カテゴリー別アーカイブ: デザインサイエンス

塩素社会

「現在の下水システムに関するすべての基本的なデザインは、
紀元前2,500年頃にインドで発明される。
それ以来、本質的に改良したものはいない。」(RBF)
という概念が都市を支配し形成している。

現代の衛生の概念が、塩素に依存する社会構造を形成し、
都市と農村から微生物を排除しているのである。
日本の塩素の生産量は2兆円であり、
ソーダ工業(つまり、グランチ)の生存にとって
塩と電気(つまり、原子力エネルギー)は必須の原料なのである。
(ソーダ工業の塩の消費は、全消費量780万トンの内、全体の74%、
飲食の生活用として消費された量は全体のわずか2%)

しかし、現代の発酵微生物工学は、ブタなどの家畜の屎尿処理から
無菌の純粋な飲料水が生産できるので、
すでに上下水道を統合できるまでの実用性に達している。
(実際に試飲した私の経験に基づいている。)

塩素社会は、海を構成する基本物質を搾取しながら
微生物と人類の惑星地球上でのモバイル性を阻んでいるのである。
さらに、塩素で固定されたインフラによって人類は課金され続けている。

エコロジーとは、全生命にかかわる構造とパターンに関する動的な科学である。

続4)デザインサイエンスの課題

つねに自然は一つでありながら
メタフィジックスとフィジックスの異なる階層に対して
シナジー現象を引き出す課題に、
絶えず挑戦するデザインサイエンティストが、
固有の経験を秩序づけ、自ら変容していく過程でそれらを解決できる場合は、
惑星地球での他者のより有利な生存条件とその方法を拡大する目的で、
群れから遊離し、孤立して、
なおも<思考を声にする>単独者に限られる。

それは、非人格的なコスミックな遠隔操作なのだ。

続3)デザインサイエンスの課題

バックミンスター・フラーの最晩年のプロダクトの一つである
モノコック的デザインに徹底化した<フライズ・アイ>は、
彼の住居に対する最終課題への方法であったが、その現実的な生産手段(カーボン材を使用するための金型費とその素材費)は、21世紀に於いてもまだ高価すぎるのである。

<フライズ・アイ>の金型成型を、 3Dプリンターでヘッジするまで
<フライズ・アイ>の量産化への投資家は、存在しないだろう。

最晩年のバックミンスター・フラーが開発した
初期のアウトドア用のテンセグリティシステムによる
テントタイプ(=NorthFace Tent)以外に、そしてそれ以上に
耐久性に富んだ、全天候性のモバイルを基本とした
経済的なモバイル居住用テンセグリティシェルターは
まだ開発されていない。

不動産ではない移動可能な住居が
クリティカル・パスの最終課題として受け止められたならば、
<フライズ・アイ>のモノコック的方法か、
<テンセグリティ>の超軽量化かが選択されるだろう。

この選択肢は、彼が<複数の卵を一つの巣>に生まなかった
予測的デザインサイエンスがもたらした優れた結果である。

無管、無柱、無線、無軌道によるもっとも現実的な生存方法は、
都市のインフラを完全に排除することによって、
より経済的に長期的に<自律的な自由>を拡張できる方法として理解できる。

最終的なデザインサイエンスの課題は、
テクノロジーの推移に鋭敏な投資家たちの不在ではなく、
彼らを不要とする科学的、数学的な生産方法の発見とその開発にある。

978-01

<フライズ・アイ> 直径15m 高さ12メートル,総重量は3000kg

続2)デザインサイエンスの課題

純粋な構造システムの実験は
バックミンスター・フラーの時代に、
十分にそして、ほぼ完璧に追求されている。
しかし、彼は<複数の卵を一つの巣>に生まなかった。

実際、その実験は300例を超えていたのを、
私は、フラーの全クロノファイルのアーカイブを
2ヶ月間かけて閲覧して確認した。

フラーの絶えず変容する構造実験によって、
編集されて生成されるタグ(=複数の巣の互いに異なった名前)と
それらを包含するアーカイブが
フラーの死と共に閉じてしまったがゆえに、
クロノファイルに眠る、それらのまだ接続できていない情報群に
新たな秩序を与えられるデザインサイエンティストは、
現在のフラー研究所には不在である。

