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静止宇宙観

宇宙の標準速度は、
シャトルでの宇宙旅行の速度より約5万倍も早い。
相対的に言えば、人類はほとんど静止した宇宙観しか持っていない。

地球温暖化のシナリオは、
高齢化した静止宇宙観の終焉としては
かなり動的であるが、
ガソリンも水も高価すぎるから、
エコロジーを口実に人類は初めて移動を控えている。 Y.K

独創性と自然

「他との完璧なコミュニケーションは、
遅かれ早かれ、他者の、そして自分の創造の独創性を殺す」と
レヴィ=ストロースは言う。

これを他の事象で演繹することに無関心ではいられないだろう。

つまり、テンセグリティのプリセッショナルな外力分散が
構成要素間の完璧な相互作用(=ミュニケーション)から生じている以上、
遅かれ早かれテンセグリティの閉じたネットワークが
自らの構造の自律的な独創性を殺すことになる。
という奇妙な結論に達するだろう。

人間に創造の独創性があるとする世界観、
または人間性自体の観察から自然を(つまりシナジーを)、
学ぶことはできない。    Y.K

コミュニケーション

基本的コミュニケーションは、
思考すること自体で形成されているにちがいない。
音声や言語よりも迅速にかつ現実的に。

同様にシナジェティクスのモデル言語はより思考に接近できる。
つまり基本的なコミュニケーションが効果的に形成されている。

しかし、社会集団によって形成される
文化なしでコミュニケーションできないし、
その文化の恩恵を得ないで言語は形成できないという前提で
子どもたちはなかば強制的に学校へ行かされている。    Y.K

創造性

こどもの創造力をのばす教育がますます重視されている。

しかし、人間が創造性について言及できるのは、
原理の利用において
予測できない独自な方法を発見した場合に限られる。
そしてその原理とは先験的宇宙に属する。
創造性は宇宙の統合性に対して先験的である。

こどもの「創造性を開発」する人々は、
先験的存在を無視しただだの詐欺師である。  Y.K

環境主義者

人間はつねに環境の中心にいると思い込んでいる。
まるで電子で囲まれた原子核のように。

自分を取り巻く情況が環境と定義されているに過ぎない。
囲い込まれていることが観察できないにも関わらず。

環境だけから、本質的な全体条件を扱うことはできない。 Y.K

短縮形

ES細胞は胚性幹細胞(Embryonic Stem cell)のことである。
われわれの言語は<短縮形>を好む。

ES細胞の発見は、
部分がすでに宇宙それ自体を<短縮した存在様式>を意味している。
人間は宇宙でもっとも複合的な存在様式かもしれない。
ES細胞の実証された機能から万能細胞とも呼ばれている。

人間は、
宇宙で最高度に短縮された
あるいは圧縮された万能有機体である。

しかし、解凍の仕方に問題があるので
宇宙での適正を図る最終審査が始まっている。  Y.K

複合系

経験はけっして基本的ではない。
経験はつねに複合化された関係(complex)を形成している。

原理の発見がかならずしも
実験数値から一般化されていないのは、
概念的な一般化は本質的にこうした経験に基づいているが
実験数値からのみ導かれる
限定的な経験主義ではないからだろう。

「全体とは、部分の総和以上のなにかである」という
概念は20世紀の複雑系(complex system)の科学哲学を生んだが、
この複雑系は複合系と訳すべきである。

バックミンスター・フラーのシナジェティクスは、
「複雑な現象を複雑なまま理解しようとする方法」ではなく
複合的な現象を複合的な経験から包括的に理解しようとする
操作主義的な方法である。

シナジェティクスは最初の複合系の科学哲学である。Y.K

複雑系

複雑にできている物事を
決して単純化してはならないと考えている人は
シナジェティクスのことを「複雑系」と分類している。

自己組織化の一般化を自負する「複雑系の法則」が
もっとも単純なテンセグリティ構造の
リダンダンシーの自発的排除を
分析できているわけではない。

シナジーという単純な言葉で説明してばかりいると
自然に適応できないと感じる恐れは
世界権力構造という最大規模のリダンダンシー
の自己組織化を意図的に解読しないだろう。

つまり、バックミンスター・フラーの
『クリティカル・パス』は複雑系の対極にある。  Y.K

宇宙寒冷化

地球温暖化で大気圏外に
放熱されなくなったエネルギーのことはだれも言わないが、
宇宙のどこかが冷やされている。

局所的宇宙の温暖化は、
局所的宇宙の寒冷化を引き起こしている。

地球エコロジーの危機は、
宇宙エコロジーを除外していることで加速する。 Y.K