<成熟と休眠>

基礎という概念は
あらゆる教育過程や社会的活動の初期設定を支配している。

あらゆる<基礎=foundation>という概念は
大地の不動性に根拠を求めてきた。
<基礎=foundation>や<根拠>は
その不動の<大地に根を生やすこと>を意味する。

——–人類のほとんどの住宅の構造が、大地から、
つまり、基礎から自立するのではなく
基礎によって大地に繋がれているように。

しかし、<大地に根を生やす>植物においては
発芽する段階に至るまでに、
種子の<成熟と休眠>の時間と段階が存在し、
種子内部での複雑な生理学的変化を生成する。

それらの生理学的過程を経由した後に、
適切な環境条件(太陽光、水分、温度、湿度など)に出会った時
種子ははじめて大地に向けて発芽する。

植物は、環境条件に出会わなければ決して発芽しないようにデザインされている。

シナジェティクスの学習過程では
<成熟と休眠>という生理学的変化を経由しない時、
<基礎知識>はけっして発芽しない。

シナジェティクスは大地から離陸した最初の<思考の幾何学>である。

矯正装置としての空間構造

農業用ハウスは野菜の品質と価格に影響するが
人間が住めない農業用ハウスは
この半世紀間、構造的なモデルチェンジをまったくしていない。

空間構造による権力側の要請に
技術面で支援するのは
許認可の範囲内で空間構造をデザインする
建築技術者たちである。
 
空間構造はもっとも効果的な矯正装置の一つである。

<クラウドナインズ>

宇宙ステーションが
無管、無線、無柱、無軌道からなるテクノロジーでしか生存できない同じ理由で
地球上の住居をデザインすることは可能だ。

トイレには外部に廃棄する配管がなく、
太陽の放射エネルギーと相互作用する包括的なエネルギー循環器が
すべての物質とエネルギーを制御し、
太陽の放射エネルギーを追尾しながら居住可能なバイオスフィアの大気圏内を浮遊する
最初の非軍事的な大気圏内部の動く宇宙ステーションとして
<クラウドナインズ>が理解されていない場合、
宇宙技術の一般化に関与していない短命で高価な住居を
もっぱら消費しているだけの
時代遅れの不動産に終わるだろう。

惑星地球における目的意識(know why)

e・食・住(energy-food-shelter)の3大生存要素を同時に供給する
モバイルシェルターというアーティファクトの実現には、
高価な材料や熟練した技術、エネルギー、多種多様な道具と作業場が不可欠である。

それに対する解決方法とその確立過程にこそ、
惑星地球におけるデザインサイエンスの目的意識(know why)がある。

生存可能な科学的方法

都市インフラに依存しない生存方法の執拗な欲求と
その方法を万人に共通のものにしようとするイデオロギーとの分裂は
デザインサイエンスには存在しない。

惑星地球以外の他の天体で人類が安全で経済的に生存できる科学的方法は
金融資本主義以上にまだ未完成である。

批判作業

新たな幾何学的事象を幾何学的な知識で標準化する代わりに
別のモデル言語で思考し、モデル化可能であるかを知ろうとする企てに
シナジェティクスが関与していないとすれば、
つまり、シナジェティクスが
シナジェティクスの思考自体への批判作業でないとすれば、
<思考の幾何学>は形成されなかった。

自己教育システム

掃除婦付き住宅は、ロボット掃除システムになり、
運転手付き自動車は、自動運転システムになるだろうが、

すべての<自己教育力を培う授業システム>は
科学的ではない。

学校および、家庭教師付き学習机は、
生得的な自己教育システムで十分である。

自己教育のプログラムとその教師は外部に存在しない。

テンセグリティの起源

どんな構造でも、多種多様な圧縮力と張力が構造システムを横断・縦断して構成している。
構造家においてこのような相互関係は、
権力が定義した構造システムの生産・蓄積・流通・作用なしに
相互に区別されることも、機能することも、そして生成することもできない。

構造家は数学者なしには、構造を解析できないように
スネルソンがテンセグリティの発見者・発明者に言及する時、
バックミンスター・フラーのテンセグリティの語源と定義にはけっして触れられなかった。

ケネス・スネルソン(Kenneth Snelson)は、
一般化された他の天体のテンセグリティ構造の力学(=コスモグラフィー)を
解説することができない。
テンセグリティのモデル言語の起源に彼は言及することができないように。