研究し、開発し、プロトタイプを生成しない
アーカイブ内部に精通した情報探査方法から、
どんな卵という動的な<フィジックス>は生まれない。

40年の懐胎期間

飛行場に着陸した飛行機の機体は、巨大地震に対しても安全であるが
飛行時は、さらに安全である。

住居の安全に対する構造に関する観念や概念は、
建築学が扱う形態の中だけで作られてきたものだと考えざるをえない。
静止した物体を前提にした設計方法と法律は、もはや時代遅れである。

複葉機からジェット機までの僅か40年の懐胎期間で
航空力学は、宇宙に着手したのである。

システムの優位性

都市での労働や健康という概念、コストと耐久性との対比、国家が定義する耐震性、
そして食料とエネルギーを貨幣で買う経済システムの優位性の否定から
始めなければならない。

銀河系での惑星地球システムの希有な優位性と
バイオシェルター内部での
植物の光合成によるエネルギー経済が忘れられているなら
モバイルテンセグリティの現実的な居住空間は存続しない。

声に出して考える<Think Out Loud>時、

シナジェティクスが、デザインサイエンスから生まれる時、
デザインサイエンスが、シナジェティクスから生まれる相補的な領域が存在する。

しかし、原理の発見なきシナジェティクスは、
構造の発見なきデザインサイエンスと互いに結合されやすい分断領域を形成する。
(新たな分断と分割の無限性は学際的と呼ばれてきた)

バックミンスター・フラーなき時代に、
先進的なテクノロジーが加速度的に誕生したが
シナジェティクスなきデザインサイエンス、
デザインサイエンスなきシナジェティクスが
加速度的に継承されるのは何故か。

自己のテクノロジーによるデザインサイエンス戦略の開示と
シナジェティクス思考による自己放棄との間には、分断以上の明らかな絶縁が存在する。

記号のテクノロジーや科学的テクノロジーを変えても、
自己のテクノロジーなき動機(=know why)はそのままだ。

異なる二つの作用の絶縁を、埋め合わせるのは
<思考を声にする=Thinking Out Loud>行為である。
このプリミティブな現実的な波動こそは、
その絶縁状態にメタフィジカルな相互作用と統合作用をもたらす。

臍を噛むのか、それとも臍を組むのか

爬虫類、鳥類を含む胚膜類には、
母体から栄養素や酸素、水分の供給を受けていた管の痕跡として
すべて臍(へそ)がある。

植物の種子においても、
水は種子の表面全体から吸われるのではなく,胚の付近の胎座についていた器官(へそ=hilum)から入っていく。

生命を次世代に接続するための惑星地球での包括的なデザインがある。

木材・石材などを相互に接合する場合、
一方の材にあけた穴にはめこむために他方の材の一端につくる
非生命的な突起物も、臍(ほぞ)と呼ばれる。
つまり、へそとほぞは、古代アジアから、同じ<臍>で表されてきた。

モバイル・テンセグリティシェルター(=Off grid floating shelter)にも
臍(ほぞ)が頻繁に使用される。
もっとも経済的な宇宙的な相互結合方法に違いないからだ。

あまりにも不変的な

バックミンスター・フラーから開始された
モバイル・テンセグリティシェルターの開発の根拠とその歴史は、
金や土地を所有することで
周期的な経済破綻から逃れる方法が、
絶えず稀少性という基本的条件を維持し拡大する権力構造の方法であり、
それ自体はエントロピックで
それゆえに、非再生的な有限な金や土地によって
経済を可能とし必要とすればするほど、
人間の生命と人生を危険に陥れるあまりにも不変的な方法として
大多数に受容され続ける歴史と反対称的に重なるのである。

ほとんどの建築家は、彼の先進性を模倣するが
かれの反対称性を理解しない。

表裏のトポロジー

グーグルや他のSNSなどは、
いまや、個人を監視し、管理し、さらに
自主的に、やがて無意識的にも自己を訓練し、
さらに自ら矯正していくシステムから
個人が意識的に、群れから完全に逃亡し、
新しい群れに出会うための
独自なテクノロジーを発達させない社会には不可欠である。

