月別アーカイブ: 2013年4月

続)テンセグリティモデル

彼はテンセグリティ原理の発見者でも
構造の定義をした構造家でもない。
テンセグリティ(tensegrity)という名前の
命名者でもない。
非連続な圧縮材のテンセグリティの
最初の制作者でもない。
カリフォルニアで2度目に移転したばかりの
バックミンスター・フラー研究所の所有する
膨大なインデックス作業中のクロノファイルで1週間を過ごした時、
テンセグリティに関するフラーとケネス・スネルソンとの
数回にわたる往復書簡を見つけた。
これらは、私がその書簡を慎重に精読した時の私の感想ではなく
両者がその手紙で了解した事項である。
バックミンスター・フラーが亡くなってからの
ケネス・スネルソンの上記の了解事項を無視した言動から
その手紙の公開こそ、テンセグリティの歴史的起源を決定づけるものである。
美的なテンセグリティ構造のデザイナーは
21世紀の個人の生存空間には関係しない。

テンセグリティモデル

間違った理論があるように
間違ったモデルは存在する。
間違ったテンセグリティモデルは
床の上で何度もバウンドするかしないかで
見分けられる。
ケネス・スネルソンの工学は衰退している。
固有安全性はテンセグリティ構造から
すっかり排除されてきた。
一本のテンション材が破断すると
彼の彫刻作品の美だけではなく
構造さえも破壊されるようにデザインしている。

反常識

あらゆる科学的知識の起源は
反常識的である。
気体元素や原子核、そして細菌や
遺伝子などの概念に関する起源を知るだけでも
当時の常識がそれらの起源の標準になったことはない。
非常識は常識は覆せないばかりか
新たな常識を再生産するばかりだ。
つまり、反常識の起源を隠蔽するための
記号体系の起源とその支配構造がある。

続)モデル言語とシナジェティクス

新しい概念に出会うために、
その概念を構成する言語を壊すことから始めるなら
新しい概念に出会う最大のチャンスがやってくるように
新しいシナジェティクスモデルに出会うために
そのモデルを構成する概念を壊すことから始めるなら
新しい言語に出会う最大のチャンスがやってくる。
モデル言語もまた
新たな言語形式を産出する生得的能力による
非物質化なのである。
それゆえに、シナジェティクスモデルは
具体性に置き換えられた存在ではない。
例えば
バッキーボールがテンセグリティに置き換えられる前に
テンセグリティが発見されていた事実を
説明できないだろう。

Cosmic Fishing

玄関から出て学校にいくよりも
裏口から出て裏山に出かけるほうが近く
そして、一日が長かったように
Cosmic Fishingに出かけた時の日没は
とても眩しく
そして、長く留まっている。
Cosmic Fishingとは
偶然に発見され、しかし、未だ言語化されない
シナジェティクスモデルとその原理の存在に触れた
瞬間からのすべての出来事だ。

モデル言語とシナジェティクス

美しいシナジェティクスモデルを作るのと
シナジェティクスモデルを美しく作るのとは違う。
しかし、シナジェティクスを学ぶときは
どちらも放棄すべき方法だ。
惨めな動機に出会ってはいけない。
単純にシナジェティクスモデルを作るのと
単純なシナジェティクスモデルを作るのとは違う。
シナジェティクスを学ぶなら
どちらにも挑戦すべき方法だ。
思考方法をより単純にするために。
しかし、もっとも困難なことは
単純なシナジェティクスモデルを発見することだ。
新たなシナジェティクスモデルを発見するためには
より包括的な思考方法を同時的に、
あるいは非同時的に発見しなけれならない。
自然には人間のような思考のルールが無いが
モデル言語は探査の過程に出現する。

グランチの配当金について

3.11以後の極端な陰謀論に人々は偏向してきたが、
その後もグランチの概念とその歴史は、金融資本主義の未来をも説明してきた。
『グランチ』の翻訳は現在進行中である。(監修・解説 シナジェティクス研究所)
☆2008年10月8日のブログから再び全文引用
「グランチは、世界規模の大量生産と大量流通のあらゆる投機的企業を創始するために
すべての金融資産を支配してきた。
非共産主義圏の金融クレジット・システムを意のままに動かすことができる。
グランチ(GR-UN-C-H)とは、全宇宙から真の富を現金化して奪う
見えない超法人格的な泥棒(GRoss UNiverse Cash Heist)〉を意味する。
負債総額、約64兆円のリーマンの破綻でさえその配当金額には及ばない。
1980年代のグランチはすでに一兆USドルを越える配当金を毎年支払ってきた。
そのグランチについて、われわれはあまりにも無知である。
『グランチ』は、1981年に出版された『クリティカル・パス』の直後に書かれた
バックミンスター・フラーの最晩年の著作である。
彼はあらゆる構造の歴史を扱った。
グランチという世界権力構造(Power Structure)も含まれたのである。
1960年代に書かれた『宇宙船地球号操縦マニュアル』に出てくる海賊のアナロジーは
『グランチ』ではいっさい使われなかった。
それゆえに、『宇宙船地球号操縦マニュアル』ほど理解されるまでに
半世紀の懐胎期間を必要とした。
同時に、グランチはますますひとびとの驚異になりつつある。」

『クリティカルパス』『シナジェティクス』『コズモグラフィー』と同様に
『グランチ』の日本語化に必要なバックミンスター・フラーの重要なタームは
すでに辞書化している。

続)構造について

構造の原理の発見者が
建築家であることは稀である。
建築(Architect)は、 構造ではなく
支配(arch)の歴史である。
支配(arch)は階級組織(hierarchy)を形成する。
支配(arch)は圧縮の歴史である。
そして、反建築とは、無政府(an-archy)を意味する。
構造を安定化させる原理は
本質的に無秩序(anarchic=支配のない状態)
から発見されてきた。

構造について

構造の安定性に自己表現は不要だ。
構造デザインに
オリジナリティは介在しない。
テンセグリティは
新しい構造をデザインした結果ではなかった。
原理の発見がこそが
前例のない工学的な閃きをもたらすだろう。