のノウハウが存在していないように。

例えば環境問題は真の問題ではない。
環境問題は教育というメタフィジクスの問題である。
メタフィジクスの問題がフィジクスの問題を増加させていることが発見された。
真の教育はほとんど未知な知的体系に属している。  Y.K

最優先課題

優れた数学者だけではなく、
優れた発明家においては、
問題を解決するよりも
問題を発見する能力が優位にある。
問題を作るよりも
問題を解く方がより簡単とは言えないが、
問題を減らす人よりも問題を増やす人が少ないことは確かだ。
独創力を問題解決能力で図ることはできない。
問題を減らす人は必ずしも問題を増やす能力が高いとはいえない。
問題提起能力では市民生活的な手垢があるので、
問題増加能力と名付けるとしよう。
この問題増加能力と問題解決能力には相互作用がある。  Y.K

検索

自分が今何を知りたいか
を検索することはできない。

あるいは、
知らないことを知るという思考は
検索の範囲ではない。
しかし、
自分が何を知りたいかを知ることは
思考の重要な働きである。  Y.K

内と外

情報にはインサイドとアウトサイドがある。
天然資源に地下資源と地上資源があるように。
原理には、インサイドもアウトサイドもない。 
原理は宇宙にのみ存在している。  Y.K

クリティカル・パス

これまでの環境の制御技術の非効率性が意図的に制御されてきた理由は埋蔵化石燃料を独占した権力構造が、その資源が枯渇するまで非効率的であればあるほど、資源の消費を高められ、その結果より独占できるからだ。

この非論理性に付き合う世界の100万人以上の技術者と科学者、そして数百万人の教育者がいなければこの独占は一日たりとも存続できない。
生き延びるための生業と必要とされる仕事はますます引き裂かれている。

この状況のなかで生まれる方法こそが「クリティカル・パス」なのである。  Y.K

プリセッション

1852年に砲弾の弾道を研究していた軍事技術者マグヌスは、 命中率をあげるために弾丸を回転させると、軸回転方向に対して直角に弾道が曲がる現象に気づいた。球形の弾丸が飛翔中に曲がるという原理を解明する糸口を掴んだ。
円柱または球が回転しながら粘性を有する流体中を一定速度で移動、または一様な流れの中に置かれた場合、円柱または球の表面に接する流体が粘性によって回転運動に引きずられ、回転速度及び粘性に相応する循環が周りに発生、移動方向または一定な流れに対して垂直の力、つまり揚力が発生する。

流体という運動体とその中で回転する円柱には相互作用が働く。
マグヌス効果はジャイロコンパスの角度変位とは異なったプリセッションと見なされる。

ジャイロには機械式、光学式、流体式、振動式があるが、すべて90度の歳差運動の相互作用で角度変位を検知できる。コリオリ効果も含まれる。

プリセッションはつねに90度の相互作用である。

プリセッションは、宇宙に対する回転の速さを計ることができるセンサーをデザインするための原理の総称でもある。  Y.K

流体テンセグリティ

流体ネットワークが圧縮という機能を担う場合は、骨格と筋肉をテンセグリティと見立てる概念からもっとも想像しにくい。
これは液体を利用したテンセグリティ概念である。

われわれの血管も血流をコントロールする流体ネットワークである。
筋肉を鍛えるよりは、血流をコントロールして血管全体に圧縮機能を持たせることができる。
アドレナリンの作用によって運動器官への血液供給増大を引き起こすことで瞬時に心筋収縮力の上昇が図れる。
火事場の馬鹿力は流体テンセグリティ化したわれわれの身体の実例である。
閉じたシステム内の流体は、引張機能ではなく、圧縮機能に変換できる。

血液などの粘性が常に変化する流体を無意識的に意識的に制御する生体システムにシナジーは無数に潜んでいる。  Y.K