これは核兵器のような大量殺戮兵器開発よりも
安全で確実な安価な方法である。
大多数の個人と共有できる無料アプリだったから。

この無料アプリは、著作権法で22世紀まで保護されている。

監視と逃亡、学習と矯正、管理と共同、陳腐化とバージョンアップは
いまや、表裏のトポロジーで一体化している。

空気メーター

グランチは、石油資本による電力ネットワークを構築する前に空気の独占方法を模索していた。

マルセル・デュッシャンが、<パリの空気50cc>(1919)を制作する前の、彼の作品メモはその歴史を批判する。
<自分が呼吸する空気にお金を支払わねばならない社会を作りだせ>
[空気メーター、禁固刑または空気の希少化を行なうこと、料金未納の場合は必要に応
じてただ窒息(空気のカット)させよ](1915)
1950-134-78

どんな課金メーターもないテンセグリティ・シェルターは、
無柱、無管、無線、無軌道の大気圏内で振動するニューマチック(空気構造物)である。

動力学的住居

17世紀にミケランジェロに加えてレオナルド・ダ・ビンチが設計に参加した 
バチカン市国の世界最大級のサン・ピエトロ大聖堂によって
無柱の球状空間(直径49m)が、絶えず威信を持つようになり、
その後の宗教的建築のモデルとなった。

世界最大級のための初期の構想案は、完全な半球ドームであったが、
最終的に静止力学的な解法と実験から尖頭型ドームが採用された。

システムの各要素の相対的な位置が時間的に変化しない状態で作用する
力やトルクについて研究する静止力学的は、
大地の静止状態を前提とした構造物のみを対象にしてきた。

その歴史的保守性を超えたのは、1949年のバックミンスター・フラーによる
オクテットトラスを構造モジュールとした
動力学的なジオデシックドーム構造(直径51m)である。
真のジオデシックドーム構造は、大地に根ざした基礎部を必要としない。

それによって、形態学や超専門化した施工技術を基盤とした建築学ではなく、
数学を基盤とする超軽量な構造学がはじめて明らかにされた。
同時に、世界最大級の宗教が独占してきた無柱空間は、
ジオデシックドーム構造による単位あたりの物質・エネルギー・時間コストで
圧倒的に陳腐化したのである。

大地の動的状態と共存可能な人間の住居のモデルは、
巨大宗教を支えた静止力学的な建築学を基盤とするのではなく、
数学を基盤とする経済的なモバイル用超軽量テクノロジーに移行したのである。

この超軽量テクノロジーは、
惑星地球上のあらゆる局所的気象条件下でテスト済みである。

生命維持装置

カボチャ中でも伯爵の表皮は、特に白い。

その伯爵にはデンプンを糖に変える酵素があって、
低温でゆっくり加熱することによって甘味がはじめて増すというのは正しくない。
その伯爵を高圧の圧力鍋で約8分間、短時間で加熱して蒸した後でさえ甘い。

しかし、そのフィルム状の表皮は、急激に加圧して急激に減圧した時にのみ、
カボチャの分厚い硬い外皮から分離し始める。

その半透明の薄皮フィルムの厚みは、僅か100ミクロンである。
この表皮の厚みは、鶏のゆで卵を剥くときに剥がす卵殻膜の厚みと同じである。

また、トビウオの羽根のフィルム状の薄膜の厚みも100ミクロンである。
人間の表皮細胞の表面の外皮部分の厚さは、さらに薄く10~20ミクロン程度であり、
細胞死を迎えた後やがて剥離するようにプログラムされている。

大気圏内における動植物の外皮の機能は、内部と外部の境界膜の機能には留まらない。
生命維持装置を備えた気密服としての宇宙服以上である。

私のデザインしたモバイル・テンセグリティシェルターの外皮フィルムの厚みも100ミクロンであったが、
都市の住居の生命維持装置の外皮は、まだ30㎝程度である。

素材の厚みで断熱する物理的方法は、時代遅れである。
テンセグリティシェルターの外皮フィルムの耐候性は20年以上である。

機能を伴う物質化(doing more with less)

着想からはじめる人は、
ブレーンストーミング(Brainstorming)が好きだ。
それは、半世紀前に開発された集団思考性に依存した幻想だ。

イノベーションは、
概念発明家の仕事ではない。
イノベーションが引き出す全要素生産性は、編集技術に属する。
全要素は予め与えられているからだ。

科学は<着想>から始まるのでなく、<発見>から始まる。
その<発見>は、<概念の発見>とは同時ではない。

さらに、機能を伴う物質化(doing more with less)を伴う産業化は、
最後にやって来る。

宇宙エコロジー

個人は、生活費を稼ぎ出さなければ、ホームレス化するように教育され、
国家は、新しい資源とエネルギーを見出さなければ、
消滅する恐怖感から、戦争するように運命づけられている。

