樹木のテンセグリティ構造

強風には、針葉樹よりも広葉樹や常緑樹が耐える。
葉の全表面積と無数の枝で風速を減速させながら
幹から分岐した小枝で外力を全方向的に分散する。
導管内の水分子どうしの間には凝集力が働いて導管内の圧力が上昇し、
導管師管が集合した束に圧縮力と張力の機能が形成される。


Les spectaculaires arbres tordus de Slope Point

手の主観

人生でうっかり経験される刺激または興奮を科学は主観として認識する。
シナジェティクスは、主観によって偶発的に獲得される特別な場合なくして
一般化へのプロセスを発見できないとするメタフィジックスである。
私が正12面体を5個の正4面体に対称的に変換するモデルを
アルミ管と連続した糸から発見したように、
シナジェティクスと科学の境界線は手の主観にあるからだろう。

正12面体は5重の正4面体に折りたためる 1981 梶川泰司
『コズモグラフィー―シナジェティクス原論』白揚社 2007 から引用  

不注意をより減らす教育システム

学校や家庭では不注意をより減らす教育を受ける。
しかし間違った理由から正しい事が為される唯一の方法は不注意にある。
数学の確率論では不注意は確率要素として特定される因子である。
不注意から科学的発見に遭遇するが
間違った理由から稀に正しい事を為す社会システムは政治家が独占している。

直観とマインド

シナジェティクスを変革してきた単独者の直観は
尊敬もなく他者に影響され続ける学習や訓練からではなく、
つまり、様々な公理と体系的な知識によってバックアップされない場合にのみ、
直観は単独者のマインドに受容される。
彼らは遠隔的で非同時的な対話によって孤立していない。
この事実を証明するための同時的な場所にいないだけである。

単独者との対話

バックミンスター・フラーは私の師だった。
彼から見れば私は弟子ではなかったはずだ。
独自の経験から単独者しかシナジェティクスを探求できなかったからだ。
私の最初の論文を読んだ後に、彼が私にシナジェティクスのすべてを理解していると肯いた。
まだ私は「シナジェティクス大全」を読破していなかったので
彼の評価を理解するまで混乱していたが、
それは幸運な出来事だったかもしれない。
新しい発見は「書」からではなく単独者の直観から始まる。

無理数から離脱したナーガ(NAviGAtion)

天文学は球面幾何学を体系化した。
幾何学が測量技術から進化した歴史ではないように、
シナジェティクスは幾何学から進化しなかった。
無理数から離脱した革命的な物質化は
シナジェティクスのナビゲーションシステムにある。
このNAGAこそ無理数なきコズモグラフィーである。

SYNERGETICS RBF 1975

白日に晒す行為の終わり

万国博覧会(World Exposition)の意義は、
非公開だった未知の存在を白日に晒して
大多数に露出(=Expose)する行為であった。
軍事技術を除けばインターネット時代に
新しいテクノロジーとして晒す価値のあるモノは何もない。
露出するのは時代遅れの開催費の借金だけである。

自然農法または自然農

自然が人工物を許容するならばそれは自然であり、
自然が許容しなければ人工物は生産できない。
自然農法は自然が受け入れたテクノロジーではなく
自然が採用してきたテクノロジーである。
日本農林規格でまだ自然農法が定義されていないのは
権力と企業が自然を許容できないからだ。

グランチの思考方法

ビル・トッテン氏は、「ルノーにとっては、日産が再生しようがしまいが、
投資した六千億円を回収し自動車産業の田舎であるフランスにはない技術を獲得し、
日産の世界販売網が手に入れば、
それでよいことである」と批判している(『諸君』2000年1月号)。
法律家資本主義は労働者を完全に除外する国家間の企てから始まっている。