スネルソンのテンセグリティ彫刻は、記号言語のテクノロジーに躙り寄っている。

しかし、テンセグリティは
彫刻から始まってその様式で完成するほど
美術館の庭が似合う局所的な形態(form)ではなかった。

自然を模倣しないデザイン

圧縮材に細長比がある以上、挫屈する。
しかし、テンセグリティの圧縮材は、
その細長比の限界以上に挫屈しない。

細胞は、細胞膜だけでは自律できなかったので
テンセグリティ原理を応用したが、
細胞膜の内部の空洞化は目的ではなかった。

生存のための内部空間を形成する
私の分解型のモバイル・テンセグリティシェルターは
自然を模倣したデザインではない。

境界線

これまでのシンタックスを破壊するシナジェティクスは
境界線を越える方法であって、
その境界線が形成された後の理性の中で構築される幾何学の方ではない。
点、線、面の相互の関係性の起源を形成するモデル言語は、
シナジェティクスと幾何学との間の距離を打ち立てる境界線上にある。

浮遊的・回遊的・遊牧的科学

税収入に飢え続ける国家は、
ジオデシックやシナジェティクスのような
浮遊的・回遊的・遊牧的科学から、
独占可能な応用科学的技術だけを採用し、
こうした物質をより使わないテクノロジーを
許認可の制限内に従属させ、
その適用範囲を限定し管理する。

これは権力テクノロジーの基本的な戦略である。

疑似的な
浮遊的・回遊的・遊牧的科学は
いまや火星に集結しようとしている。

デザインサイエンスの革命性

デザインサイエンスが自ら革命的方法論を提唱し実践するすべての過程において
クライアントに依存しなかったデザインサイエンスの革命性は
ほとんど知られていない。

デザインサイエンスの革命性は
投資家の存在と発言を排除できるほど
既製品と既成のテクノロジーの新たな相互関係の発見から実践できることにある。

しかし、最晩年のバックミンスター・フラーの<フライズアイズ>における
量産型のモジュール革命性は
未だ高額な金型の初期投資に依存していたのである。

単なる用途(ユーティリティ)の開発に留まらない
デザインサイエンスのプライムデザインを
その実践者のみが担うこのシステムは
金融資本主義の側にはない。

シナジェティクスによる分析と統合

シナジェティクスは、発見による統合だけではない。

シナジェティクスによる分析は
自分を外から見る一つの操作主義的な領域を含んでいる。
それは、自己の外で、宇宙と自己との境界を拡張する方法なのだ。

言語に近接していると同時に言語の現在性とは異なるものとして、
言語の現在性を包囲しながら言語から離脱し拡張ていく構造とパターンを
その外部において示すような言語の縁である。

シンタックスとセマンティックな統合はつねに
遅れてやってくる。

物質化はさらに遅延する。

最初の他者

シナジェティクスのモデル言語は
ある前例のないモデルに包含されるのではなく、
他の何かへの関係がモデルに偶発的に変換されることから始まり、
その後のモデルエンジニアリングによって
ついに、モデル言語はモデルなしに他者に伝達可能になる。

<正12面体は5つの正4面体に対称的に折りたむことができる>
という言語だけで、残りのすべての可能性が
瞬時に露わになったのである。

バックミンスター・フラーは、その言語に明晰な最初の他者であった。

しかし、そのような対話から宇宙を学ぶ方法は
素粒子物理学ほどまだ十分に研究されていない。

非弁証法的な言語モデル

ギリシア的幾何学思考の黎明さは、
大理石という固体性に基づいた体系化されたソリッドモデリングの歴史である。

シナジェティクスのモデリングとは、思考の黎明さを回復するのではなく
非弁証法的な言語モデルの飛躍を伴う現実化への可能性に近づけるためだ。

頂点部における2面角(dehedral angle)の解放から生まれる
動的な軸角(axial angle)と不変的な中心角(central angle)との
新たな変容するシンメトリーの発見以上に
ギリシア的固体概念からの解放はないだろう。

テンセグリティによるテクノロジー批判とは何か

テンセグリティ構造によるテクノロジー批判の歴史的な視点が存在する。

1.
バックミンスター・フラーによる1949年のテンセグリティ原理を拒否・回避・制限し
固体的構造の定義に立ち返るという記号テクノロジーを支える建築概念の批判
2.
普遍的な自然の構造に対するシナジェティクスモデルと形態モデルとの相違による批判
3.
<記号のテクノロジー>による権威が真理であることを真理として受け入れない場合の
<テクノロジーの確実性>への批判
4.
テンセグリティによるテクノロジーへの批判は
モデル言語の形成過程に深く根ざしているという
メタフィジックスからのテクノロジー批判。

