カテゴリー別アーカイブ: デザインサイエンス

アーティファクト(artifact)とは何か

見えない概念を記述し理解するには、
自然の形態を模写するのではなく、
自然の原理を発見し統合されたテクノロジーに
置換する試行錯誤が先行しなければならない。

モグラや鯨は自然の機能と相互作用できる
独自のアーティファクトをフィードバックした結果、
最適な形態を採用したに違いない。

つまり、先行するアーティファクトの模倣から
人類が直面する諸問題を解決することは出来ないのだ。

熟考(consideration)

熟考(consideration)とは、語源的に
con(主体的に)sider(星々)との相互関係を構築する行為である。

デザインサイエンスにおける主体的な熟考は、
複製を前提にした設計図と直面する工具類と素材を
クリティカル・パスで対応する過程において
日々変化する環境を物理的に整備する行為と共にある。

個々の素材と様々な工具との相互関係が
単純化されていく時は、
素材と工具の配置パターンを劇的に変容させる。

シナジェティクス触媒(Synergetics catalysis)

数学的知識はその構造デザインの数学的背景を分析するには有用だが、
その知識は、シナジェティクスを習得し実践する
デザインサイエンティストの包括的経験から積み上げた
ユーザの想像力を誘発する単純化されたデザインに比べれば部分的でしかない。

原理的理解から発するシナジェティクスモデルに
可能な限り接近するための構造デザインを構成する
最小限の素材間の相互作用が
予測を超えた物理的機能に変換されてるからだろう。

シナジェティクスが、
明らかな触媒反応(‎Catalytic reaction)を引き起こしている時、
デザインサイエンティストは、
数学的知識には現れない物質変換に関わっている。

そして、コスモグラフィーからの不変の重さのない情報によって
引き起こされる構造の強度と剛性を加速する反応(シナジー)を再生させる。

続)シナジー>自然>未知という階層構造を超えて

シナジー>自然>未知という階層構造をさらに超えていくのは
宇宙の統合性(Cosmic Integrity)の存在である。

目的論と共に、宇宙の統合性を人間の生存空間において
再生するために物質化された装置<trimtab>の一つが
モバイル・テンセグリティシェルターである。

モバイル・テンセグリティシェルターは
水と食料とエネルギーが再生され続ける
<シナジェティクス回路>(=無柱、無管、無線、無軌道)に接続される。

不動産と絶縁するためのモバイル用の<trimtab>の開発に
必要なテクノロジーと部品類は、
ほとんどが既成品とその改造(2次加工)によって達成可能だ。

都市の課金装置ともっとも経済的に短期間に絶縁可能な<trimtab>の
開発に従事するのは、21世紀のアーティストサイエンティストである。

彼らのクライアントは、Cosmic Integrityの不可視の富だ。

シナジー>自然>未知の階層構造を超えて

自然を形態(form)だけから模倣できないように
未知(unknown)は、自然に含まれる。

シナジェティクスは
つねに未知の領域からやって来る信号(beep)を
直観によって解読することから始まる。

未知なる存在を包括する自然が
ついにシナジーを誘発する過程(process)と方法を
シナジェティクスは、視覚化してきた。

その過程と方法の再現において、
ユーティリティ(有用性)の物質化という要求から実践する方法は、
デザインサイエンスと呼ばれる。

道具と素材

局所的に従属化した種々の固有な方法を
その場から転位させ
予測できなかった効果的な方法を思い描き
再びその場でその機能の存在を確認できた場合、
局所的な分析に先行する
工学的方法の批判に基づいた発明に留まることなく
原理にまで遡ることができることを証明する機会なのだ。

つまり、もっとも効果的な方法は
入手可能な道具と素材だけでは解決しないのだ。

一般的な道具と素材は、
野生のメタフィジックスより、つねに遅れてやってくる。

反・建築コード(building code)

