豪雨による段波はその進行につれ分散し分散波列を形成し
波状段波となりより破壊的となる。
小さな河川で頻発する段波の原因のほとんどは戦後の人工林の杉林にある。
土木工学では破壊的段波の防御方法は高コストである。
人工林の杉林を雑木林に変換する科学はもっとも経済的である。
「裏庭(背戸)」カテゴリーアーカイブ
裏庭の短い夏
短い夏を引き留めるために
夕暮れと共に焚火を始めよう。
朝まで燃えた熾火があれば
キルンはすぐに再生するから
金星が見えるまでに
ヨモギの葉を集めて再び除虫しよう。
山の冷気で目覚めた時
大きな栗の木の傍のシェルターから木星を見るだろう。
夏の夜の裏庭を広大にするために
昼間は伏流水を汲み上げよう。
無形のキルン
モバイラーの焚火は斧やチェンソーを使用しない。
梅雨の時期でも濡れた倒木で焚火をする。
焚火の内部にはキルン=窯が必要だ。
加熱する物質を直接に加熱ガスと接触させる
薪と薪の隙間に形成される無形のキルンは
やがて極赤色に偏移する。それは朝まで燃え続けるサインだ。
有機農法と次亜塩素酸水
化学肥料や農薬を使用しない有機農法にも次亜塩素酸水の使用は認められている。
その目的は生体を構成する細胞膜、タンパク質、核酸などの有機化合物に
多面的に作用して酸化的に損傷を与えることである。
除草剤の散布後は強烈な塩素臭が残る。
三年番茶
「番茶も出花」の反対称性は「茶番も出鼻」
ニュースを見ながら番茶はなかなか素朴に飲めないが、
よく乾燥させ三年間熟成させた三年番茶を
すっかり蓮華草で覆われた畑の木陰で飲むのがいい。
蓮華はマメ科。ミツバチ畑はすぐに再生できる。
短縮された孵化(Hatching)
早朝の春はカッコウの鳴き声で目が覚める。
裏庭の高い樹で鳴くからとても騒々しい。
そっと窓を開けてもすぐに飛び立つほど鋭敏だからこそ、
カッコウは直接巣を作らないが、巣の持ち主の卵よりも
早く孵化(Hatching)するようにプログラムを
ハッキング (Hacking)したのだろう。
巣から脱出する替わりに巣の所有欲から
人間の住宅は銀行によってハッキングされている。
遠いコロニー
嵐は去った。
森の豊富な倒木で大きな焚火を始めよう。
金星が日没を追っていく前に。
夜明けまで燃えるから
遠いコロニーを思い出す。
恒星(fixed star )
山桜よりも早く
焚火で夜空を照らして
森の獣たちに合図しよう。
頭と心が一つの星と繋がる前に。
裏庭
時を忘れて時は過ぎる。
時は私を忘れて過ぎる。
どちらも忘れ去られている時
裏庭に満月を見る。
最初のモデル
概念を理解しなくともモデルは制作できる。
モデルを制作しなくとも設計できる。
それらは模写ですらない。
最初のモデルは、想像力によって発見されるのみである。
発見する前の、感じる静けさを模写することが困難だから。