月別アーカイブ: 2009年5月

情報戦争

新型インフルエンザは、
検疫による封じ込め、ワクチン、タミフルでは退治できない。
いまのところ、新型インフルエンザ以上の
情報の専門家はいない。

最良のクリティカル・パス

ジオデシック・ラインは最短距離であるが、
クリティカル・パスは最長経路である。
どんなことがあっても最悪の状態を回避する方法は、最長となる。
クリティカル・パスの管理者にはもっとも恐れられていることであるが、
最長経路を最短にするためには、
発明や発見によって、予め用意されたクリティカル・パス自体を
陳腐化または破壊しなければならない。
最短時間で最小のエネルギー・コスト・物質で解決する発明や発見は、
つねに最良のクリティカル・パス法である。
クリティカル・パスでない工程をいくら短縮しても、
プロジェクト全体を短縮できないが、
クリティカル・パス自体の工程を短縮すれば、
プロジェクト全体を短縮できる。
つまり、もっとも経験と想像力、そして独創性を
必要とする包括的思考自体は
クリティカル・パス法ほど論理的には形成できない。

テンセグリティ

何事に対しても足元を固めるように行動する習慣は、
張力さえあれば、
地球も浮かせる歴史よりも、
足場さえあれば、
地球も動かせる歴史が長かったからだ。
しかし、テンセグリティも梃子の原理を利用している。
圧縮材とは、最小限の足場である。
ただし、不連続であることが大地と異なっている。

動くテンセグリティ

ナマコは肺を持たない。
そして心臓も血管系もない。
目・耳・鼻などの感覚器官はなにもない。
海底に堆積した有機物を食べて水質を浄化する
もっとも無駄のない存在形態である。
5本の放射神経の支配によって、
なまこの構造の強度と形態を変える結合組織は、
微小骨格が圧縮材となった<細胞外運動>を生成する
動く円筒テンセグリティである。

なまこ

ハワイでも、グアムのビーチでも
なまこは、海水を浄化するために養殖されている。
ある日、突然なまこが好きになった神秘的な理由について。
ナマコは手で触るだけで硬くなる。
次に強く手で揉んでいくとそのうち、腸が口から飛び出して、
ついに固い皮もすべてドロドロに溶けてしまう。
しかも、この液状化したなまこを放置すると
元のなまこに回復する。
さらに驚くことに、異なった2つの個体を液状化して、
一つの容器でよくかき混ぜて、
次に2つの容器に移して2等分しても、
各容器で独立した小さななまことして回復する。
(これはNHKの生物講座で偶然みた沖縄の科学者の実験方法だった。
形態形成場に関するこれ以上の操作主義的で明晰な実験があるだろうか。)
 
次に、新しく再組織されたこのなまこを、
3分割すると3個のなまこになるとしたら、
寿司屋の水槽の底で、静かに暮らしている棘皮動物を
これまでのように生食できなくなるかもしれない。
なまこにとって、なまこという外観は、部分の拡大された影である。
どの部分からも推測できない全体システムのふるまいは、
シナジーであるが、
全体から推測できない部分システムのふるまいは、
シナジーの鏡像ではない。
それは、反対称的シナジーである。
生命のシナジーは至る所で階層化されている。

容器

容器は、それが空っぽのときに一番変形しやすい。
容器は、それが満タンのときに一番割れやすい。
教育では、頭は閉じた容器のように考えられている。
蓋のない保存用なのだ。

自己教育

私はラジオの英語会話と『シナジェティクス』で英語を学んだ。
しかし、シナジェティクスを理解したのは、
『シナジェティクス』に接したからではなく、
シナジェティクス・モデルと接したからである。
シナジェティクスに試験や徒弟制度は存在しない。
いまのところ、原理の発見にキャンパスは不要だ。
きっと、宇宙の諸原理は、
世界の大学数よりも多いからだ。

自由

自分の好きなように生きるためには、
自由を用いる方法が必要である。
その方法は、自由を失う経験から生まれる。
だから、自由を失うまえに
すでに自由は恐れられている。

パラドックス

テンセグリティが存在するおかげで、
どれだけ多くの人が
自然の構造に直接触れられることであらうか。
しかし、
テンセグリティは電子顕微鏡や走査電子顕微鏡では、
ついに見えなかったのである。