月別アーカイブ: 2006年5月

シナジェティクス的オペレーション

 
どうにか偶然に見せかけて、
すべての人々に同じことをさせようとする社会を構築した。
それは、無言のうちになされた。
しかし、誰でも異なる観点を持つことを誰も止められないので、
そのシステムはうまくいっていない。
実際、異なる何かを見て、行動する誰かが、つねに存在する。
われわれの遺伝子は、われわれの意志を超えて、
偶然にも同一にならない不完全なシステムを採用しているからだ。

しかし、行動したとしても本当の価値を加えないかぎり、
必要としていない無数の出来事が生まれている。
本当(real)とは何か。
歴史的には royalが定める法律こそが真実(real)なのだ。
21世紀の虐殺者は、帰国すれは英雄である。
真実を反対称化する主体が真実(real)なのである。
必要としていない無数の出来事は、直轄植民地(royal colony) のなごりである。
専門家社会もコロニーのなごりである。

誰もが本当の価値を加えるコトを畏れている。
化学的結合や解離では、加えるコトはもっとも単純なシステム操作である。
正確には、既知となった価値を加えるのではなく、
加えるコトでそれまで未知であった情報が生成することを意味している。
価値があるコトは、情報を加えるコトから生まれる。
このシナジェティクス的オペレーションは、
価値があるモノを支配したroyalを陳腐化する<共有する新しいシステム>である。
これがもう一つの真実(real)なのである。

つまり、シナジェティクス的オペレーションは幾何学的な補助線ではないのである。
シナジェティクス的オペレーションはしばしばこどもの試行に、日々の遊びに頻繁に現れる。  Y.K

現金会計システム

超国家企業がお金を完全に独占し、法律上の抽象的存在となった巨人は、
人々の生命をどのように保護しながら育んでいくかという基本的課題をまったく無視した存在になったのである。

裕福な勝者を自負する市民社会の政治的指導者ばかりではなく、
勝者を志向しはじめる若者たちの生活が、たいていエントロピックになるのは、
惑星地球上での生命活動の目的が巨人のミニチュアでしかないからだ。

R.B.Fが1961年に『宇宙船地球号操縦マニュアル』で、
メタフィジクスの目的論を明確にし、
そして晩年の1981年に『クリティカル・パス』で再構成して示したように、
お金は交換の媒介であり現金会計システムに過ぎない。
将来にわたって人々を保護し、育み、教育し、
そして宇宙に適応させるための組織化されたノウハウこそが富である、
ということを思い出す必要がある。  Y.K

カメムシと昆虫ビジネス

越冬のために晩秋には種々のカメムシが飛来する。
山間部にある私の家に種々のカメムシが多数飛来する背景には、黄色光や近紫外線を出すライトがあるだけではなく、暖房によって赤外線を放出している以上に、何か最適な環境条件があるにちがいない。壁の色が茶色く見えるほどに密集したときから、私は彼らの行動を記録している。日本ミツバチの観察と同じように。

チャバネアオカメムシの場合、産卵は5月下旬頃からで、産卵場所はクワ、サクラ、ヒイラギ、ヤマウルシなどであるが、主たる繁殖はヒノキ、スギであり、その産卵は6月からであることがわかった。カメムシの増加は広葉樹の伐採と針葉樹林の人工林に起因している。

人間には臭いだけの迷惑千万のカメムシ。彼らは自身の発する警報フェロモンで集中したり拡散したりするが、あまりに濃度がある場合は彼らでさえ死に至る実験はペットボトルで再現できる。
ところが、ある環境下では、彼らはとても有用である。ヒメハナカメムシ類はアザミウマ、ハダニなどの微小な農業害虫の有力な捕食性天敵として近年注目されているらしい。

例えば、赤ピーマンは他の色のピーマンよりも栄養価が一番高く抗ガン作用があるので高価な野菜であることが知られているが、その赤ピーマンをハウス内で栽培する場合、人為的に数百匹のヒメハナカメムシを放飼する。
有効なカメムシ対策の農薬の化学合成も複雑だが、土着天敵昆虫の有効なメカニズムを解明する作業も複雑だ。カブリダニは、ハダニの発生を抑制し、シナクダアザミウマは、ヒラズ ハナアザミウマの発生を抑え、最終的にヒメハナカメムシに補食されるといった相互作用を生成する閉じたハウス内の<共有するシステム>の発見だ。

