リアリティ

未来は明日のことではない。
すでに始まっている現在でもない。
行動によって思考方法を変革するプロセスから生まれ
匂いや質感を伴う自己投影される
世界像(=リアリティ)である。
ほとんどの知識は、その世界像の生成には無縁である。

復興に多くの人々が関わりながら
それでいて被災者を孤独のままに置く
センチメンタルなこの方法を
心理学的に、経済的に、社会学的に、人類学的に
哲学的に、そして科学的に分析し批判しなければ
本当の幻想はやってこない。
現在への幻想は、
過去の欺瞞や未来の偽装からは
けっしてデザインできない。
絆という記号を作り出した映像作家や音楽家を
最初に分かりやすく批判するだけで終わってはいけない。
——–背後のプライムデザイナーという巨人を知らないで。

時間

過去は過ぎ去った未来であり、
未来はすでに始まっている現在であることは
時計を見ても分からない。
それらが区別できるのは、
相対性理論以外では、強迫観念しかない。

破壊実験

核分裂連鎖反応を人工的に起こす方法の発見は
国家権力が介在する巨大プロジェクト(=マンハッタン計画)
による成果であった。
原発爆発の科学的な原因究明と設計責任の公開を
前提とする国家プロジェクトを形成しないまま、
原子力に関わる日本の科学技術者たちは
原発爆発後も原発を再設計し、施工し再稼働することを選んだ。
想定外の出来事の場合は
すべて自分たちの失敗でないとする思考から
安全な設計方法は生まれない。
自動車や飛行機などの工業製品は
すべて破壊実験から安全性をデザインしている。
破壊実験に想定外は存在しないからだ。
日本の原発は、破壊後の人体の被曝実験を含めて実験済みである。

非同時的テクノロジー

そもそも軍事技術は非同時的である。
これまで軍事技術が民間で一般化するのは、平均30年後であった。
外洋上の兵站線で、
兵士の新鮮な食料を長期間保存するための冷蔵庫は
第1次世界大戦中のアメリカの海軍でより実用的に開発されたが、
100万台以上の冷蔵庫が一般家庭の台所で普及し始めたのは
1927年以後である。
現代の優れた軍事技術は特許出願されていない。
特許出願後に、特許審査請求の有無にかかわらず
特許公報で世界中に公開されるからである。
(例外的に、原爆の製造技術は第2次世界大戦後に
イギリスで特許出願されているのは、アメリカの覇権に対して
世界権力闘争内部での抗争だったにちがいない。)
この非同時的な戦略は、独創性の拡張よりも
より敵の殺傷能力をもった秘密裏の兵器生産の必要性から生まれている。
グランチの非同時的な戦略は
各国の特許制度を確立する前に確立されている。

帰還兵士

アフリカ分割以後のテロとは
自国内の自発的な非同時的な戦争なのである。
工業先進国内での非同時的なテロは、以下の条件で生成されている。
1. 差別的社会において、経済的な貧困以外の選択肢がない。
2. 祖国と地理的な隔たりがある。
3. 多国籍の移民のなかで、幼年期に支配者の言語を習得する。
4. 最初から帰還兵士として志願し、祖国での軍事訓練を受ける。
この条件はアフリカ分割の成功と引き替えに
自国に持ち帰ったタイムラグを伴う反撃のための条件だったのである。
帰還兵士を帝国主義が自動生成するエネルギーは
原因と結果をつなぐ歴史的なカルマなのである。

アフリカ分割という最大のテロ

アフリカの人々はヨーロッパの人々より
人種的・文明的に劣等であるという思考が
植民地獲得を正当化した結果、
産業革命後の鉄道や船舶を利用する前提で
アフリカ全土の分割を始めたヨーロッパのわずか7か国が
今回のフランスでの反テロ行為キャンペーンを始めた時
その首脳たちがデモに参加したのは
ヨーロッパ帝国主義の持続方法でしかない。
その帝国主義の持続方法は
今や搾取のための強大な軍備を備えた民主主義なのである。
アフリカ分割は
現在のアフリカ諸国の国境線の直線的な分割線から分かるように
他の大陸の国境線とは異なった方法で
つまり、大陸全体が明確な外部から<分断されて支配>されたので
内部と外部の激しい衝突の痕跡がないまま
最短距離を保つ直線でなされたのである。
しかし、いまその外部は自身の内部からの
激しい非同時的な衝突に出会っている。

同時性から非同時性へ

真に新しいことは誰も知らないから
同時的な競争は生まれにくい。
競争では、短時間を競うゆえに、しばしば古い道が採用される。
単独者として思考した場合
他者と同時的に新しい同じアイデアに到達することは不可能である。
独創性は、社会に同時性を求めないだけでなく
他者によるアイデアの評価にはタイムラグがあるから
意図的に評価を他者に求めない行為をどれほど持続できるかに関わっている。
(同時的な評価は、むしろアイデアの新規性の乏しさ、そして
しばしば革命性の排除を意味するだろう。)
学習が同時的競争意識と同時的な評価基準で方向づけられている限り
既成の知識の理解度の競争しか生まれない。
にもかかわらず、この同時的な競争方式が採用されやすいのは、
簡単に管理し予測しやすかったからであるが
この競争が科学研究分野で適用されば、独創的でも
そして、経済的でもなくなる。

同時的な学習

インターネットにあることや
本に書いてあることを話すと
すぐに検索できる時代では
真に思考していく人間以外は、より忙しくなるだろう。
———-互いに似るための同時的な学習によって。
宇宙のすべての出来事は
非同時的な思考によってのみ理解できる。