月別アーカイブ: 2007年6月

存在意義

「試験ために勉強することが要求されなければ、
たいていのこどもは、より効果的に学習することを望む。」

このことを疑っているのは、学校と教師である。
こどもの自発性が目覚めれば、
自分たちの存在意義がなくなるからである。

「生存のために生活費を稼ぐことが要求されなければ、
たいていの人はより生産的に働くことを望む。」

このことを疑っているのは、企業と国家である。
人々の自発性が目覚めれば、
自分たちの存在意義がなくなるからである。

多くの腐敗は、これらの存在意義の社会的保障から生まれている。 Y.K

天敵

クジラは天敵がないから長生きできるという。しかも大型ほど長寿である。
・シロナガスクジラ 120歳
・ナガスクジラ 100歳
・ホッキョククジラ 100歳
・ツチクジラ 83歳

同じ哺乳類である日本人は、小さくても長寿である。
ゆえに鯨のように、天敵がもっとも少ない民族である。
いったい何を食べているのだろうか。
否、鯨を食べていた人だけが長寿だったにすぎない。     Y.K

本当のコスト

砂漠を覆っていた大気は、雲を生成する森を瞬時に覆うことができる。
しかし、大気が森を生成したのではない。
植物が大気を生成したのだから。

植物のこの気象機能は、植物をいくら観察しても分からなかった。 
そして、森や砂漠だけを見ても分からなかった。 

森を砂漠にするテクノロジーのコスト計算から、
砂漠を森にするテクノロジーのコスト計算は分からなかったが、
自然が気象に支払うエネルギーコストを
われわれの経済では支払うことができない。
そしてそれが本当のコストである。

本当のコストは、太陽系のエネルギー銀行が収支決算している。
惑星地球は、毎年太陽からの莫大な贈与のみで運営されている。
贈与で生きていながら、金利を考案し返済させ、
人類以外の生命と非生命が協働して地下エネルギー銀行に預金した富を、
他の生命と非生命の許しなく奪う生命は、
いまのところ人類だけである。       Y.K

   

湿度変化のパターン

昨晩は、寝る前の湿度計は80%を越えていた。
しかし、早朝から晴れたお陰で、梅雨時期には
珍しく快晴になった。
中央中国山脈の森の中でさえ
梅雨前線が突然消えたと思うほど初夏めいて、
5月を凌ぐ最良の晴天日を思わせた。
ところが、お昼までに、湿度30%まで一気に乾燥してしてしまった。
この間、わずか3時間程度である。
前日の雨で、森の新緑にはかなりの水分があったが、
大気は、短時間に表面の水分をほとんど奪い去った。
その結果、乾燥の度合いは、
秋の乾燥時期を越える記録となった。

拡大している中国大陸の砂漠化の現実が
迫るほどの乾燥の加速度であった。
この加速度は、単に高気圧だけに原因があるのではない。
日本列島の南に迫る梅雨前線という低気圧が、
移動した水分をさらに吸引したのであろう。
雲の移動は、天気予報の衛星のアニメーションでわかるが、
<湿度>変化までは見えない。

地球温暖化による温度変化は、
緩慢に表れるので統計からしか判断できないが、
<湿度>の著しい変化のパターンは、直接感じることができる。

65億人の人体の約60〜70%は、地球表面に分布した水分なので、
森以上に奪われる存在である。
私の水分のように、せいぜい森と共に移動するしかない。  Y.K

永遠

人々が、エコロジーと言わない日はなくなった。
しかし、永遠を受け入れているわけでもない。

永遠を、予言者の神秘か、
人間の姿をした宗教で代用しているかぎり、
あるいは、死の絶対性を永遠よりも信じているかぎり、
それは、とても不幸なことにちがいない。        Y.K

知的段階

魚には、海に遊泳料を支払う義務はない。
鳥には、空に浮遊料を支払う義務はない。
草には、雲に降雨量を支払う義務はない。
熊には、山に滞在料を支払う義務はない。
そして、
人間は、太陽にエネルギー料を支払う義務はない。

飛行機を購入する人は、空域を購入しない。
船を購入する人は、海域を購入しない。
しかし、
家を購入する人は、大地を購入する。

そして、
人類の大多数は、家賃(または住宅ローンと金利)と
エネルギー料を払わされている。
さもなければ、路上かネットカフェに住んでいる。

テクノロジーと自然エネルギーは、
草や、魚や、鳥や、熊のように、
人類には未だ自由化されていない。
資本主義であろうと共産主義であろうと、

地球温暖化は、バイオエタノールによる近視眼的な気休めに
熱中させるために、
石油資本が考案した強迫観念にすり替えられた。

これが、われわれの350万年かけた知的段階、つまり
テクノロジーのあり方である。

われわれの危機の優先順序とその解決法はもっと基本的だ。  Y.K

実験

地球はとても薄い美しい皮膚を持っている。

そこには地球上で一番苦しんでいる動物が住んでいる。
もうじき酸素を奪い合うだろう。
他はすべて奪ったから。

それでも美しく見えるだろう。
この実験はきっと成功する。       Y.K

  

クロノファイル

重要なことはどこでもメモにする。
しかし、もっとも重要なことは
覚えていられる、という錯覚に捕らわれる。
こうして、二度と想いだされないで、
アイデアは消えていく。
そして、重要でないから想い出されないのだと
言い聞かせる習慣を身に付ける。

どんなアイデアでも記録する習慣は
10歳の知的爆発時期に自発的に習得できる。

ところが学校ではノート形式になる。
これでは、アイデアを記録できても
関連する項目を統合することはできない。
ページが綴じられたノートは、アイデア間の関係を
破壊しているのである。

私は B6カードを16歳の時から使用している。
当時の教師は、この形式を認めなかったが、
インターネットのハイパーリンクのお陰で、
この知的作業の形式を認識できない教師はいなくなった。

知識の重要性はその量ではなく、相互関係の増大する無限性にある。
そして時折、相互関係は増えるのに、情報量が激減する状態に遭遇する。
原理の発見は、情報量を激減させる。
そして原理は、今のところ無限に存在する。 
このパラドックスに遭遇する幸運を小説家は描けないだろう。

原理の捕獲には、クロノファイルがもっとも有効である。     Y.K

現金化

支払ったお金は消えることもあるが、
使いたいお金も突然現れる。
消えた年金の総額が不明な会計学は
もちろん、詐欺師の古典的な経済学だ。

アメリカ国債も現金化できないのは、
もっとすぐれた詐欺師の会計学があるからだ。

現金化の語源は、realizeである。
つまり、われわれの<了解>の問題である。
会計学を支える前提そのものである。

権力はあらゆる前提を腐敗させるシステムである。 Y.K

水素戦争

富は光エネルギーよりもはるかに強く、
権力は、重力よりもはるかに強いように見える。
けれど権力はその力を借りなければならない。
すべての権力と富は宇宙から搾取するノウハウから成立している。

燃料電池の開発で、膨大な富が失われる人々がいる。
彼らはバイオエタノールの開発に熱中しているふりをしている。
バイオエタノール専用のエンジンを最初に開発したのは
ナチズムである。彼らは戦争を推進するためにエコロジーを選択した。

しかし、その設計図とプロトタイプを没収し、完全に隠蔽したのは連合軍である。
第2次世界大戦は地下資源をめぐるエネルギー戦争であり、
第4次世界大戦は、バイオマスや水素という地上の資源をめぐるエネルギー戦争である。

水素は、宇宙で最も豊富にある、
地球温暖化とは無縁なユビキタス元素である。
それゆえに、水素戦争は最終戦争である。               Y.K