エネルギー・食料・シェルターのすべては
個人で獲得可能なノウハウの段階にある。

国家が破綻する前に、われわれは自律的に実践すべき段階にいる。

エネルギー・食料・シェルターの包括的実践ノウハウは
選択可能な宇宙エコロジーの一形態である。

流体地理学

宇宙論的な視野が誘導する地球を外部から見る行為が
1940年代のダイマクションマップの開発の根拠となる<流体地理学>
(=一つの海に浮かぶ島々という流体の連続性)を形成した。

この宇宙論的な視野が、その後のグローバリズムの理念にとって替わったのは
超国家的権力構造によって、遠隔から支配する軍隊と基地、そして
高性能な小型武器の開発が最優先されたからに他ならない。

自然と出会うためのテクノロジーが
人間の居住可能な場を生み出すはずだが
極地における居住可能な場のほとんどは、軍事テクノロジーによって形成されてきた。

同時に、バックミンスター・フラーによって創始された<流体地理学>は、
流動する大地を前提にしたモバイルテンセグリティという
最小限の移動可能な極地用の構造デザインと融合したのである。


『宇宙エコロジー』(バックミンスター・フラー著、梶川泰司訳 2004)
第7章 <流体地理学の誕生>自己エコロジーのための全方位カメラ(ジオスコープ)参照

アンチ・プロダクトデザイン

デザインサイエンスから学んだことは
経験の目録全体が同じでも、
経験を系統立てて述べる方法は絶えず少しずつ変化し、
思考過程に他者が参加すれば、常に自発的な思考が継続できることにある。

デザインサイエンスとプロダクトデザインとの違いは
すべての方法は目的意識(=know why)が先行することにある。
デザインサイエンスに、プロダクトデザインコースは存在しない。

自分が関与したい領域のすべての知識と手法(=know how)を学んでから
目的を達成するデザインを形成することが
もっとも効果的だと思考する疑似<システム>は
シナジェティクスにも存在しない。

シナジェティクスは幾何学ではない

幾何学を学んで、
動力学的なシナジェティクスモデルの運動の分析は
困難である。

シナジェティクスは幾何学を基盤とするのではなく、
生命科学や核物理学を基盤とする包括的科学である。

例えば、テンセグリティは、原子核構造から生まれ
原子核構造モデルそのものである。
さらに、テンセグリティ理論がなければ、
細胞の働きも細胞の構造も理解できなかった。

コスモグラフィー(=シナジェティクス原論)再考

シナジェティクスに対してある距離を置いて
デザインサイエンス・プロダクトでフラーの概念を複製するような関係を求めている人々、
つまり、バックミンスター・フラーに距離を置いて複製するだけの人々に、
発見されるシナジェティクス言語のモデル化の収穫の経験がないまま
シナジェティクスを直接的に探究する代わりに、それについて語るばかりか、
デザインサイエンスについて批評する人々に、
コスモグラフィー(=宇宙形態論)は期待できない。

コスモグラフィーなきシェルターに、物理的な有用性も概念の永続性もない。

満月の夜のシナジェティクス焚火

月が接近すると引力はより増大する。
そのことで、大気圏内のエコロジーが変わる。
満月の夜は、焚火がいい。

炉と煙突のない焚火は、閉鎖空間ではないと思われている。
だから、焚火から煙を減少させるためには
多くの酸素(または風)が必要だ。
同時に、多くの酸素によって急速に薪は消費される。

薪がより少なく、煙のより少ない焚火、つまり
ロケットストーブのように
吸気を引き込み、未燃焼ガスを二次燃焼させるという方法が
焚火にも応用できる。

つまり、流体が流れる経路に穴をあけると
そこから吸気を形成するというベルヌーイの原理は
焚火を無数の煙突がある一つの閉鎖空間に見立てることが出来る。

焚火に、明確な内部と外部が形成された時、
少ない薪でより長く、煙を減少させる焚火の方法が
より長い燃焼経路にあることが分かったのである。

より長い燃焼経路は、シナジェティクスの最密パッキングとその隙間の概念からやってくる。

この動力学的なシナジェティクス焚火も満月も
ともに互いに張力(=吸気)に変換された効果なのだ。
(この方法には発見と発明が共存する。)

