月別アーカイブ: 2010年11月

財産

他人の志を笑う群れに入れば、
希望より財産のほうがマシだ
という未来を望むだろう。
詩のない歌に夢中になっても、
できることを望まなければ、
望むことは叶えられない。
こうして、
できないことは
みんな未来という財産になった。

野生

檻に入れられた動物は
次第に強い異臭がする。
野生の動物にはない生理現象だ。
人間がもし
長期的に野宿すれば、
かなり異臭がするだろう。
野生とは、
シェルターもなく
風呂に入らなくとも健康を維持できる
テクノロジーのことかもしれない。
人間はそれらの機能をすべて
外部化してしまった。
なぜ外部化してしまったのか。
それはバイオスフィアでは
あまり重要ではなかったからにちがいない。
その見返りに人間には発明の才を授けられた。
発明の才は、第2の野生かもしれない。
だから学校では群れとしてのカリキュラムは申し分ないが
野生は教えられないのだ。

クリティカル・パス

賢明な思考は
失敗しないもっとも慎重な行動を避ける。
失敗を計画に繰り込んだ実践理論が
クリティカル・パスである。
クリティカル・パスは
唯一の机上の革命理論である。
バックミンスター・フラーは
人間はつねに間違うという
失敗の神秘の理論化に
半世紀間を要した。
その起源と定義は
『クリティカル・パス』
(バックミンスター・フラー著 白揚社)の第6章にある。

溜め息

早く大人になりたいと思う
無垢なこどもの溜め息を理解できたなら、
完全な理解の可能性を絶たれた大人が
絶えず増えていることに気づくだろう。

縮退

みんなサンマと半分の大根を買って
こじんまり暮らすようにしている。
尺取虫が縮む時は
進行方法に対して直角である。

長老

誰も価値判断してくれる者がいなくても
自分のアイデアは自分の言葉で判断しなくてはならない。
そのためにはまず誰も価値判断できないほどの発明が必要だ。
そのときはじめて他人のアイデアの価値判断ができるだろう。
ところが発明の報酬である特許権の独占のために
人々は自分と他人とのアイデアの境界を設けてしまう。
発明とその価値判断には
自分と他人とのアイデアの境界を設けない訓練以上に
アイデアに対する尊敬が必要だ。
尊敬は学習からだけでは生まれない。
高度に単純なアイデアほど宇宙の原理に関与しているからだ。
学習不可能なものがあることを知るためのカリキュラムは
いまの学校には存在しない。
すべての先進工業国から長老はいなくなった。
これがグランチの教育カリキュラムだからである。
地下資源を採掘するテクノロジーよりも採掘権の所有のように、
グランチは発明する才能ではなく
特許権の所有方法にしか興味をもたない。

忠実

便宜主義が支配して
最初は派遣を望んだが、
終身雇用を望む
忠実な若者は多くなった。
戦争はいつでもできる。

音楽

生きるための仕事は
魂の生活とはかけ離れてしまったので
人々はどこでも音楽を聴いている。
散歩の時も、
そして
戦争する時も。

円形の青空

移動する円形の青空はある。
台風では、周囲から吹き込む風が中心部に押し寄せる過程で、
遠心力と大気の気圧差(=気圧傾度力)が
ほぼ均衡し螺旋の上昇気流を発生させる。
とくに巨大な台風の目の中心では風が穏やかで、
雨もほとんど降らない。
そこでは空気の澄み通ったきれいな円形の青空が見える。
不況の嵐はあっても
不況の台風がないのは、
半分の人類にこの純粋な移動する青空を見せないような
金融人工システムが支配しているからだろう。