自動車のハンドルの左右の位置が、走行ラインの反転や
交差点内での異なる交通法規を生むように、
構造から空間をレイアウトする方法や
そのインテリアデザインなどによって
建造物の内部での動作や姿勢に関する習慣が生まれる。

思考方法や感情が人間の身体に対して
物理的に医学的に異なった影響を生むように。

形態と建築コードの相補的な関係をパラメータ化することで
形態と安全性とコストとの可能性を拡張するテクノロジーは
建築コードによって制限される。

しかし、意識や思考に作用するよりも
人間の身体に対して効果的に物理的に生理的に行使できるからこそ
建築物は、建築コードによって管理されてきた。

人々を物理的・空間的に配置する方法に従事する建築家やデザイナーは、
分断された専門家ゆえに
身体の政治的テクノロジーに関与していることに無関心を装う。

自然が採用する構造とパターンから生成された
超軽量で大地から自律する
無柱、無線、無管、無軌道のテクノロジーによって
生存方法の自律性とその自由度を生む
モバイル・テンセグリティ・シェルターは
本質的にだれの許可も要らない。

白眉に曝す(expose)

白眉に曝された(expose)陰謀論は、構造を除外している。

構造に関するかぎり、真理のみが支配する場から
これまでの構造は生み出されていない。

社会全体を統御し弾圧し抑圧する政治権力構造を含めて
攻城兵器と防衛城壁(defensive wall)的な特殊な構造を批判することが、
何よりもクリティカル・パスの切迫した課題である。

生存のための構造は、攻撃と防御に明け暮れた発明家による構造ばかりだ。


攻城兵器
城門や城壁を破壊し、突破することを目的とした破城槌

 

平均的な革命 

 「宇宙はテクノロジーである」そして「物理的宇宙は、
それ自体がすべてのテクノロジーを生み出している。」

このフラーの確信によって、
あらゆるエネルギーの無料化を達成できるテクノロジーを
支配する世界権力機構が科学者フラーを徹底的に孤立させた。

なぜなら、すでに発見された宇宙のテクノロジーに依存すれば、
「個人が必要とする(もの)はすべて、すでに支給されている」
という事実が露わになるからである。 

☆『宇宙エコロジー』
「平均的な革命」梶川泰司 2004
(バックミンスター・フラー+梶川泰司=著 18、19ページ)

クロノロジー(chronology)

バックミンスター・フラーが
デザインサイエンス革命の実践方法において
自ら革命と定義したとき、
彼のデザインサイエンスとシナジェティクスの講義を理解して
彼と直接コンタクトした世界中の学生の名簿を、フィラデルフィアではなく
ロサンゼルス時代のフラー研究所のアーカイブで見たことがある。
そこには、六千名のリストがあった。
私の名前も日本の古い住所のままでそこにあった。

片方向的なフォロワー(追従者)が
いま何を考えて、何を実践しているかに関わらず、
予知的な徴としての価値を持つ経験やシナジェティクス・モデルを、
アーカイブの内部から取り出す方法はつねに革命的である。

それは、クロノロジー(chronology)に基づくいた
<クロノファイル>と呼ばれている。

自らの行為の誤りとその正しさの客観性を主張する根拠は
<クロノファイル>が生成する時間(chronos)にある。

無限責任

森は一つであり
樹木は、分離して数えられないように
森の樹木の構造デザインは
森に対する無限責任に基づいて再生的にデザインされている。

台風によって倒木した場合も
自然発火で森林火災を起こした場合ですら
森は移動して生き延びた結果である。

有限責任

構造物が基礎部と融合して一体化した構造デザインは
航空機や船舶、そして宇宙船の構造以外に未だ存在しない。
そもそも動く構造には、分離可能な基礎部が存在しない。

不動産としての建築構造は、免責の概念に基づいて設計されている。

地震による建物の崩壊による人間の圧死への免責とは、
地震における予測不能な波動エネルギーに対してではなく、
基礎を必要とする建築物の前提条件における
資本主義的な保険制度の<有限責任>の変形にほかならない。

