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時間

何事かをなそうとすると
時間は早くすぎていく。
時間をより長くする方法は
退屈することである。

教師

良い教師は
教える間、学んでいる。
彼らが学んでいるのを見ると
生徒は
学んでいる間
自分たちを教えている。

話は移ろいやすく、
書かれた文字は
しばらくとどまる。
流れの速い川の深い淵で
魚たちがゆっくりと回遊するように。

思考時間

思考することを回避していても
読書すれば
思考できる人は増えたが、
同様に、
読書を回避していても
速読を覚えれば
本は読めるようになると思い込む人も増えた。
しかし
思考には時間が必要である。
思考には時間を回避することはできない。

(続)プレゼンテーション

プレゼント(present)は
語源的には熟考中の心に浮かんだ表象であり、
概念を表象する行為である。
心に浮かんだ表象が
<Think out loud>によって
ほぼ同時的に言葉に変換される
瞬間の連続が
プレゼンテーションである。
現代の<プレゼント>という言葉は
形骸化した贈与の行為である。

プレゼンテーション

Think out loudを記録するデバイスは豊富だ。
iPhone4s以後の音声認識システムによって、
将来はビデオ録画と同時に
テキストをも生成するだろう。
しかし、スティーブ・ジョブスは
2005年のスタンフォード大での卒業生に贈るメッセージで、
用意された原稿をゆっくり読んでいた。
彼は従来、
アップル社の製品のプレゼンテーションでは
1度も原稿やメモを用意しなかったはずだ。
権威が彼に
非同時的なプレゼンテーションを望んだのか。
それとも彼自身が、
学生との同時的な対話よりも
人生に対して非同時的な編集を、
選んだ瞬間なのか。
この時彼はすでに
「自伝」の中に編集されていたのだろうか。
確かに彼は原稿を読みながらスピーチしている。
ーーーー「毎日今日が最後の日だと思って生きれば、ある日それは本当になる」
“http://news.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505.html”:http://news.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505.html

ブックマーク

重要な情報のほとんどは
ブックマークに入れた瞬間から
常識のコレクションになってしまう。
常識とは
情報の相互関係を失った、
情報の墓場だ。