思考の請負

アメリカ先住民の〈神〉(Great Spirit)は、
擬人化した神ではない。
狩猟と耕作の権利は与えても土地の所有権は
決して与えないということは自明であった。
この先住民はかつての海の民だった。

常に変化する大洋において、
特定の海域を〈所有〉することが
現実的だと考える船乗りはいない。
先住民にとっては土地を所有できるのは
グレートスピリットだけだった。

アメリカ先住民は、自分たちがヨーロッパ人に
売ろうとしているのは釣りと狩りの許可証だけであり、
土地の所有権ではないと考えていた。
「船は海域とともに販売できない」事実を知りながら、
「家は土地とともに販売される」理解できない法律に適応するために、
しぶしぶその所有を試みたが、
多くの海賊の末裔たちは全盛時代の自惚れによって
すでに手遅れだった。

この海と陸の対立の基準は
今では「捏造された妄想」に変容したが、
法律に適応した人間から、
グレートスピリットは完全に消えてしまった。

他者の思考を請け負って意見を異にする人間を一掃する
モラル・マジョリティーは
環境の悪化とともに増加している。 Y.K

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