濡れた薪や腐食しかけた倒木ですら燃える
シナジェティクス焚火は、緊急時の基本的な生存技術の一つである。
(ムービーなどで、共有すべきデザインサイエンスの基本技術でもある)

気楽なメタフィジックス

幾何学愛好者が
シナジェティクスを批判するほど
シナジェティクスによる存在論が試行されないのは
完全に不調和で分裂している国家が実現されているからだ。

互いに異なる利害を生むための
異なるアイデアをめざすだけの個性によって、
互いに理解しない人間同士をバラバラに束ねるテクノロジーを開発しながら
税収奪から逃れる企業と税収奪に飢えた国家との間で、
幾何学愛好者たちは気楽なメタフィジックスを奏でている。

気楽なメタフィジックスから
エネルギーも食料も、そしてシェルターも生産されない。

有用性(ユーティリティ)

物質的な試行錯誤によって、想像力ははじめて加速する。
自由な思考力だけでは、原理は遠ざかるばかりだ。

ユーティリティ(有用性)と神秘を接近させない人々が
シナジェティクスを
ユーティリティの変容と技術的な透明性とを相互に絶縁させている。

シナジェティクスほど、
ユーティリティに接近できるメタフィジックスはないのだ。

角度的固定

<構造>から反構造や非構造を排除することではなく、
国家とそれに結び付けられた<構造>という概念から
自らを解放するために、

数世紀の間、押し付けられてきた<構造>、または<固体>、
あるいは<角度的固定>という概念を拒否することによって、
主体性の新たな形式を見出していくには
何を実践すればよいのか。

シナジェティクスモデルは、
しばしば未知の概念を内包している。

移動する構造体

建築構造に関しても
これまで考えられたことよりも
考えなかったことの方が圧倒的に多いのは
自然からその構造が破壊される毎に
より太く、重く、高価にして強化しただけだったからだろう。

より軽く、安価にするテクノロジーは
より高速で移動する構造体に採用されただけである。

矯正装置としての空間構造

農業用ハウスは野菜の品質と価格に影響するが
人間が住めない農業用ハウスは
この半世紀間、構造的なモデルチェンジをまったくしていない。

空間構造による権力側の要請に
技術面で支援するのは
許認可の範囲内で空間構造をデザインする
建築技術者たちである。
 
空間構造はもっとも効果的な矯正装置の一つである。

<クラウドナインズ>

宇宙ステーションが
無管、無線、無柱、無軌道からなるテクノロジーでしか生存できない同じ理由で
地球上の住居をデザインすることは可能だ。

トイレには外部に廃棄する配管がなく、
太陽の放射エネルギーと相互作用する包括的なエネルギー循環器が
すべての物質とエネルギーを制御し、
太陽の放射エネルギーを追尾しながら居住可能なバイオスフィアの大気圏内を浮遊する
最初の非軍事的な大気圏内部の動く宇宙ステーションとして
<クラウドナインズ>が理解されていない場合、
宇宙技術の一般化に関与していない短命で高価な住居を
もっぱら消費しているだけの
時代遅れの不動産に終わるだろう。

惑星地球における目的意識(know why)

e・食・住(energy-food-shelter)の3大生存要素を同時に供給する
モバイルシェルターというアーティファクトの実現には、
高価な材料や熟練した技術、エネルギー、多種多様な道具と作業場が不可欠である。