貿易差額主義によって外洋航路を航行し、
アジア地域との貿易独占権を与えられた東インド会社に
雇用された船員たちが航海中に死亡した場合の保証範囲と
何も変わっていない。

方法の実験

社会学、心理学、そして文化人類学や建築、数学においても
単純な構造という言葉の背後に隠れているものを
一つ残らず解放しなくてはならない。
それらが、同じ構造を意味していないなら。

少なくとも建築における構造は、
テンセグリティが発見されるまで科学的に定義されていなかった。

定義から学ぶべきではなく、
実験から開始すべきでもなく、
実験の条件を再現して、
それらを破壊する方法の実験から開始すべきなのである。

新たな生産要素を導入したりする企業家の経済発展論(イノベーション)から
このベクトルは根絶やしにされている。

続)非物質化への無限性

大円上に形成されるすべての弦は、球面上の2点間の最短距離の
さらなる最短距離となる。

大円軌道上にある弦のみによって形成される総三角形化は、
ジオデシックドームの直径の飛躍的増大だけではなく、
構造材としてのストラットとジョイントの重さにおいて、
単位体積あたりのそれら部材の重量を加速度的に軽減しながら
ジオデシックドーム全体の剛性と強度を増大させることが
バックミンスター・フラーの実証実験によってはじめて発見されたのである。
それはジオデシック数学には含まれない原理であった。

つまり、より大きくドームを建造すればするほど、
ジオデシック構造体を構成するストラットとジョイント類は、
より細く、薄く、短く、そしてより軽くできる技術となったのである。
自動車の重量に対する馬力、そして燃費の諸元表と同様に、
ジオデシックドームには重量に対する体積と表面積、
そして各部材の重量とコストの諸元表はつねに表示されるべきである。

工業製品の軽量化・薄型化・小型化によって、
グランチがより富めていった方法とその独占の歴史を認識するよりは
自然には、見せかけの軽薄短小のプロセスから逸脱し、
ついに非物質化への無限性に至る原理の存在を認識するほうがより重要である。

シナジェティクスとそのモデル言語を学ぶことによって、
工業製品以外の生存に不可欠なインフラや住居にも
非物質化への無限性に至る原理を発見し、
その原理をもっとも少ない物質に変換する方法に開眼できるだろう。

非物質化への無限性

シナジェティクスは、シナジーを体系化したと思われている。

シナジェティクスという
数学的・科学的的経験の意味と構造を理解するために、
古代ギリシアの数学者、天文学者による地球を外から見る球面天文学と
黄金比と共に無理数、そして球の半径から表面積と体積を求める法則を発見し
その思考のプロセスをモデリングしたピタゴラス、
1596年に『宇宙の神秘』を出版し、プラトン立体と球面天文学との
関連から宇宙の階層構造へ至るメタフィジックスに気づいたヨハネス・ケプラー以外に
その系譜らしきものは見つからない。

ケプラーがピタゴラスに似ていないように、
バックミンスター・フラーは他の誰にも似ていないが、
20世紀においてアインシュタインが物理学でしばしば使用した
球面上の2点間の最短距離の概念こそは、
ジオデシック数学以上のシナジーの系譜かもしれない。

形態と素材を超えて

デザインサイエンスの役割は、
可視的な形態に、形態からは推測できない見えない機能を付加すると共に、
形態に抗した重さのない機能による<非物質化>の段階を示唆することにある。

シナジェティクスは、原理というメタフィジックスへの誘導によって
形態と素材を相互に打ち消す力を持っている。

形態と素材は、つねに掛け替えられる。
——–核子の交換によって、異なった原子核が生成し、または消滅するように

掛け替えのない唯一無二の自然は、
情緒的で可視的な一時的なエコロジーである。

シナジェティクスとデザインサイエンスの相補的な統合によって
コスモグラフィーは漸進的に変容していく。

点、線、面という3つの視覚言語から

剛性と強度を備えた剛構造や
固有周期を長くして構造全体の剛性を低くする柔軟構造という概念から遊離した
弾力性、表面張力(膜力)、張力などの概念によって
これまでに見えなかった新しい構造とパターンがやって来る。

