構造の英知について

数多くの構造部材から
一個の全体にまとめあげることによって
テンセグリティは生まれなかった。
構造の英知は、圧縮力の固有性からの逸脱から生まれている。
圧縮材を連続させない原理の発見は
中心的な支柱の排除から始まったのである。
テンセグリティ構造ほど
圧縮材を断片化した可視的な構造は存在しない。
真の構造の強度は
中心的な支柱の排除から始まったのである。

自己放棄

形態美を放棄した
シナジェティクスモデルは
まだ自己の反映物なのである。
信念や規律
あるいはそれらの断片をも
放棄することがなければ
シナジェティクスには
どんな真実もない。

動的秩序

揺れ動く社会を忌み嫌い
静的な固体的な安定を求める願望こそは
無秩序の原因なのである。
テンセグリティの構造安定性を形成する
振動こそは
グランチが忌み嫌う動的秩序なのである。
より重要な部分を何一つ存在させないその秩序は
防御すべき中心をけっして所有しない。
テンセグリティは
本質的にアナーキー(an-archi=主たる存在がない)である。

創造的教育

より個性的になるために
何らかの欠点が与えられるように
より創造的に見せたいがために
さらにその個性に自惚れが与えられる。
創造性は教育が絶えず再生産する幻影だ。

張力的飛躍

自重で変形しているのが分かる
ゴム紐や釣糸を使ったテンセグリティが、
美しく見えることはない。
最適な張力を利用した
構造には飛躍がある。
科学的に飛躍したテンセグリティは
制作可能であるが
大きさにかかわらず
ほとんど存在していないのは
不完全なエンジニアリングではなく
メタフィジックスの欠如からだ。