こうしてアブラムシを捕食させる減農薬栽培がメハナカメムシによって実績を上げている以上、専門業者がカメムシを特別に養殖させて販売しているにちがいない。

<共有するシステム>と私の家では特に豊富だということは今のところ無関係である。チャバネアオカメムと交換可能な条件が未だ発見されていないからだ。しかし、チャバネアオカメムがこれまでのようにひたすら悪臭を放つ悪玉虫ではないかもしれないことは、素晴らしいことだ。彼らは資本主義によってせん滅されるのではなく保護される可能性がある。  Y.K.

<都市と農村>から<宇宙と地球>へ

土地に依存し風土に根ざして成長する植物や家畜を食料とすることによって、
生命維持のために耕作したときに仮の根を発達させた。
今でも現代人は、豊かな生命維持に不可欠だと思い込む土地価所有の幻想に引きずられている。
金属は、プラスチックよりも早く食料を金属製の缶に詰めて、蒸気機関や自動車で運搬することを可能にした。
現代人は、秒速三十万キロメートルで世界を網羅する迅速な相互通信システムに依存している。
われわれの現実は、〈静止状態〉というニュートン的標準死から
秒速三十万キロメートルというアインシュタイン的標準動に変換された。
社会経済的なすべてが相互変換する全宇宙の動力学と同期したのである。
この<都市と農村>から<宇宙と地球>へはけっしてグローバリズムではない。
生命を宇宙に適応させるための組織化されるノウハウという重さのない<現実の根>の問題なのである。  Y.K

最古の昆虫ビジネス

これまで蜂蜜製造機器を人類がデザインしなかった理由は、
1リットルあたりの生産コストが膨大すぎるからである。
働きバチの体内の酵素を化学的に合成し、その働きで、
花蜜の成分であるしょ糖を果糖とブドウ糖へと変化させ、
花蜜の水分を蒸発させるために細分化した小部屋へ貯蔵し、
34℃前後という巣の中のような一定で高温の風を絶えず送風し、
はちみつへの熟成・濃縮を促進させるメカニズムを繊細に再現するプラントの設計が実現できたとしても、花の蜜をソバやレンゲなどから個別に採取する機械は別に設計しなければならない。
小型の高性能な飛行体のデザインは高度な軍事機密に相当するだろう。でなければ、花の蜜を細いナノ注射針で丹念に吸引する熟練工が、無数に必要だ。
以上がコスト計算の初期のシナリオだ。
それよりも養蜂技術による効果的な増産(花畑と共に巣箱を移動する技術)や巣別れした女王バチを他の養蜂家志望者に売買する一種の家畜化に相当する昆虫ビジネスが完成したのである。ただし、ヨーロッパでは貴族の趣味の範囲で継承されたのは、成功したハリウッドスターが競走馬の牧場を経営するような趣味とビジネスは社会的地位をシンボライズできる範囲である。
自然採取に依存したサバイバル食品には現代でも高い交換価値が発生している。

ミツバチが先験的に利用する酵素のバイオテクノロジーと花の蜜の採取方というナノテクノロジーは21世紀にも生き残っている最古の昆虫ビジネスである。  Y.K

サバイバル食品

私の観察ではミツバチは、働きバチというイメージとは違ってよほど春うららかな気候でないと外では活動しない。天気さえよければ、1日に何度も食料探しに出かけるが、雨天や霧のかかりそうな日にはまったく外出しない。しかし、このイメージが正しいのは、巣の中での労働は昼夜の区別はなく、働き蜂は実際24時間シフトで働いている観察からである。