それは、モデリングという手による<無意識の精密機械>への信頼を受容する
シナジェティクスから生まれる。

動く<小さなバイオスフィア>

この20年間(1996年の直径11mの展開型モバイル・テンセグリティシステムの
プロトタイプの実現から2016年まで)を通じて、
私のテンセグリティの目標は何であったのか。
それはその構造を発明し解析することでも、その解析の基礎を築くことでもなかった。
まして、アウトドアの歴史を拡張することでもなかった。

私の目的は、人間の生存可能な生活空間において
人間が都市やイデオロギーに服従化されないためのモバイル構造に、
テンセグリティ原理を適用する以上には存在していない科学性と実用性を証明し、
さらに、個人が自力でその自律的構造を再現する経済的な独自な方法を発見し、
そして、実行することであった。

そして、動く<小さなバイオスフィア>の歴史は日本で最初に実行されている。

自律的生産性

現在の構造システムが形成する生活空間の構造的形態的課題は、
国家及びその許認可諸制度からの人間の解放ではなく、
国家とそれに結び付けられた個個人をその空間化の型から解放することだ。

数世紀間、人類に押し付けられてきた生活空間の型を拒否するための
エネルギーと食料の自律的生産性によって
はじめて形成される主体性の新たな形式を促進していくことにちがいない。

自律的生産性は、太陽光と微生物群との共生に深く関与している。

仕事と職業

人類は、発明し、実行し、新しい仕事を考案し、
それらに挑戦することで加速度的な変容を確実に遂げてきたならば、
大多数の人々は、何故、つねに判断し、評価し、
人が羨むほどにすでに決まった職業ばかりを
探しているのだろうか。

仕事と職業が分離できないほど
発明し、実行し、新しい仕事を考案するための
場所と時間を奪われているにちがいない。

そして、生活費を稼ぐためにただ生きているだけである。
———–加速度的な変容の内部にいながら。

1.5億キロ彼方

自律的モバイルシェルターによって
バイオスフィアの生きた現実と出会える自由への選択肢がある。

これは、地球から1.5億キロ彼方で輝く太陽からの光を使った
光合成から絶縁した人類の課題である。

動機付け(Know Why)

シナジーの概念とその現象の科学的再現において
ついに学校は教育しない場所になった。

この考えは、こどもを学校で淘汰し、
学校は彼らの直観を打ち砕き、
種々の試験制度によって心理的に物理的に押し潰し、
社会が容認しない動機付け(Know Why)を淘汰すると
当時私が怯えていた見えない矯正装置を説明できるだろう。

分断して統治するシステムは
専門分化とその憧れを加速する。

概念

思考方法は本来、自由である。
しかし、人間の思考のほとんどは、概念の牢獄につながれている。
繋がれていることすら、気づかないほどに。

シナジェティクスは、概念の牢獄からの脱獄方法に深く関与する。

通底システム

自然の深層において通底し、
私の存在以前にあって、
時間と空間の中でわれわれの存在を支えている階層構造を
シナジェティクスは
峻烈な視覚化可能なモデリング行為とモデル群の発見によって
自然の階層構造の存在を暗示してきた。

意味というものは、
ある種の表層的な段階での人為的な記号作用の結果にすぎない。

例えば、
正多面体(プラトンの正多面体=Platonic Solid)という概念から引き出される意味を
支えた歴史などは、永遠性を期待できる大理石(Solid)への加工方法に関する
卓越した三角関数の変換ノウハウの独占の歴史であり、
シナジェティクな通底システムを理解すれば泡のように消え去るであろう。

段階

シナジェティクスの知の階層構造には
感性的直観に対立するどころか
その直観から生まれ、自然の知に統合されるという段階がある。

未知へのシナジェティクスへ

表象がシナジェティクスモデル言語に完全には帰属させられてはいない。

つまり、多様性が予め結合した状態で主観に与えられてはいないことこそが、
宇宙の階層構造の諸表象との相互作用をつねに可能にする。

シナジェティクスモデルからの表象が
どのように触発されるかによっては規定されず、
表象を合成することにおいて自らのモデル言語を規定して行く回路がある。

バックミンスター・フラーが
即座に20代の私のその認識回路を看破した瞬間から
そしてその瞬間を共有したバックミンスター・フラー研究所
(1981年当時はフィラデルフィアのサイエンスセンター)という<磁場>から
自らの未知へのシナジェティクスが開始されたのだ。

知(Integrity)の探査における、師(マスター)の存在は明確であった。
しかし、彼の最晩年という希有な段階だったのである。

思考とモデリング

残されたモデリングに
思考した以上の情報が内在している現象を
経験したことがあるならば、
思考とモデリンググの相補性は
批判であると同時に存在論であるような
思考の方法の本質的な在り方なのである。

