続)テンセグリティのユーザ

有用さ(=utility)は
目的ではなく、人間の知性の変遷過程なのだ。
メタフィジックスなくして
宇宙の知性を真の有用さに変換できない。
太陽系から細胞まで
すべての構造はテンセグリティである。
無生物にも有機体生命にも、
テンセグリティのユーザの境界線はなかったのである。

テンセグリティのユーザ

テンセグリティを知り
テンセグリティモデルを学ぶと
テクノロジーへの応用を考えるはじめる人がいる。
例えば、ロボットや構造物などへ。
あるいは人体の骨格と筋肉の関係を
テンセグリティ構造に置換する人がいる。
理解するために
抽象性を具体性に変換できる知性を優位にしたいだけである。
これらはすべて具体性に置き換えて有用性(=utility)を引き出す
頭脳の条件反射なのだ。
テンセグリティは、それ自体が
張力と圧縮力との相補的な原理を応用した
テクノロジーである。
人間がテクノロジーを独自に考え出すことなどないのだ。

シナジェティクスの方法

バックミンスター・フラーの
シナジェティクスにはいくつかの間違いが存在する。
他人とは違う新しい事を探究する過程で
他人の間違いを指摘するのも科学論文に成り得る。
しかし、それらの論文が
シナジェティクスを前進させたことはない。
シナジェティクスは
シナジェティクスを探究する過程で
先行する概念をより包括するシナジェティクスを生成する。
包括する行為は
陳腐化する行為から生まれない。
包括的理解は
自らの経験を秩序化するプロセスを含む。
シナジェティクスは
シナジェティクスをより包括する方法を発見する。
その発見には、Webに公開されたバックミンスター・フラーの
テキストとビデオ講義で十分だ。

『コズモグラフィー』

真実をのぞき込む時
深淵に引きづり込まれるように
モデル言語を発見する時
シナジェティクスとデザインサイエンスの
絶えざる相互作用に魅了されるのだ。
『コズモグラフィー』バックミンスター・フラー 著
梶川泰司 訳(白揚社 2007)は
その動的な過程が記述された最初の書物である。

未知なる構造とパターン

梅雨の満月は
大気中の水分のために
すこし大きく見える。
雲間を素速く移動する満月はとても幻想的だ。
洞窟からみる満月から
テンセグリティ内部からみる満月まで
350万年以上も経過しなければならなかった。
真に未知なる構造とパターンは
複数の人が同時に再現できない。

動的な静寂

自然の非物質化のテクノロジーを
再現する時には
張力とその調整が深く関わっている。
テンセグリティシェルター内部での
瞑想はもっとも静寂と共鳴しやすい。
動的な静寂さは
自律しているシステムの共鳴方法である。
テンセグリティは
大地と社会に依存しない自律空間を生成する。

個人的

産業革命以後、人々の瞑想は
個人的な未来の夢やビジョンに置き換わった。
学校や会社で
その幻想を追跡する自由と習慣を
日々刷り込まれた結果、
主観的で個人的な目的を最優先する人生を夢見ている。
主観的で個人的な目的を
超越した存在を除外したまま。

土石木流

<山腹が崩壊して生じた土石等又は渓流の土石等が
水と一体となって流下する自然現象>と定義されている。
しかし、山腹が崩壊するのは
広大な人工的杉林によって保水性が欠乏したためだ。
したがって、ほとんどの土石流は自然現象ではない。
土石流の映像には
無数の無残な杉が土石と折り重なって流されている。
もはや<土石>流ではなく、<土石木>流である。