シナジェティクスにおいて、
面は、テンセグリティのように構造の構成要素ではなかった。

点、線、面という3つの古代ギリシアから引き継がれた視覚言語が、
ジョイント(joint)、ストラット(strut)、窓(window)に
それぞれ翻訳された後に物質変換されるだけではなく、
3つが互いに融合した構造とパターンにおけるもう一つのモデル言語に誘導され、
シナジーに支えられた新たな物質観に置換される可能性がある。

その操作によって、張力はストラットの表裏面にも絶えず張り巡らされるという
物理的な優位性と経済性を証明できる。

そして、テンセグリティの定義も変わる。
圧縮力と張力の働きを、テンセグリティのように
鏡像的で相補的な構造部材としての<圧縮材と張力材の対比的(=twoness)関係>に
もはや還元できないのである。

構造のシナジーは、つねに未知(unknown)からやってくる。

塩素社会

「現在の下水システムに関するすべての基本的なデザインは、
紀元前2,500年頃にインドで発明される。
それ以来、本質的に改良したものはいない。」(RBF)
という概念が都市を支配し形成している。

現代の衛生の概念が、塩素に依存する社会構造を形成し、
都市と農村から微生物を排除しているのである。
日本の塩素の生産量は2兆円であり、
ソーダ工業(つまり、グランチ)の生存にとって
塩と電気(つまり、原子力エネルギー)は必須の原料なのである。
(ソーダ工業の塩の消費は、全消費量780万トンの内、全体の74%、
飲食の生活用として消費された量は全体のわずか2%)

しかし、現代の発酵微生物工学は、ブタなどの家畜の屎尿処理から
無菌の純粋な飲料水が生産できるので、
すでに上下水道を統合できるまでの実用性に達している。
(実際に試飲した私の経験に基づいている。)

塩素社会は、海を構成する基本物質を搾取しながら
微生物と人類の惑星地球上でのモバイル性を阻んでいるのである。
さらに、塩素で固定されたインフラによって人類は課金され続けている。

エコロジーとは、全生命にかかわる構造とパターンに関する動的な科学である。

続4)デザインサイエンスの課題

つねに自然は一つでありながら
メタフィジックスとフィジックスの異なる階層に対して
シナジー現象を引き出す課題に、
絶えず挑戦するデザインサイエンティストが、
固有の経験を秩序づけ、自ら変容していく過程でそれらを解決できる場合は、
惑星地球での他者のより有利な生存条件とその方法を拡大する目的で、
群れから遊離し、孤立して、
なおも<思考を声にする>単独者に限られる。

それは、非人格的なコスミックな遠隔操作なのだ。

続3)デザインサイエンスの課題

バックミンスター・フラーの最晩年のプロダクトの一つである
モノコック的デザインに徹底化した<フライズ・アイ>は、
彼の住居に対する最終課題への方法であったが、その現実的な生産手段(カーボン材を使用するための金型費とその素材費)は、21世紀に於いてもまだ高価すぎるのである。

<フライズ・アイ>の金型成型を、 3Dプリンターでヘッジするまで
<フライズ・アイ>の量産化への投資家は、存在しないだろう。

最晩年のバックミンスター・フラーが開発した
初期のアウトドア用のテンセグリティシステムによる
テントタイプ(=NorthFace Tent)以外に、そしてそれ以上に
耐久性に富んだ、全天候性のモバイルを基本とした
経済的なモバイル居住用テンセグリティシェルターは
まだ開発されていない。

不動産ではない移動可能な住居が
クリティカル・パスの最終課題として受け止められたならば、
<フライズ・アイ>のモノコック的方法か、
<テンセグリティ>の超軽量化かが選択されるだろう。

