自然のエンジニアリング

テンセグリティは張力統合体である。
だから張力材をゴムひもで代用できると考えやすい。
しかし、ステンレスワイヤーでさえ釣り糸程度かそれ以上に伸びてしまう。  
幾何学モデルとして、テンセグリティモデルの弾性的性質は自由に決めて良いが、
この張力体をゴム材で構成することは、
自動車のタイヤをヤング率の異なった金属や木で
自由にデザインするようなものだ。
つまり、テンセグリティから自然の構造を学ぶなら、
自由な選択には、最適なエンジニアリングの決定的な欠如が
含まれていることに気づくだろう。
フラーレンもナノチューブ(のヤング率)も、
高抗張力の炭素繊維などのテンション材で構成された
テンセグリティ以外ではモデル化できないだろう。
自然が構造の作りやすさのために、原子間の凝集力を犠牲にすることはあり得ない。
最良のエンジニアリングはつねに発見されてきた。