ミツバチの巣と花畑との最短距離の飛行ルートは見事に離陸組と到着組用に上下2層に分離され、空中衝突を避けている。この分離されたルートの撮影は高速シャッタードでも不可能だ。彼らはいつも効果的に働く。今年も8月にソバの実を撒こう。ソバの花畑までが一番近いので、秋には花粉をいっぱい付けて巣に帰る風景を思い出す。
私は巣別れしないかぎり蜜まで期待していないが、ヨーロッパの養蜂家たちが自分の家族と同じような地位をミツバチに与えている気持ちは想像できる。
家族に起こった重大な出来事をミツバチに報告するという習慣は、蜜という収穫を生計のために強奪する行為を、共有する意識に転換するために自然に発生した擬人的な感情移入が関与しているはずだ。さらに蜂蜜は人類最古の甘味料であったという博物誌までこの習慣の起源を求められる。蜂蜜は保存性に優れ、ショ糖よりも体に吸収されやすいので、食料危機の場合の携帯用サバイバル食品であったに違いない。  Y.K.

宇宙的コスト

資本主義は、移動できない不動産を放棄し、その営利行為を不可視の現実と同期させようと科学に依存する。
現実の宇宙的コストは常に減少するにもかかわらず、すべての価格が上昇する現象を科学者は研究対象にはしない。
単なる企業の利己主義である以上、科学的に解析する価値はないからである。
しかし、科学が問題のすべてを熟知していると誤って仮定している。
この仮定こそが政治家が科学的課題の解決策を科学者集団に委任し、
その見返りに膨大な科学研究費を税金から捏造できる最大の根拠になっている。  Y.K

見えないTRIMTAB

テンセグリティモデルにおいて2点間距離を縮小させると球の直径は拡大されるという原理からテンセグリティ構造では全体の張力を高めたい場合は一カ所の張力を高めるだけで十分である。
これはわれわれの常識に反する現象の一つである。
私は1995年に発見したこの原理から各張力材の張力調節に
複数のターンバックルを使用しないデザインを構造デザインに応用している。 

バックミンスター・フラーの初期のテンセグリティ構造を注意深く見ると、
複数のターンバックルが使用されていることがわかるだろう。
ターンバックルを使用するデザインはかなりの重量増加になる。
スネルソンのテンセグリティ彫刻が肉厚のある太いステンレスパイプを使用している理由は、
屋外での耐久性と彼の美的な嗜好からであるが、
ターンバックルを各ステンレスパイプの内部に収納するデザインを工学的に
かつ美的に解決するためである。
結果的に各パイプの端部はすべて閉じられたデザインとなる。
テンセグリティ構造の理解とそれに付随するデザインは、
こうしたジョイントの設計を見れば十分である。
つまりテンセグリティデザインとは軽量化そのものである。
ステンレスワイヤーの伸び率は炭素繊維をはるかに超えているにもかかわらず
彼は重量増加を気にしない。
ステンレスワイヤーはフラーの初期のテンセグリティでは先端的な素材であったが、
素材革命と連動する構造デザインから見れば、
スネルソンは少なくとも芸術のために軽量化を放棄している。

しかし、テンセグリティは彫刻ではない。
テンセグリティ構造全体が本質的で効果的な
ターンバックル機能を持っている。
テンセグリティは本質的にジョイントレスである。
これは見えないTRIMTABである。  Y.K 

日本ミツバチ

日本ミツバチが帰ってきた。
私がここの見晴らしの良いアトリエに引っ越した時の先住者は、
屋根裏のヤマネと出入り口の床下にいた大きな青大将とこのミツバチであった。

スズメバチの集団に続けざまに襲われて個体数が激減していくミツバチを無視できず、
昆虫網でスズメバチを捕獲してゴム草履の裏で叩き潰すのが
晴れた午前中の日課になっていた。
スズメバチに噛み殺された大量のミツバチと分解したスズメバチ死骸はアリが群がる前に
スズメバチの同僚がすぐに引き取っていくので、
巣箱の周辺はすぐに何もなかったような状態になる。
だからずっと見張っていなければ、ミツバチの悲劇は分からない。
ある日、スズメバチの集団は途絶えた。
私の攻撃ではなく、ミツバチがすっかりいなくなったからだ。

