インテリアデザイン

人類最古のインテリアデザインは
自然が形成した洞窟の側壁に描かれた壁画である。

現代のインテリアデザインや家具類は
しばしば規律訓練や矯正の装置として作られる。

それぞれの配置に個人が適応するように
巧妙な方法で空間が形成される。

彼らは、球状テンセグリティシェルターの内部を観る前に
その内部空間が自分たちの生活には不利益であると感じてしまう。

<規格的なもの>によってデザインされた
自分の所有する家具類は
標準化された空間をも肯定できるのである。
ーーーーーボタンからコートが作られるように。

自動車の原型デザインは
自分の所有する馬車の内部空間の再構成から始まったが
飛行機の内部空間の形成は、
鳥の飛行のメカニズムの分析から始まった。
そして、鳥の内部には生存できる模倣すべき
洞窟のような空洞はなかったのである。

より軽くより早く<動く空間>は
規律訓練や矯正の装置からは生まれない。

モデリングと経験

原理が発見される過程は
ありふれた局所的経験が互いに移動して
統合される過程なのだ。

バックミンスター・フラーにおいて、原理が発見される場所は移動したのだ。
それはもはや理論や実験にあるのではなく、
内的で交差したモデリングとその過程にある。

そのすべての過程の観察された<構造と意味>は
非同時的にしか理解できない。

この経験こそが、クリティカル・パスの確立への根拠となる。

風がない場所から

シナジェティクス原理の実在への探究において
その実在を主観性へと疎外する心像と
実在が客観的事実から秩序を形成するためのモデリングとの
決定的な分岐点を見出す根本的瞬間が
夢や、しばしば瞑想の中にもやって来る。

むしろ、客観的事実から秩序を形成するために
その根本的瞬間が訪れるのだろうか。

その瞬間が生まれる毎に、幸福な風が吹いてくる。

風は、風がない場所から吹いてくる。
夢を見る前の場所からにちがいない。

Gimme Shelter

Oh, a storm is threat’ning
My very life today
If I don’t get some shelter
Oh yeah, I’m gonna fade away

The floods is threat’ning
My very life today
Gimme, gimme shelter
Or I’m gonna fade away

War, children, it’s just a shot away
It’s just a shot away

I tell you love, sister, it’s just a kiss away
It’s just a kiss away

Songwriters: JAGGER, MICK / RICHARDS, KEITH 1969

住居機械(dwelling machine)

動物と人間の構造における身体上の本質的な相違で
類人猿からの人類の直立が独自に問題視されるほど
建築の構造に於ける直立性は、人工物として認識される。

しかし、建築の構造に於ける直立性と自律性は
大地を除いてデザインされたことはない。
鉛直性は、その不動性と共に建築テクノロジーの産物として対象化されている。

人工物のなかでテンセグリティは
大地から自律しただけではなく
鉛直的テクノロジーから離脱して、ついに浮遊する構造として出現したのである。

地震で倒壊する危険を回避する最新の免震、制振、耐震構造といえども
より軽量化された浮遊する構造とは無縁である。

大気圏内を浮遊して自由に移動する
船舶や航空機の構造は
大地に依存しない反直立的な構造である。
直立性または鉛直性は、地表に生存する生命の
重力に対するテクノロジーの断片的段階に生じている。

直立性に基づいた不動性空間に生命の永続性は期待できないだろう。
哺乳類で唯一住居を購入する人類だけが
空間を移動する安全な住居機械(dwelling machine)を獲得できるのである。

予測できない存在

圧縮材は細長比の限界まで圧縮力に耐え
張力材は破断の限界までを許容するといった
いつも決まって定義される機能の分担を拒否しなければ
構造は発見されなかった。

機能の分割または分業から
どんな統合性(integrity)も生まれない。

圧縮材も張力材も統合性によって
限界を拡張する場合でさえ、
より軽くより細くデザインされる。

統合性(integrity)は
つねに予測できない存在である。

意識的な漸進的変化

デザインサイエンスは、個人を捕らえて、
個人が何者であり、何が可能かを理解し、
個人の果たすデザイン行為の有用性を知り、
群れの中でどうふるまうか、
そして様々な道具類をどのように配置したらよいかを知るためではなく、
宇宙と人間との相互関係から個人の思考と行動に変化を与える
意識的な漸進的変化のプロセスなのだ。

そのあまりにも意識的な漸進的変化こそ
自己のテクノロジーの反映である。

入学式

いつ監視されているか、いないのか分からないままに、
すべての方向から監視されている監獄建築(=パノプティコン)以上に
われわれは、監視され矯正される社会構造の一員になる日から
逃亡する最初の機会は、
父兄が円形状に監視している入学式の午後である。

そして、森の中で、
できれば海の上で、
シナジェティクスを開始する日なのである。

不可視の視覚化

<構造とパターン>という数学概念の背後に隠れているものを
シナジェティクスによって発見し、
モデリングによって初めて形成されるモデル言語と不可分な視覚化とによって
解放しなくてはならないのは、
それまで不可視であった<構造とパターン>は
モデル言語自体で語ることは困難であるが
それなしでは視覚化することさえできないからだ。