月別アーカイブ: 2019年8月

生物を覆う薄膜の厚み

カボチャのフィルム状の表皮は、
急激に加圧して急激に減圧した時にのみ、
カボチャの分厚い硬い外皮から分離し始める。
その半透明の薄皮フィルムの厚みは、
僅か100ミクロンである。
この表皮の厚みは、
ゆで卵を剥くときに剥がす卵殻膜の厚みと同じである。
トビウオの羽根のフィルム状の薄膜の厚みも100ミクロンである。
人間の表皮細胞の表面の外皮部分の厚さは、
さらに薄く10~20ミクロン程度である。

トビウオの飛行速度は時速50~70kmで、
最大400mも連続して滑空するための折りたためるフィルム状の翼

異なる遺伝物質を合成するウイルス

インフルエンザは異種有機体生命間の
あらゆる異なった要因にかかわらず、
新たなインフルエンザに変化し異種感染できる
テクノロジーを具現化している。
ついに豚や鳥インフルエンザは、
バイオマス的に豊富な人間にも異種感染できるようになった。
そして、類似のウイルスが同一細胞に感染して形成される遺伝物質を
合成するウイルスが発見されのた。
生命工学はウイルスの先験的自然を
複製する技法を習得した段階だ。

オオジシギは台風接近にも関わらず、
飛行ルートを変えることなく最短ルートで飛行できる。
ウイルスにとってオオジシギは
南北の地球を片道9000キロ往復するユーザである。

北海道テレビ放送「カムイの鳥の軌跡」

一貫性 (coherence)の違いについて

事実から逃亡するための
一貫性によって
誠実さが偽装されるほど
一貫性は揺るぎない固体のように変容するが、
真実を破壊するにはつねに局所的すぎる。

物理学においては、
干渉のしやすさとその鮮明さが
一貫性(coherence) の概念である。

どんな光源からでも干渉縞を生成できる自然の不変性は
互いにコヒーレントな波の干渉縞をより鮮明にする。

動的シナジェティクス

植物は環境条件に出会わなければ
決して発芽しないようにデザインされている。
シナジェティクスの学習過程では
成熟と休眠という生理学的変化を経由しない時、
先験的な知はけっして発芽しない。
基礎によって大地に繋がれていない
動くシナジェティクスは大地に根を生やさない。

物体が回転している時
その回転軸に垂直な平面上で物体に対して垂直な力が発生する。
こうした原理は土地測量のための幾何学を起源としない。

試行錯誤のための時間の空隙

経験を伴わない学習による理解は
情報の増加になるだけで
試行錯誤から定着されない限り
脳に貯まるゴミとなる。
貯めたゴミ量を競うクイズ番組で使われる以外、
「ゴミ箱を空にする」ノウハウは
学校では教えても貰えない。
試行錯誤のための時間の空隙がなければ、
全情報量は増加しない。
空隙とは、より加速する情報のエントロピー増加に反する
自己のテクノロジーだ。

SYNERGETICS RBF 1975
“Concave octahedra” and “concave vector equilibria” pack together to define the voids of an array of close-packed spheres which in conjunction with the convex spherical vector equilibria fill allspace.

テンセグリティ原理は「リンゴの落下現象」から発見されなかった。

無重力を知らなくとも
大気圏内で重力の在り方を経験できる。
テンセグリティモデルの
張力の働きを体験することは
万有引力の新しい理解に近いだろう。

2つの圧縮材の間に働く相互作用のうち、
引き合う力が圧縮力に変換される。

圧縮材が互いに重力を及ぼすことによって、
連続する閉じたWEB上に非連続に浮かぶ原理は
裏庭の「リンゴが木から落ちる現象」から
発見されなかった。

共鳴テンセグリティ・ワークショップ 2019
「裏庭のテンセグリティワークショップ」
http://synergetics.jp/tensegrityblog/
http://synergetics.jp/workshop/ws190914.html

SYNERGETICS RBF 1975

好奇心を枯渇させない生存方法

あらゆる事を徹底的に学び
必要に応じて学んだことを生かすことは困難だ。
興味あることを経験するために自発的に学ぶ時、
より興味を持てるように経験から学ぶことが
興味を作り出す好奇心を枯渇させない生存方法となる。
理解する方法よりも
方法を尊敬することは他人から学べない。

約1億1000万年前、カナダ西部に生息していた草食(植物食)恐竜は、
堆積物に埋もれたが、テトラ状の装甲が細部まで保存された。
「ナショナル ジオグラフィック」2017年6月号

モバイラー生活器

裕福だが車には興味がない人々がプリウスに乗る時代から
金儲けに興味がない個人が大地や大気圏と交換を始める手段は、
コンテナハウスやスモールハウスでの定住ではないだろう。
強欲な資本主義から離れても大地の収奪と汚染から逃れられない。
大気圏と相互作用するモバイラー生活器は未だ存在しない。

大気圏と相互作用する自動気象シェルターが
火星以外では開発されないのはなぜか。

前例のないシナリオ

試行錯誤のない経験は他人の経験の複製だ。
試行錯誤にはつねに時間を伴う
前例のないシナリオが副産物として形成される。
宇宙は光によってシナリオを書き換える。
光のおかげで科学者は中性子星の内部構造を初めて観察できる。
宇宙よりも簡単に時間を潰せるは映画だけだ。

NASAの望遠鏡が撮影した遠方の銀河では
中心のブラックホールの周囲を星々が螺旋状に取り囲んでいる。
(PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH)

エンジニアリングとインジニアリングの統合

自律的な自己教育は「engineering」と「ingineering」の
相互作用から形成される。
エンジニアは職業化されるが
インジニアは内的な先験性ゆえに未だ職業化されない。
エンジニアリングとインジニアリングは
外部化と内部化の操作主義に関する
分割化と統合化であり
1949年のバックミンスター・フラーの「包括的デザイナー」に始まる
デザインサイエンスの全方向的な試行実験。

参照『宇宙エコロジー』包括的デザイナー 
バックミンスターフラー+梶川 泰司 著 美術出版 2004