この選択肢は、彼が<複数の卵を一つの巣>に生まなかった
予測的デザインサイエンスがもたらした優れた結果である。

無管、無柱、無線、無軌道によるもっとも現実的な生存方法は、
都市のインフラを完全に排除することによって、
より経済的に長期的に<自律的な自由>を拡張できる方法として理解できる。

最終的なデザインサイエンスの課題は、
テクノロジーの推移に鋭敏な投資家たちの不在ではなく、
彼らを不要とする科学的、数学的な生産方法の発見とその開発にある。

978-01

<フライズ・アイ> 直径15m 高さ12メートル,総重量は3000kg

続2)デザインサイエンスの課題

純粋な構造システムの実験は
バックミンスター・フラーの時代に、
十分にそして、ほぼ完璧に追求されている。
しかし、彼は<複数の卵を一つの巣>に生まなかった。

実際、その実験は300例を超えていたのを、
私は、フラーの全クロノファイルのアーカイブを
2ヶ月間かけて閲覧して確認した。

フラーの絶えず変容する構造実験によって、
編集されて生成されるタグ(=複数の巣の互いに異なった名前)と
それらを包含するアーカイブが
フラーの死と共に閉じてしまったがゆえに、
クロノファイルに眠る、それらのまだ接続できていない情報群に
新たな秩序を与えられるデザインサイエンティストは、
現在のフラー研究所には不在である。

研究し、開発し、プロトタイプを生成しない
アーカイブ内部に精通した情報探査方法から、
どんな卵という動的な<フィジックス>も生まれない。

40年の懐胎期間

飛行場に着陸した飛行機の機体は、巨大地震に対しても安全であるが
飛行時は、さらに安全である。

住居の安全に対する構造に関する観念や概念は、
建築学が扱う形態の中だけで作られてきたものだと考えざるをえない。
静止した物体を前提にした設計方法と法律は、もはや時代遅れである。

複葉機からジェット機までの僅か40年の懐胎期間で
航空力学は、宇宙に着手したのである。

システムの優位性

都市での労働や健康という概念、コストと耐久性との対比、国家が定義する耐震性、
そして食料とエネルギーを貨幣で買う経済システムの優位性の否定から
始めなければならない。

銀河系での惑星地球システムの希有な優位性と
バイオシェルター内部での
植物の光合成によるエネルギー経済が忘れられているなら
モバイルテンセグリティの現実的な居住空間は存続しない。

声に出して考える<Think Out Loud>時、

シナジェティクスが、デザインサイエンスから生まれる時、
デザインサイエンスが、シナジェティクスから生まれる相補的な領域が存在する。

しかし、原理の発見なきシナジェティクスは、
構造の発見なきデザインサイエンスと互いに結合されやすい分断領域を形成する。
(新たな分断と分割の無限性は学際的と呼ばれてきた)

バックミンスター・フラーなき時代に、
先進的なテクノロジーが加速度的に誕生したが
シナジェティクスなきデザインサイエンス、
デザインサイエンスなきシナジェティクスが
加速度的に継承されるのは何故か。

自己のテクノロジーによるデザインサイエンス戦略の開示と
シナジェティクス思考による自己放棄との間には、分断以上の明らかな絶縁が存在する。

記号のテクノロジーや科学的テクノロジーを変えても、
自己のテクノロジーなき動機(=know why)はそのままだ。

異なる二つの作用の絶縁を、埋め合わせるのは
<思考を声にする=Thinking Out Loud>行為である。
このプリミティブな現実的な波動こそは、
その絶縁状態にメタフィジカルな相互作用と統合作用をもたらす。

臍を噛むのか、それとも臍を組むのか

爬虫類、鳥類を含む胚膜類には、
母体から栄養素や酸素、水分の供給を受けていた管の痕跡として
すべて臍(へそ)がある。

植物の種子においても、
水は種子の表面全体から吸われるのではなく,胚の付近の胎座についていた器官(へそ=hilum)から入っていく。

生命を次世代に接続するための惑星地球での包括的なデザインがある。

木材・石材などを相互に接合する場合、
一方の材にあけた穴にはめこむために他方の材の一端につくる
非生命的な突起物も、臍(ほぞ)と呼ばれる。
つまり、へそとほぞは、古代アジアから、同じ<臍>で表されてきた。