そのミツバチが木造の建物の西側の壁面の古い巣に2年ぶりに帰ってきた。
最近、炭火を興してお湯を沸かしているといつも顔の周りにやってくる。

日本ミツバチは新しい木で作った巣箱よりも、古い黒ずんだ木の巣箱を好む。
もっとも私がこしらえた巣箱ではなく、壁面の羽目板の隙間を利用した彼ら独自の巣だ。
この巣は、私のアトリエの入り口から3m離れた位置に面しているので苦労なく観察できる。
性質がおとなしく、攻撃はしないが、
黒く長いフードを付けたマクロレンズを接近させると、羽音はすぐに激しくなり、
出入りの様子が変化する。

蜜は少しずつしか形成されないため、一つの巣箱から2年に1度しかハチミツをとれない。
巣別れの時期までにもちろん新しい巣箱を用意できたらいいが、
あのスズメバチのギャングとの抗争に私が積極的に参戦しなければ、
日本ミツバチの神経質で巣を放棄しやすい性質からすると、
敵が頻繁に巣を攻撃すればすぐに引っ越しをすることだろう。

低温でも活動性がある日本ミツバチは、豪雪地帯で外敵に襲われつづけても、
その富んだモバイル性によって生き残っている。

日本ミツバチ
bee.jpg

ジョイントレス

テンセグリティモデルにおいて2点間距離を縮小させると
球の直径は拡大されるという原理から
テンセグリティ構造では、全体の張力を高めたい場合は、
一カ所の張力を高めるだけで十分である。
これはわれわれの常識に反する操作の一つである。
私は1995年に気づいたこの原理から
各張力材の張力調節に
ターンバックルを使用しないデザインを構造デザインに応用している。

ターンバックルは張力のジョイントである。
しかし、テンセグリティでは各張力材がターンバックルの機能を担っている。
それは張力材が、連続して統合されているからである。

テンセグリティは、ジョイントレスで成立できる唯一の構造物である。  Y.K

斥力モデル

重力は常に引力であり、斥力としての重力は存在しないが
電磁力(磁力や静電力)には引力と斥力の両方が存在する。
適切にテンションが調節され構成されたテンセグリティモデルにおいて、
互いに隣接する不連続の圧縮材の2カ所をそれぞれの手で保持して、
ゆっくりと確実にその両端を隔てる距離を接近させると、
球系テンセグリティ全体の直径がある範囲内で縮小されるのではなく
拡張されることを観察できるだろう。
この発見は『シナジェティクス』には記載されていないが、
これは一種の斥力であり、最初の電磁気学的モデルでもある。

この原理によって
テンセグリティモデルの張力が正しく機能しているかが検証できる。
もちろんゴム材を使用した疑似テンセグリティモデルなどでは
この原理は検証不能である。  Y.K

斥力モデル=動的なテンセグリティ構造
model3.jpg

引力モデル

シナジェティクスを
ゴムひものような弾性のある素材で構成しているテンセグリティモデルで学ぶ
学生たちにあえて助言するとするならば、
宇宙に浮かぶ惑星地球の物理学に接近しなければ、真のモデルとは言い難い。
さらにモデルとは現在の建築学で扱う縮小モデルとも異なっている。
モデルは3Dバーチャルに扱うべきでもない。
モデルは大きさに制限された形態ではないからである。
モデルはメタフィジクスを媒介する思考の言語である。  Y.K

ephemeralization

合金や高抗張力繊維の素材革命によって引っ張強度をますます高めるにつれて、
テンション材をますます長く細くし、
とてつもない長さでありながら同時に断面積がない状態に接近できる。
ただし、テンセグリティを構成するテンション材だけが、
その長さと断面積の比率に限界がなくなるのである。
究極のテンション材は引力である。
宇宙は理想的に構成されている。  Y.K

