資源とは、望んだときに、望んだ場所で、
濃縮され安全に扱い易くなった価値ある化学物質である。
この化学物質に現金や金融証券、
そして、クレジットカードは含まれない。
資源自体に消費や消耗は存在しない。
資源は相互に化学反応をするだけである。
金利ではなく、シナジーを加速させるための。
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農薬
信頼できる農薬を合成する化学者は、
色と形が見かけ上の綺麗な農作物に仕上げるために知識を使うが、
散布された農薬が、殺したい害虫や細菌まで届くのは0.1%以下である。
残りの農薬は環境に浸透し、土・水・大気を汚染する。
ほとんどの農薬は、金属のように再生できない
もっとも効率の悪い化学兵器である。
戦闘機の設計者が、けっして戦闘員にはならないように、
その化学者や同僚の家族たちは、
もちろん、信頼できる農家から直送された
無農薬野菜を食べている。
実践
青年は老人のようになりたくないが、
老人も青年のような試行錯誤は想い出したくない。
青年が幸福なのは、
知恵を得るために努力する過程である。
老年が惨めなのは、
実践するための知恵で終わる時である。
実践が知恵と出会うのは、
たいてい一番最後になる。
月光
満月の夜に、
はじめて家族全員が遠くから集まった。
南の縁側で、それぞれが声に出して未来を考えた。
お酒を飲んで、
みんな静かに笑っていた。
だれも昔話をしなかった。
月光のお陰だ。
また、満月の夜に集まろう。
今度は誰よりも遠い私の家で。
悠悠自適
経済的な自由と独立を手に入れて、
悠悠自適の生活に憧れる両親は、
子供にも小さな子供部屋を与えてきたが、
子供がせっかく手に入れた孤独を侵害する。
自分から逃走する子供をけっして尊重しない。
孤独は真の自由と独立を育むから。
想像力
複雑な仕事は、専門分化した結果である。
退屈な仕事は、簡単な仕事を専門家に任せた結果である。
こうして、人を楽しくさせるばかりか、
より包括的に思考できる仕事を選ばない
専門分化した想像力が生まれている。
消費者庁
一カ所に集中させた消費者庁の機能確保に支払われる家賃は、
年間8億円である。
一台の車が平均10万点の精密部品からなる量産型産業が、
国内外の工場を分散型で形成し、
競争相手である他社と安全でローコストな共通部品化を図っている時代に、
消費者からの電話窓口として、
また事業者からの重大製品事故情報入力から
食品を含む多様な量産型製品の欠陥を分析する
消費者庁の主要な任務もまた、
各地方の格安の分散型オフィスで機能できる。
製品のユーザが、いまや国内外を自由に移動している時代に
消費者の利益に反する情報入力の窓口が物理的に
どこにあるかは重要ではない。
そして、
消費者の生命・身体の安全の確保に
事故情報を一元的に集約するカスタマーセンターは、
各担当者の個人名を公開した上で
つねにフリーダイアルで繋がるべきである。
(電話窓口としての情報入力機能に限って言えば
各担当者は在宅勤務でも可能である。)
国会議事堂の前にある非分散型の消費者庁は、
19世紀の固体的概念で作られている。
映画
経験には、試行錯誤という
つねに時間を伴うシナリオがある。
ほとんどの人は、シナリオよりも映画を見たがる。
その場合は、簡単に時間を潰せるからだ。
確率
宝くじに当選したらできることは
誰かがすでに世界中で実行していることだ。
例えば、宝くじを考案した連中は、
1等に当選した幸運な人よりも、良い暮らしをしている。
自分だけのために期待する確率は、時代遅れだ。
賢明
急いで行くときは、古い道を通る。
ゆっくり行けるときこそ、新しい道を探す。
そのうち、どこにもいく用がなくなったら、
独りで新しい道を造らなければならない。
だから、みんな忙しがっているんだ。