モバイル・テンセグリティシェルター(=Off grid floating shelter)にも
臍(ほぞ)が頻繁に使用される。
もっとも経済的な宇宙的な相互結合方法に違いないからだ。

あまりにも不変的な

バックミンスター・フラーから開始された
モバイル・テンセグリティシェルターの開発の根拠とその歴史は、
金や土地を所有することで
周期的な経済破綻から逃れる方法が、
絶えず稀少性という基本的条件を維持し拡大する権力構造の方法であり、
それ自体はエントロピックで
それゆえに、非再生的な有限な金や土地によって
経済を可能とし必要とすればするほど、
人間の生命と人生を危険に陥れるあまりにも不変的な方法として
大多数に受容され続ける歴史と反対称的に重なるのである。

ほとんどの建築家は、彼の先進性を模倣するが
かれの反対称性を理解しない。

表裏のトポロジー

グーグルや他のSNSなどは、
いまや、個人を監視し、管理し、さらに
自主的に、やがて無意識的にも自己を訓練し、
さらに自ら矯正していくシステムから
個人が意識的に、群れから完全に逃亡し、
新しい群れに出会うための
独自なテクノロジーを発達させない社会には不可欠である。

これは核兵器のような大量殺戮兵器開発よりも
安全で確実な安価な方法である。
大多数の個人と共有できる無料アプリだったから。

この無料アプリは、著作権法で22世紀まで保護されている。

監視と逃亡、学習と矯正、管理と共同、陳腐化とバージョンアップは
いまや、表裏のトポロジーで一体化している。

空気メーター

グランチは、石油資本による電力ネットワークを構築する前に空気の独占方法を模索していた。

マルセル・デュッシャンが、<パリの空気50cc>(1919)を制作する前の、彼の作品メモはその歴史を批判する。
<自分が呼吸する空気にお金を支払わねばならない社会を作りだせ>
[空気メーター、禁固刑または空気の希少化を行なうこと、料金未納の場合は必要に応
じてただ窒息(空気のカット)させよ](1915)
1950-134-78

どんな課金メーターもないテンセグリティ・シェルターは、
無柱、無管、無線、無軌道の大気圏内で振動するニューマチック(空気構造物)である。

動力学的住居

17世紀にミケランジェロに加えてレオナルド・ダ・ビンチが設計に参加した 
バチカン市国の世界最大級のサン・ピエトロ大聖堂によって
無柱の球状空間(直径49m)が、絶えず威信を持つようになり、
その後の宗教的建築のモデルとなった。

世界最大級のための初期の構想案は、完全な半球ドームであったが、
最終的に静止力学的な解法と実験から尖頭型ドームが採用された。

システムの各要素の相対的な位置が時間的に変化しない状態で作用する
力やトルクについて研究する静止力学的は、
大地の静止状態を前提とした構造物のみを対象にしてきた。

その歴史的保守性を超えたのは、1949年のバックミンスター・フラーによる
オクテットトラスを構造モジュールとした
動力学的なジオデシックドーム構造(直径51m)である。
真のジオデシックドーム構造は、大地に根ざした基礎部を必要としない。

それによって、形態学や超専門化した施工技術を基盤とした建築学ではなく、
数学を基盤とする超軽量な構造学がはじめて明らかにされた。
同時に、世界最大級の宗教が独占してきた無柱空間は、
ジオデシックドーム構造による単位あたりの物質・エネルギー・時間コストで
圧倒的に陳腐化したのである。

大地の動的状態と共存可能な人間の住居のモデルは、
巨大宗教を支えた静止力学的な建築学を基盤とするのではなく、
数学を基盤とする経済的なモバイル用超軽量テクノロジーに移行したのである。