「こし」

グルテンは小麦にしか存在しない蛋白質の1種で、麺の「こし」であったり、
パンの骨格を担っていると考えられてきた。
しかし、これは間違いである。
こしや骨格は圧縮に関する概念を含んでいる。
「こし」とは容易に折れたりしないで、元の状態を保とうとする力であり、
練り上げた物のねばり、板・棒などの弾力などを意味する。
こうした靭(じん)性は金属にもあるが、
グルテンはグルテニンとグリアジンがから形成され、
弱い結合(水素結合・疎水結合)のため形を変えることができ、
パン生地のような柔らかいが固まった状態になる。
酵母の発酵によって炭酸ガスを保持する機能がある以上、
パンの生地中の気体は圧縮材として機能しているのである。
パンにはもっとも張力が強く発生する強力粉が使用される。

うどんの場合は、グルテンによって連続的で立体的な網目構造の
張力構造体が形成されている中にでん粉粒が存在していることになる。
でん粉粒自体が結晶性を示しているので、
このでん粉粒が圧縮を受けているのである。
引っ張り強度を最大にするこねる工程は、
うどんの「こし」を決定すると言われているが、意外にも5分以内である。
「こし」のあるうどんは柔軟な張力構造体を意味している。

グルテンは張力の機能を担っている。
「こし」の正体は骨格ではなく、張力のことである。
固体的な石の歴史はわれわれの食感にも及んでいる。  Y.K

交換価値

私が住む村には大万木山がそびえる。
あまりに険しくそして積雪が深く、開墾や放牧ができなかったので
まだブナの原生林が残っている。
その山の湧き水を一回に75リットル汲むくのが日課になった。

古典経済学によれば、空気と天然水の交換価値はゼロであるが、
その使用価値の可能性は増大して、
天然水関してはついに1リットルのガソリンの価値よりも高価になった。
(内燃機関が発明されるまで、石油でさえその交換価値ゼロであったことを思い出そう。)
しかし、サウジアラビアでは水のすべては海水を電気分解して生成されている。
その生成に要するすべてのエネルギーは石油を利用した火力発電である。
この場合は水1リットルはガソリンよりも高価であるのは当然である。

彼らから見れば、大万木山は自分の所有する油田と交換可能である。
だからと言って、大万木山を独占しようとする日本の銀行家はいない。
そもそもアジアには湧水などありふれているものだ。

今や経済学が真の富の定義とその運営方法を破壊しているのである。
世界の銀行家たちはノーベル賞経済学者を支援する一方で、
来るべき水戦争という21世紀の資源戦争に向けて多大な資金を集中させている。

来るべき水戦争は中東で始まるだろう。
水は石油と交換可能な液体であるから。  Y.K

地球上の建築

テンセグリティモデルの発見によって、
この宇宙での構造に関する同一の法則が
マクロレベルとミクロレベルで作用していることが連鎖的に発見されている。
この〈地球〉的建築とは、ミクロ構造からマクロ構造を造ること、
あるいは見えない構造から見える構造を構築するデザイン・プロセスである。

純粋なテンセグリティ建築に関して、建築基準法は現在適用されない。
運動会用のテントが基礎を持たないように
カテゴリーとしての建築物ではないからだ。
これは、構造と国家の記号体系との見事なズレだ。  Y.K

セミクジラ

セミクジラには背ビレがない。
北極海という氷の海を泳ぐのに適応したためだろうと考えられている。
そしてセミとは 小さい(semi )という意味ではなく、その背中の曲線の美しいセミ(背美)にある。
成長すると体重は60トンにもなるので小さい訳がない。
上あごと共に2本の下あごがアーチ状に張り出し、
ほぼ正三角形上の底面をもった特異な口元を形成する。
つまり4面体の構造の頂点部分が大きく開けたまま海面近くを泳いで、
細かい繊毛についたヒゲ板にひっかかる極小のプランクトンを食べていたのだ。
泳ぐ速度が遅く人間に容易に捕獲されつづけたのは、
この頭と口の抵抗があまりに大きいからだ。  Y.K

