思考力

才能ある若者が
記憶力に優れた知識人への願望に支配され過ぎると
よい思索者になれない。
その記憶のほとんどは
たいてい読書や音楽(そのすべてはもうじきインターネットにある)に
費やされるか、
あるいは、
その優れた、しかし、平均的すぎる条件反射的な読解力によって
自分自身の主観的な記憶や曖昧な出来事を
忘れることに費やされているからだ。
主観的な記憶や曖昧な出来事のカテゴリーは
記憶力ではなく、
行動によってはじめて客観的に分類できる。
単に記憶力に優れた知識人が、
すでに、僅かな電気エネルギーで不眠不休で働く
サーバー(記憶奴隷)によってほぼ陳腐化している時代こそ
行動の時代だ。