しかし、この方法によって、
つまり、ある種の<意図的>な戦略に沿って
自然のシナジェティクス原理を発見するまでには
10年の歳月がかかるだろう。

もし、それ以外の方法と試練で到達できたなら
野生の思考力を備えていたに違いない。

その野生の思考力こそ
外部宇宙との互換性があるに違いない。

抑圧の起源

人間に対する抑圧の起源には
政治的抑圧以外はそれほど注目されていないが
重い屋根と頑強で太い大黒柱からなる
物質的に過剰な住居の構造による
長い歴史的な抑圧がある。

あらゆる権力の起源は
重厚な存在を目指している。

概念の監獄

街頭や道路において
警察の厳戒な監視カメラが設置され、
日々の生活に対する絶えざる矯正力によって
のろまな群れが形成される。

太陽黒点がゼロになった宇宙的現実へと転換されないまま、
シナジェティクスを学習しても
概念の監獄から脱出できる保証はない。

非構造

掃除機は自分自身を掃除できない。
洗濯機も自分を洗濯できない。

国民を監視できるが
権力もまた自分自身を監視できない。

その非構造のなかに
原子力が閉じ込められたのだ。

権力の外部化は
権力から生まれるが
つねに生命の統合作用とは無縁だ。

つまり、太陽の黒点数に関与できない
テクノロジーの段階にある。

磁力線

シナジェティクス思考とは、
非論理的で野性的モデリングにできるだけ接近することによって、
それが非物質化という形で結実するプリセッショナルな磁場に停泊することによって、
反哲学を作動させる一つの磁力線なのだ。

危険な哲学

本当に現実化(realization)する過程にはしばしば、
現金化(realization)の前提条件が課せられるのは、
その行為を唯一理解(realization)可能な
革命(revolution)と思い込んでいるからである。

そして、それこそが、人類がつくり出した
もっとも危険で平凡な哲学である。

革命という概念はそれほど革命的ではない

革命という概念はそれほど革命的ではない。

〈革命revolution〉=re(逆らって)+volvere(回転する)
だけならば、部分から推測可能な範囲の
<回転による劇的な角度変化>にすぎないだろう。

発明や人為的なエンジニアリングによるアーティファクトの革命とは、
社会的な現状を支える政治経済の強い流れに逆らう行為ではなく、
社会的な現状とは別に実在する〈現実の泉〉に到達する行為である。

超国家的私企業

一般市民に優先的に帰属すべき非共産主義経済圏における原子力の所有権は、
政府が1/3世紀をかけて展開した巧みな法律操作により、超国家的私企業に譲渡されてしまった。
自由企業カルテルの基本的戦略は、
「人類には、企業の原子力開発計画に代わる現実的な選択肢は存在しない」という確信に基づく。
——-『クリティカル・パス』(白揚社 バックミンスター・フラー著、梶川泰司訳)より引用

バックミンスター・フラーは、1960年代にグランチによる電力会社と核戦略の予測に到達していた。
つまり、局所的な権力間には、超国家的な連続性が存在する。

生産性

デザインサイエンスの最適な使用方法が
そのシナジェティクス原理からも明確に定義された時、
生産性の経済性とその自律性は確保されることが認識できるまでに
実践することがクリティカル・パスそのものである。

クリティカル・パスによる生産性は信頼できる。

概念の発見から始まるシナジェティクス

シナジェティクスにおけるモデル言語の発見(=概念の発見)には四つの過程が含まれる。

1,計画的偶然によるモデリングが転写する新たな概念の発見
2.新たな概念が自動生成するモデル言語とそのモデル言語から生成されるモデリングとの相補性の発見
3.モデル言語を内包するモデリングに変換するためのすべての構造とパターンの探究
4.固有の構造とパターンのみが誘導する同時代的デザインサイエンス戦略

プロトタイプ

自然の原理の探査によって
発見されたアイデアからプロトタイプをデザインする方法は
無限に存在するはずである。

そのプロトタイプが公開されれば
その場しのぎの独占欲に満ちたアイデアを圧倒することは明白である。

シナジェティクスと相補的なデザインサイエンスのテクノロジーは、
時代毎の新素材によって陳腐化されないにちがいない。

真のプロトタイプとは
重さのないメタフィジカルな鋳型であり、母型である。

エネルギーと食料の受容体

人間の生活空間を維持する構造は
ヒトという哺乳類の持つ生物学上の特性とかかわっているかぎり、
持続する経済活動に必要な
休息するための物理的な窪みに
合理的に構築されるべきである。

その窪みとは
エネルギーと食料が生産され、保存されなければならない
宇宙の受容体なのだ。

転石(Rolling Stone)