テンセグリティ

構造はエントロピックであり、エネルギーを放出するのである。したがって、
耐震強度をクリアーしたとしても構造と呼ばれるモノには、固有の寿命がある。

1949年、
構造を通過するエネルギーは構造をシントロピックに変換する場合が発見された。
真の構造はシナジーであり、発散性の圧縮力と収束性の張力との間で起こる
相互作用の結果としてのみ存在する。
構造とは常に動的であり、決して静的ではないということが明白になった。
資源とエネルギーを浪費させない構造は、シナジーを除外してはならない。

冗長度(リダンダンシー)は構造破壊につながるリスクを低減させ、
また、一部が破損したり機能を停止した状態でも、
その機能をある程度保持するために設けられる。
したがって、エントロピックな構造は、冗長度(リダンダンシー)を求めて
よりエントロピックになるが、テンセグリティ構造では、
冗長度(リダンダンシー)を設計から完全に除外しても
安全性をより向上させることができるのは、
決定的な破壊を回避する重要な機能が自己形成されているからである。

しかし、このことが半世紀以上にわたって専門家に理解できないほど、
テンセグリティは常識的ではない。
シナジーはハイブリッドでもないし、波及効果でもない。
シナジーは宇宙の原型なのだ。  Y.K

リンク

リンクにはきりがない。
自然は究極のハイパーリンクの階層構造だ。
インターネットと異なるのは、
人間にも、
30万台あると言われる Google検索ロボットにも、
自然のリンクは永遠に不可視である。  Y.K

情報の組織化

ウェブ上で使用可能な膨大な量の情報を組織化するグーグル(Google)とは
10の100乗を指す「googol」という数学用語が語源であるが、
2週間分の心臓の鼓動数は10の6乗で一光年の距離ですら10の28乗である。
最大の銀河の直径でも10の40乗である。  Y.K

ゼンマイとワラビ

ゼンマイは下ごしらえにもっとも手間のかかる山菜である。
乾燥して保存食に適しているのは、栄養価も高く強壮、補血、利尿、血圧降下などの薬効も
長い経験から認められているからである。常食しても健康によい。
しかし、ワラビには発ガン物質がある。
(その強い毒性は、1983年にワラビから発ガン物質プタキロシドが分離され、
実験から牛の急性ワラビ中毒と同様の症状を起こすことで確認された。)
したがって、春の牧場ではワラビの除草剤が散布されている。
その薬害もかなり強いモノだ。
牧場でのワラビの除草は、牛の発ガンは防止できるが牧草には危険だ。  Y.K

異郷

人はそれぞれ異郷に生まれてくる。
そしてそれぞれ故郷を求める。

すべての人は宇宙に生まれて来るにもかかわらず、
すべての異郷を知ることはできない。 

この隔たりが言語を形成した。
そして、言葉によって、
すべての異郷に生きることができる。

宇宙は永遠に異郷であり故郷なのである。
宇宙によって引き裂かれそして抱擁される。  Y.K

褐色雲

1999年春にヒマラヤから東南アジアにかけての上空で、
厚さ約3キロメートルで広がっているのが観測された雲。
褐色雲は地球温暖化や酸性雨などを引き起こし、環境に与える影響が大きい。

色が褐色であることから名づけられた。
直径が1ナノメートル(ナノは10億分の1)〜0.1ミリメートルの
硝酸塩や硫酸塩などのエアロゾルが、高密度に集まったものと分析されている。

エアロゾルが発生する原因は、森林火災や農業廃棄物の燃焼、車両や産業、
発電所における化石燃料の燃焼の増加、木材や牛ふんなどの生物燃料を使う
燃焼効率の悪い調理器具からの排出による煙霧などと推測される。
アジア全域で観測され、大陸から日本に移動することもある。
90年代半ばごろからアジアでの米の減収や水不足、
モンスーンの異常発生などが起こっており、
これらと褐色雲との関連が指摘されている。

私の好きな焚き火もアジアの褐色雲の原因であり、
薪や枯れ葉だけの焚き火から発する不完全燃焼の煙には
ダイオキシンがたっぷり生成されている。  Y.K

緑の葉

環境汚染とは自然との新しい有機的な関係でもある。
それによってわれわれの社会がいかに宇宙と非有機的な関係であるかを
学習しているのである。
環境汚染はエコロジーを人類が近視眼的に独自にカスタマイズした結果である。
エコロジーは宇宙によって一般化された先験的なテクノロジーである。