この超軽量テクノロジーは、
惑星地球上のあらゆる局所的気象条件下でテスト済みである。

生命維持装置

カボチャ中でも伯爵の表皮は、特に白い。

その伯爵にはデンプンを糖に変える酵素があって、
低温でゆっくり加熱することによって甘味がはじめて増すというのは正しくない。
その伯爵を高圧の圧力鍋で約8分間、短時間で加熱して蒸した後でさえ甘い。

しかし、そのフィルム状の表皮は、急激に加圧して急激に減圧した時にのみ、
カボチャの分厚い硬い外皮から分離し始める。

その半透明の薄皮フィルムの厚みは、僅か100ミクロンである。
この表皮の厚みは、鶏のゆで卵を剥くときに剥がす卵殻膜の厚みと同じである。

また、トビウオの羽根のフィルム状の薄膜の厚みも100ミクロンである。
人間の表皮細胞の表面の外皮部分の厚さは、さらに薄く10~20ミクロン程度であり、
細胞死を迎えた後やがて剥離するようにプログラムされている。

大気圏内における動植物の外皮の機能は、内部と外部の境界膜の機能には留まらない。
生命維持装置を備えた気密服としての宇宙服以上である。

私のデザインしたモバイル・テンセグリティシェルターの外皮フィルムの厚みも100ミクロンであったが、
都市の住居の生命維持装置の外皮は、まだ30㎝程度である。

素材の厚みで断熱する物理的方法は、時代遅れである。
テンセグリティシェルターの外皮フィルムの耐候性は20年以上である。

機能を伴う物質化(doing more with less)

着想からはじめる人は、
ブレーンストーミング(Brainstorming)が好きだ。
それは、半世紀前に開発された集団思考性に依存した幻想だ。

イノベーションは、
概念発明家の仕事ではない。
イノベーションが引き出す全要素生産性は、編集技術に属する。
全要素は予め与えられているからだ。

科学は<着想>から始まるのでなく、<発見>から始まる。
その<発見>は、<概念の発見>とは同時ではない。

さらに、機能を伴う物質化(doing more with less)を伴う産業化は、
最後にやって来る。

宇宙エコロジー

個人は、生活費を稼ぎ出さなければ、ホームレス化するように教育され、
国家は、新しい資源とエネルギーを見出さなければ、
消滅する恐怖感から、戦争するように運命づけられている。

エネルギー・食料・シェルターのすべては
個人で獲得可能なノウハウの段階にある。

国家が破綻する前に、われわれは自律的に実践すべき段階にいる。

エネルギー・食料・シェルターの包括的実践ノウハウは
選択可能な宇宙エコロジーの一形態である。

流体地理学

宇宙論的な視野が誘導する地球を外部から見る行為が
1940年代のダイマクションマップの開発の根拠となる<流体地理学>
(=一つの海に浮かぶ島々という流体の連続性)を形成した。

この宇宙論的な視野が、その後のグローバリズムの理念にとって替わったのは
超国家的権力構造によって、遠隔から支配する軍隊と基地、そして
高性能な小型武器の開発が最優先されたからに他ならない。

自然と出会うためのテクノロジーが
人間の居住可能な場を生み出すはずだが
極地における居住可能な場のほとんどは、軍事テクノロジーによって形成されてきた。

同時に、バックミンスター・フラーによって創始された<流体地理学>は、
流動する大地を前提にしたモバイルテンセグリティという
最小限の移動可能な極地用の構造デザインと融合したのである。


『宇宙エコロジー』(バックミンスター・フラー著、梶川泰司訳 2004)
第7章 <流体地理学の誕生>自己エコロジーのための全方位カメラ(ジオスコープ)参照

アンチ・プロダクトデザイン

デザインサイエンスから学んだことは
経験の目録全体が同じでも、
経験を系統立てて述べる方法は絶えず少しずつ変化し、
思考過程に他者が参加すれば、常に自発的な思考が継続できることにある。