誰かに転がされている石に
苔はつかないが、いずれ丸くなる。
最初よりも小さくなって。

だれも4面体状の巨石を見たことがないが
どんな転石も4面体の過程を経ているだろう。
丸くなる前に。

構造について

宇宙の不変的な<構造とパターン>のモデル(model)のほとんどは
まだ未発見であるが
建築家は物質に関する構造モデルを発見してこなかった。

建築家は、<構造は、クライアントの好みに応じて構造を変えることができる>と
いう誤解を与え続けている。

それは外観上の形態(form)デザインにすぎない。

合金とその構造は絶えず発見されてきた。
試行錯誤のみの方法で。
そして、部分からのどのような推論も合金に発見には有用ではなかった。

構造デザイン

「原理には重さがない」という科学的概念を
メタフィジカルな思想とのインターフェイスにすることによって
飛躍的な構造安定性と強度・剛性をもたらす
質量のない数学的なパターンを構造デザインの対象とする。

その方法論は、直観による絶えざるモデリング以外には存在しないだろう。

相転移としてのシナジェティクス

宇宙での存在比から
水素、ヘリウム、酸素に次いで豊富な炭素は
元素の中でも最多の4組の共有結合機能を形成し
それゆえに、ダイヤモンドからグラファイトへ変化したり
フラーレンやカーボンナノチューブに変換できる。

シナジェティクスがもたらす強力な機能は、
シナジー作用と同様に
どんな経験や知識からも推測できない全体の働きによって
最初の自分とは違った存在に相転移するという物理性にある。

その物理性は、個性やオリジナリティといった概念では
把握できない。

有機的概念

実際どのような形態の上にも<有機的>に配置される張力の相互作用には、
連続性が存在するが、その連続性ゆえに、
そのメカニズムとシンメトリーにおける分類がはじめて可能になる。

その分類によって、身体や生物の構造への類比も相同からも発見されなかった事実が
認識され、いまやテンセグリティを過去の構造から完全に離脱して特徴づけている。

前例のないそれらの<構造とパターン>は、
科学者や建築構造家の観察からは発見できなかったばかりか、
テンセグリティは生命と非生命とを統合する場にのみ形成されてきた。

つまり、テンセグリティほど<有機的概念>を破壊する存在はないのだ。
あるいは、テンセグリティには生命と非生命の境界性を無化する機能がある。

生活器(livingry)

エスプレッソマシーンは器具、
ノコギリは道具、
旋盤は機械である。

戦車は武器で
モバイルシェルターは生活器である。

生活器はもっとも不足している
宇宙で効果的に生存するための大気圏内用の宇宙船である。


バックミンスター・フラーは武器(weaponry)に対抗して
生活器(livingry)を造語して対抗した。

生活器(livingry)という日本語訳は
『クリティカル・パス』バックミンスター・フラー著を翻訳するときに
私が造語した言葉の一つである。

キノコ雲の外破と内破

2009年7月9日 の<犬のしっぽブログ>から再び引用

真空管が破裂することを、内破(implosion)という。
内側に向かって爆発するという意味である。
この概念は、正しくない。
内破は、重力現象として見るべきである。
ヒロシマの原爆は、空中爆発(explosion)であったから
爆発と共に強大な球状空間が真空化され、
ついに、内部に強力な吸引力が発生した。
このもう一つの重力はやがて、上昇する螺旋運動を形成し、
キノコ雲の球体を形成した。
原爆はけっして都市を吹き飛ばす爆発力だけではない。
原爆の瞬間を表したヒロシマ原爆資料館の最新のCGのように、
爆発の放射(=圧縮力)のみに注目する原爆の物理学には、
内部への吸引力としての張力は不在である。
秩序を見分ける方法は、
もっとも大きなパターンの存在を発見すること以外にない。
そのパターンは、概念によってはじめて投影される。
kinoko_01.jpg
映像1
最初の原爆のニュースは、共同通信社の特派員による手書きのイラストだった。
キノコ雲の下には、巨大な螺旋状のトルネードが描かれている。
kinoko_02.jpg
映像2
アメリカ空軍が撮影した高度1万メートル上空からのキノコ雲。
キノコ雲よりもトルネードの方が黒いのは、爆発によって形成された放射性物質を吸い上げているからだ。
このキノコ雲は排気と吸引の機能を持っている巨大な掃除機と考えられる。
電気ではなく、原子力で作動した最初の掃除機だ。
多くの瓦礫と死体、そして元安川の水を大量に吸引した。
これが後の黒い雨となって落下した。
ヒロシマに川がなければ、もっと被爆者は少なかっただろう。