補填労働

労働者は労働をシェアリングして賃金の減少分を受け容れるが、
資本は決して資本をシェアリングしない。
大企業にとって不況は存在しない。
より大きくなるために、名前が変わるだけだ。

てこの原理(leverage)

減収とは、コンピュータのなかの取引額が、
梃子(てこ)の支点を失って消滅したために生じている。
現在の不況とは、工業生産高よりもその消滅額が上回っただけである。
この梃子の原理(leverage)は、資本主義の強欲さが支点となっている。
この新しい不況は、テクノロジーの加速とは無関係である。

操業(operation)

停止したり、休止したりできるのは
宇宙では、地球の工場だけだ。
すべてが必要以上に生産されてきたからだ。
植物は、太陽系に太陽は一つで十分だという前提で生きている。
経済成長率よりも資源・エネルギー循環率で、
経済の指標をつくるデフォルトの問題なのだ。
静止宇宙観は前世紀の産物だ。

思考言語 ( thinktionary) 再考

「モデルは、形態ではない。モデルは、観察した瞬間に
包括的思考への優れた思考言語(thinktionary)を生成する。」RBF 1983
知らないことは知ることの不可欠な要素である。
そこに試行錯誤が生まれるが、
われわれは、めったにこの能力を使わない習慣を学んでしまう。
「教育を装った権力システムは、本質的な包括的思考能力を
初歩的で一時的な主題へと故意に分断する。」からだ。
シナジェティクス・モデルは、純粋原理の具現化だけではなく、
その過程に潜む真の思考を導くための装置(Trimtab)でもある。
バックミンスター・フラーの遺作となった
『コズモグラフィー シナジェティクス原論』
バックミンスター・フラー著 梶川泰司訳(白揚社 2007)には、
50種を越えるシナジェティクス・モデルが紹介されている。
これらのモデル言語をマスターすれば、
包括的思考は言葉や映像、そして
教育システム(試験と学問への恐怖症)に依存しないだろう。
『コズモグラフィー』は、シナジェティクスへの入門書だけではなく
最も優れた自己教育のためのメタフィジクスである。
メタフィジクスは、
脳の働きによるブレインではない、
マインドを目覚めさせる。

再生的なパターン

人類はエネルギーを貨幣のように生成できない。
人類による持続可能な再生とは、
局所的なエネルギー・パターンを保存することである。
都市だけではなく農村でも、
このエネルギー・パターンが破壊されて淀んでいるのは、
住宅や工場、レストラン、農地や自動車などが
私的で非再生的なエネルギー・パターンを生成しているからだ。
(もちろん、冷蔵庫や空調、テレビを買い換えても再生的なエネルギー・パターンを
保存できない。)
個人が、再生的なエネルギー・パターンを生成する
発電装置(非石油系)のユーザになるほど効果的なことはない。

根なし草(rootless)

日常化する派遣切りによって
<根なし草>という言葉は、
正社員をも脅かすようになってきた。
<根なし草(rootless)>という言葉は、
税収奪のための発明された世界共通の言葉だ。
だから、物事から逃走するという本能を喚起させない。
人間は根を生やすために生まれたのではない。
嫌なことから逃げ出すために足が生えているのである。
日雇い派遣は、家を持たない<根なし草>ではない。
移動を嫌悪する<足なし奴隷(footless)>が急増し、
都市から人間の居場所(庭)が急速に小さくなってきたのである。

価値観

もっとも失敗しない方法は、何もしないことである。
もっとも成功する方法は、失敗を繰り返すことである。
選ぶべき方法は、たいてい
どちらが有益かという価値観で決まる。
ところで、私はどちらも選ばなかった。
デザインサイエンスの、
宇宙の目的論に従った厳密な化学反応に魅せられたから。
宇宙は価値観をもたない。

概念の牢獄

問題は超物質的なエントロピーである。
(政治的解決はつねに物質的なエントロピーをも増大させる。)
先験的に存在する宇宙の諸原理の発見に導かれて問題を解決する、
反エントロピー的な機能として、
人間はこの惑星に存在する。
この惑星では、
太陽光と光合成によって、
問題を解決するための有り余るほどの
エネルギーと食料が与えられている。
これは科学的な事実だ。
もし夢想に思えるのなら、
あなたはまだ概念の牢獄にいる。

生活給付金

所場代をとりすぎている連中が考案するゲームは
もっとも退屈だ。
政治は、いかさまなカードを再配分するだけである。
あるいは、存在する事実を装飾する技法にすぎない。

定年

1975年米国で物理学博士号を取得した科学者は9000人であったが、
そのライセンスで仕事を得た人は、僅か2000人であった。
多くの人は、教育投資をしてきたが
定年前に失業している。
定年とは、歴史的に保険会社が発明した
失業を一般化するための概念である。
そして、人々は車や住宅、それ以上に
自分の生命に保険をかける習慣が生まれた。