デザインサイエンスとプロダクトデザインとの違いは
すべての方法は目的意識(=know why)が先行することにある。
デザインサイエンスに、プロダクトデザインコースは存在しない。

自分が関与したい領域のすべての知識と手法(=know how)を学んでから
目的を達成するデザインを形成することが
もっとも効果的だと思考する疑似<システム>は
シナジェティクスにも存在しない。

シナジェティクスは幾何学ではない

幾何学を学んで、
動力学的なシナジェティクスモデルの運動の分析は
困難である。

シナジェティクスは幾何学を基盤とするのではなく、
生命科学や核物理学を基盤とする包括的科学である。

例えば、テンセグリティは、原子核構造から生まれ
原子核構造モデルそのものである。
さらに、テンセグリティ理論がなければ、
細胞の働きも細胞の構造も理解できなかった。

コスモグラフィー(=シナジェティクス原論)再考

シナジェティクスに対してある距離を置いて
デザインサイエンス・プロダクトでフラーの概念を複製するような関係を求めている人々、
つまり、バックミンスター・フラーに距離を置いて複製するだけの人々に、
発見されるシナジェティクス言語のモデル化の収穫の経験がないまま
シナジェティクスを直接的に探究する代わりに、それについて語るばかりか、
デザインサイエンスについて批評する人々に、
コスモグラフィー(=宇宙形態論)は期待できない。

コスモグラフィーなきシェルターに、物理的な有用性も概念の永続性もない。

満月の夜のシナジェティクス焚火

月が接近すると引力はより増大する。
そのことで、大気圏内のエコロジーが変わる。
満月の夜は、焚火がいい。

炉と煙突のない焚火は、閉鎖空間ではないと思われている。
だから、焚火から煙を減少させるためには
多くの酸素(または風)が必要だ。
同時に、多くの酸素によって急速に薪は消費される。

薪がより少なく、煙のより少ない焚火、つまり
ロケットストーブのように
吸気を引き込み、未燃焼ガスを二次燃焼させるという方法が
焚火にも応用できる。

つまり、流体が流れる経路に穴をあけると
そこから吸気を形成するというベルヌーイの原理は
焚火を無数の煙突がある一つの閉鎖空間に見立てることが出来る。

焚火に、明確な内部と外部が形成された時、
少ない薪でより長く、煙を減少させる焚火の方法が
より長い燃焼経路にあることが分かったのである。

より長い燃焼経路は、シナジェティクスの最密パッキングとその隙間の概念からやってくる。

この動力学的なシナジェティクス焚火も満月も
ともに互いに張力(=吸気)に変換された効果なのだ。
(この方法には発見と発明が共存する。)

濡れた薪や腐食しかけた倒木ですら燃える
シナジェティクス焚火は、緊急時の基本的な生存技術の一つである。
(ムービーなどで、共有すべきデザインサイエンスの基本技術でもある)

気楽なメタフィジックス

幾何学愛好者が
シナジェティクスを批判するほど
シナジェティクスによる存在論が試行されないのは
完全に不調和で分裂している国家が実現されているからだ。

互いに異なる利害を生むための
異なるアイデアをめざすだけの個性によって、
互いに理解しない人間同士をバラバラに束ねるテクノロジーを開発しながら
税収奪から逃れる企業と税収奪に飢えた国家との間で、
幾何学愛好者たちは気楽なメタフィジックスを奏でている。

気楽なメタフィジックスから
エネルギーも食料も、そしてシェルターも生産されない。

有用性(ユーティリティ)

物質的な試行錯誤によって、想像力ははじめて加速する。
自由な思考力だけでは、原理は遠ざかるばかりだ。

ユーティリティ(有用性)と神秘を接近させない人々が
シナジェティクスを
ユーティリティの変容と技術的な透明性とを相互に絶縁させている。

シナジェティクスほど、
ユーティリティに接近できるメタフィジックスはないのだ。