労働からの恐怖に
芸術が利用されることはないが、
労働による自由の獲得に
芸術は利用される。
自分の芸術以外のことは
何もしない芸術家を夢見ていた芸術家は
たいてい教育者になっている。
20世紀の超専門分化によって
芸術はもっとも利用されやすい
専門分野になっている。
隣人
私は、ついにエアコンを使わないで、
窓とドアを開けてこの夏を過ごした。
畑を隔てた隣の家族が何人いるのか未だに知らない。
きっと来年も彼らの名前も知らないだろう。
インターネットのある寂しくない田舎は私には便利だが、
私の選んだ無意識は
北半球の人間は南半球の人間がどんな生活をしているかを
知らない理由を説明できる。
瞑想
畑は3年もすれば鏡のようなものだ。
畑の私に対する態度は、
私の畑に対する態度そのものと考えていい。
そして、
さまざまな畑と田んぼが
絶えず人間について対話している。
その鏡の背面で。
インテグリティ(統合力)
言葉を単純にするのは知識ではない。
経験である。
理解を単純にするのは経験ではない。
統合力である。
統合力は
けっして人間独自の仕事ではない。
それは人間をとおして
流れ出るだけのものである。
統合されたものは
物質であれ、人間であれ
信頼できる完全性、
ある種の高潔さを備えている。
鋳造技術
貨幣は印刷された自由である。
お金は自由と交換できるが
しばしば鋳造された偽の幻想にすり替えられる。
印刷されたすべての富は
われわれの実際の借金である。
この単純すぎる経済原理を発明したのは
自由を鋳造し、欲しいだけ貨幣を印刷している連中、
グランチである
思考言語(thinktionary)
シナジェティクスは
どんな科学的分野よりも
構造とパターンを発見してきた。
シナジェティクスは
形態学ではない。
まして
3次元幾何学ではない。
なぜなら、
例えば、テンセグリティ原理は
生物形態の抽象化やその模倣からは
発見されなかった。
その独自のバックミンスター・フラーの
思考方法を想起するだけで十分だろう。
シナジェティクスは
メタフィジックスである。
瞑想よりも
対話よりも
そして、
モデリングよりも、
知識から学ぶことをより少なくすべき
新しい思考である。
経験を置き換える言葉を
専門分化された特殊な辞書から探すべきではない。
数千年間にわたる概念の牢獄から解放された
シナジェティクスの思考言語(thinktionary)によって
普遍的概念を表すことができる。
キャンパスという専門分化された時代遅れの場所で
つまり、分割と分類の閉じた塀の内部から
この思考言語(thinktionary)は学べない。
雑草とは何か
先住民を追い出したから
雑草の本来の名前も分類も忘れ去られ、
その機能がまだ発見されていない植物のように見えるだけである。
戸籍のない彼らははいまや侵入者である。
しかし、保護されているのは
退屈な教育を受けた
野菜や花ばかりである。
核攻撃の後
ヒロシマの焼土をエコロジカルに再生したのは
この無数の真の先住民たちである。
アメリカの軍部はこの事実から
世界中の雑草を収集し
いまや遺伝子を分類しはじめているのである。
雑草とは何か?
遺伝子工学が解明する遺伝子コードという知的財産以上に、
植物に対する先住民の自発的な敬意は
植物名の絶対数として表わされ、
その民族の生存に関する包括的知的レベルを表している。
65億の地球人のそれぞれに名前があるように
惑星地球に名前のない植物は存在しない。
航海
熟考する(=weighable)とは
錨(イカリ)を揚げて出帆の準備をすることである。
錨が思考を妨げているのではなく
思考はまず錨を抜くことから始まる。
その時、錨の重さは船に移動する。
陸に繋がった停泊生活で身につけた
すべての重量を大地に流す習慣によって、
この重さを除外した航海計画は
とても危険である。
都市
庭に集まるどんな昆虫の一日でさえ
合目的な存在に見える。
都市で人間が生活すると、とても稀なシステムが起動する。
ただ存在しているだけの生活。
時間を奪われた生命が作り出す
ある種の免疫システムかもしれない。
グランチ
グランチは、
世界規模の大量生産と大量流通のあらゆる投機的企業を創始するために
すべての金融資産を支配してきた。
非共産主義圏の金融クレジット・システムを
意のままに動かすことができる。
グランチ(GR-UN-C-H)とは
全宇宙から真の富を現金化して奪う
見えない超法人格的な泥棒(GRoss UNiverse Cash Heist)〉を意味する。
負債総額、約64兆円のリーマンの破綻でさえその配当金額には及ばない。
1980年代のグランチはすでに一兆USドルを越える配当金を毎年支払ってきた。
そのグランチについて、われわれはあまりにも無知である。
『グランチ』は、1981年に出版された『クリティカル・パス』の直後に書かれた
バックミンスター・フラーの最晩年の著作である。
彼はあらゆる構造の歴史を扱った。
グランチという世界権力構造(Power Structure)も含まれたのである。
1960年代に書かれた
『宇宙船地球号操縦マニュアル』に出てくる海賊のアナロジーは
『グランチ』ではいっさい使われなかった。
それゆえに、
『宇宙船地球号操縦マニュアル』ほど理解されるまでに
半世紀の懐胎期間を必要とした。
同時に、グランチはますますひとびとの驚異になりつつある。