エコロジーとテクノロジーを対立させたのは政治的イデオロギーである。
この起源を解明した書物はあまりにも少ない。
広告産業でエコロジーを緑の葉にシンボライズしたのは、宇宙と非有機的な関係を
今も引きずっている証拠である。  Y.K

カスタマー

あらゆる道具は目的に対して最適化された結果である。
たとえ顧客が自分以外に存在しなくても、
またそれ故に最初の道具は常に一個しかカスタマイズされなかった。

人間は道具に関して発明というカスタマイズ以外何もできない。
しかし、自然との関係を新しくカスタマイズできるのは、
発明が関わるメタフィジカルな行為である。  Y.K

カスタマイズ

デザインサイエンスにとってdo more with less とは、
問題解決のための効果的な方法を常にカスタマイズする最短経路である。

do everything with nothingとは、
自然が例外なく自らを常に原理化している最短経路(Critical Path)である。 
アジアでは、無用の用、虚無自然という概念として受容されたきた。 

カスタマイズにも原理化にも関わるこの最短経路は、
フィードバック(試行錯誤)なくして獲得できない。
最短経路はけっして直線ではない。             Y.K

平衡状態

日本には土地本来の森は 0.06% しか残っていないらしい。
それは山に住めば、分かってくる。
中国山脈でいまでも至る所にあるたたら遺跡とは、
雑木林を20年周期での伐採技術を維持し、    
森林破壊活動を鉄の資本力で維持したことを物語っている。

本来の植生はシラカシなどの常緑樹、海抜800m以上の冷温帯の山間部はブナで、
中間温帯はコナラ・クリ、あるいはアカシデ・イヌシデ(等による暖温帯性落葉広葉樹林)
が広く成立、海岸部は照葉樹林である。
代表的な樹種であるイヌブナはかつての中国山脈のように、中間温帯に分布する。

「田舎の里山の伝統的生活にこそが環境を守る」という自然保護のために、
ボランティアを動員して里山の伐採とか下草刈りをしているが、
たたらの破壊活動のなごりでしかない。
何もしなければ200年間で極相林で平衡状態になるという高校で習う生物学とも矛盾することを思い出すだろう。 Y.K

住宅付属地

源流から遠ざかるにつれて、絶え間なく汚染されるにも関わらず、
自然農は源流域では浸透していない。
りんごやダイコンのような高濃度の農薬作物が主流である。
農薬汚染は源流からすでに深刻である。

なぜ農薬が生産され、使用されるかについて
考えたり実際に生産者に聞き取り調査などをしてきたが、
最近農薬は化学からではなく、
減収に対する強迫が作りだ出すことに気づいた。

自然農による農作物が一般的に高価なのは、
少量生産という市場経済ではなく、
生産者が巧みに減収に対する強迫を消費者にまで伝えたからである。
(実際は自然農の生産性は低下しない。
むしろ農薬や手間などの省力化によって生産性は向上する傾向にあるが、
一部の似非自然農業者は依然として意図的に
手間をかけた高級食材としての商品開発に熱中するだろう)。

一方、自給自足が都市近郊の「住宅付属地」に採用され発展するためには、
経営状況の悪化により現金収入がたたれようとも、
菜園で「とりあえずは安全に食べていくことができる」という強い不安と恐怖を必要とする。

自然農はこうした人間の不安と恐怖の克服から始まる。
その不安と恐怖の99%は
「自然農はこの楽園を一切損ね壊すことのない栽培農だ。
耕さず、肥料農薬を用いず、草や虫を敵としないところに
われわれの生命体は約束されている。」
という直観を深く疑っているのが原因である。  Y.K

モバイル技術

世界的に内陸部での居住技術が不足している。
特に通信だけではない総合的なモバイル技術は、
21世紀の新たな課題と思われがちであるが、
30年前の宇宙船のデザインですべて達成されている。  Y.K