裏庭(背戸)」カテゴリーアーカイブ

形態的反撃

DNA分子が存在するが核膜がなく有糸分裂をしない原核生物は、
地球のバイオマスを圧倒的に占有し、最も重要な栄養素を循環させる役割を形成する。
微生物の諸細胞が、その細胞外構造を形成し未知の神経ネットワークを形成する。

地球上の最古の有機体における
効率の良いエネルギー分散とコミュニケーションについて理解しようとする時に、
この森の形態的反撃は、微生物による神経ネットワークが引き起こす
偶然のコミュニケーションではないかもしれない。


<北アルプスの晩秋の森から>

微生物の移動

森の樹木を繰り返し伐採してダメージを与え続けると、やがて
衰弱した樹木は、その根のあたりで、ウィルスに感染して変形し始める。
森の怒りが形になると感じてしまうが、根の周辺の微生物群が大移動し始める予兆なのである。

枯れていく樹木を数えても、移動する微生物は数えられないのは本質的ではない。
<図>としての微生物は動的に変位すると共に、<地>としての樹木も機敏に動くから。

この映像は、微生物群が短時間に移動して、
大地の水が蒸発して森の周辺から砂漠化していく時の形相である。

月影

春の最初の満月の夜は
冬を越した乾いた丸太で焚火ができる。

月影が炎で消えるまで
遠くの獣たちも眠らない。

コウモリの帰巣も
満月と焚火の匂いで混乱するだろう。

焚火

確実性を求める人生は退屈だが
可能性を探査すると
ついに自分のことはどうでもよいことになり
早く短く時が過ぎていくとき
焚火で過ごす長い夜がやって来る。

星空を渡る夜鴨とコウモリを背景に
朝焼けに繋がる星々が強く輝くとき
背戸の獣たちは
焚火から静かに去っていく。

地球の裏庭(back door)

限界集落は拡大しながら
耕作が放棄されていく無数の荒地を形成し、
農村共同体自体とさらに農村と都市とをより分け隔てているが、
モバイルシェルターや水の完全再生テクノロジーを含む
4つの無のテクノロジー(無柱、無管、無線、無軌道)は、
生産性を持たないこれらの領域を超えて互いに遊離した個人が再び接近し、
人類が共通に持っている地球の表面に対するこのテクノロジーとその権利を
最小限のコロニー間の相互交流の手段となることを可能にしてくれる。

われわれは、無意味な生業と不可避的な失業を繰り返しながら、
遂に、広大な地球の裏庭(背戸=back door)の内部において
生存技術の目的意識の形成とその技術習得のための生存自体が可能になるのである。

資本主義がつねに、ロボットと荒地を所有するがゆえに。

緩慢な死の予告

基地の経費のすべてを負担している政府の行為が
増大する富の漸進的な固定化であるように
仮設住宅による一時的被災者救済の形態が貧困化の主要な原因であり
その獄舎建築的デザインで矯正されていく仮設空間による共同性の破壊こそ
あらゆる生産的な富の緩慢な死の予告なのである。

寝室と庭のない固定化された仮設住宅の建造と撤去(その後は海外に輸出される)は
いまや定番化した
もっとも醜い建築ビジネスである。

トリチウム梅雨入り

日本列島には、今年から第2の梅雨入りが始まって

まだいつ明けるか、誰にも分からない。

ーーーーーーーーーあまりに鬱陶しい日々に、ついに

ブログの工事を始めることにした。

10年分のテキストの引っ越しを管理者に依頼して本日完了。

 

カエルと田植え

田んぼに水を入れる前に
カエルが鳴き始める。
土の中からカエルが自然に
冬眠から目覚める時よりも早く
トラクターが田んぼを掻き混ぜる時に
突然目覚めてしまうからだ。
彼らの大半は、目覚めた時には
トラクターで踏む潰されるか
あるいは、切り裂かれている。
農薬ではなく
トラクターが彼らを眠りから起こさなければ、
カエルは田植えの後に
もっとたくさん存在しているだろう。
トラクターの作業の後に
鳶やカラスが集団で田んぼに集結している現象から
その殺戮を説明できる。

月蝕(lunar eclipse)

太陽の黄道(=軌道面)に
月の軌道がもうじき交差して
太陽と地球と月の3つの異なった天体の中心が
完全に一致する瞬間がやってくる。
地球の直径の方が月の直径よりも大きいので
地球上のどの観察者の位置からも
月に投影される地球の影が動く時間はしばらく続く。
影が月を覆い隠して欠けて見えるという事実から
月が食べられていく<月食>よりも
<月蝕>のほうが動く影をリアルに感じられる。