それに対する解決方法とその確立過程にこそ、
惑星地球におけるデザインサイエンスの目的意識(know why)がある。

生存可能な科学的方法

都市インフラに依存しない生存方法の執拗な欲求と
その方法を万人に共通のものにしようとするイデオロギーとの分裂は
デザインサイエンスには存在しない。

惑星地球以外の他の天体で人類が安全で経済的に生存できる科学的方法は
金融資本主義以上にまだ未完成である。

デザインサイエンスの革命性

デザインサイエンスが自ら革命的方法論を提唱し実践するすべての過程において
クライアントに依存しなかったデザインサイエンスの革命性は
ほとんど知られていない。

デザインサイエンスの革命性は
投資家の存在と発言を排除できるほど
既製品と既成のテクノロジーの新たな相互関係の発見から実践できることにある。

しかし、最晩年のバックミンスター・フラーの<フライズアイズ>における
量産型のモジュール革命性は
未だ高額な金型の初期投資に依存していたのである。

単なる用途(ユーティリティ)の開発に留まらない
デザインサイエンスのプライムデザインを
その実践者のみが担うこのシステムは
金融資本主義の側にはない。

自律的生産性

現在の構造システムが形成する生活空間の構造的形態的課題は、
国家及びその許認可諸制度からの人間の解放ではなく、
国家とそれに結び付けられた個個人をその空間化の型から解放することだ。

数世紀間、人類に押し付けられてきた生活空間の型を拒否するための
エネルギーと食料の自律的生産性によって
はじめて形成される主体性の新たな形式を促進していくことにちがいない。

自律的生産性は、太陽光と微生物群との共生に深く関与している。

1.5億キロ彼方

自律的モバイルシェルターによって
バイオスフィアの生きた現実と出会える自由への選択肢がある。

これは、地球から1.5億キロ彼方で輝く太陽からの光を使った
光合成から絶縁した人類の課題である。

革命という概念はそれほど革命的ではない

革命という概念はそれほど革命的ではない。

〈革命revolution〉=re(逆らって)+volvere(回転する)
だけならば、部分から推測可能な範囲の
<回転による劇的な角度変化>にすぎないだろう。

発明や人為的なエンジニアリングによるアーティファクトの革命とは、
社会的な現状を支える政治経済の強い流れに逆らう行為ではなく、
社会的な現状とは別に実在する〈現実の泉〉に到達する行為である。

生産性

デザインサイエンスの最適な使用方法が
そのシナジェティクス原理からも明確に定義された時、
生産性の経済性とその自律性は確保されることが認識できるまでに
実践することがクリティカル・パスそのものである。

クリティカル・パスによる生産性は信頼できる。

概念の発見から始まるシナジェティクス

シナジェティクスにおけるモデル言語の発見(=概念の発見)には四つの過程が含まれる。

1,計画的偶然によるモデリングが転写する新たな概念の発見
2.新たな概念が自動生成するモデル言語とそのモデル言語から生成されるモデリングとの相補性の発見
3.モデル言語を内包するモデリングに変換するためのすべての構造とパターンの探究
4.固有の構造とパターンのみが誘導する同時代的デザインサイエンス戦略

プロトタイプ

自然の原理の探査によって
発見されたアイデアからプロトタイプをデザインする方法は
無限に存在するはずである。

そのプロトタイプが公開されれば
その場しのぎの独占欲に満ちたアイデアを圧倒することは明白である。

シナジェティクスと相補的なデザインサイエンスのテクノロジーは、
時代毎の新素材によって陳腐化されないにちがいない。

真のプロトタイプとは
重さのないメタフィジカルな鋳型であり、母型である。

エネルギーと食料の受容体

人間の生活空間を維持する構造は
ヒトという哺乳類の持つ生物学上の特性とかかわっているかぎり、
持続する経済活動に必要な
休息するための物理的な窪みに
合理的に構築されるべきである。

その窪みとは
エネルギーと食料が生産され、保存されなければならない
宇宙の受容体なのだ。

構造デザイン

「原理には重さがない」という科学的概念を
メタフィジカルな思想とのインターフェイスにすることによって
飛躍的な構造安定性と強度・剛性をもたらす
質量のない数学的なパターンを構造デザインの対象とする。

その方法論は、直観による絶えざるモデリング以外には存在しないだろう。

相転移としてのシナジェティクス

宇宙での存在比から
水素、ヘリウム、酸素に次いで豊富な炭素は
元素の中でも最多の4組の共有結合機能を形成し
それゆえに、ダイヤモンドからグラファイトへ変化したり
フラーレンやカーボンナノチューブに変換できる。

シナジェティクスがもたらす強力な機能は、
シナジー作用と同様に
どんな経験や知識からも推測できない全体の働きによって
最初の自分とは違った存在に相転移するという物理性にある。

その物理性は、個性やオリジナリティといった概念では
把握できない。