月別アーカイブ: 2014年11月

GDPと贈与経済

家事労働が除外されているだけではなく
麻薬取引や売春サービスは日本のGDPでは含まれない。
一定期間に生産された付加価値としての認識はない。
さらに、武器密売、著作権侵害、採掘エネルギー、ウランなどの
地下資源の密輸、有価証券などの偽造、脱税、そして
種々の補助金などの贈与に関与した
GDPとして認識しない地下経済の総額は、
1980年代から世界経済の過半数を超えている。
今回のような解散選挙などによって
GDPで社会をコントロールする仮想現実(=地上経済)だけを
実体として考える前提が人々に刷り込まれているかぎり
人類の現実的なすべての経済活動を把握できる範囲は
あまりにも少ない。

幸福な構造

不幸な人々が、より不幸な出来事によって慰められるように
圧縮材は、さらなる圧縮材によって補強され
構造はより重くなる。
全体は部分の集積から類推されやすくなる。
張力材は、さらなる圧縮材の省略によって
圧縮材をより統合し
構造はより軽量化される。
部分の集積から全体は形成されない
<非物質化(ephemeralization)エフェメラリゼーション>を具現化する。
幸福な出来事が、さらなる幸福な行為によって
幸福を忘れるように。

ユニバーサルジョイント

テンセグリティは
ジオデシック構造とそのパターンの探究から生まれなかった。
バックミンスター・フラーによる
ユニバーサルジョイントの動力学的な構造とパターンの
分析から生まれている。
多軸ユニバーサルジョイントが発明された時には
回転角度を変える動力伝達のための革製の可撓的な結合部品があった。
角度変化の耐える可撓的な結合部品を張力材と見立てた時
圧縮材が不連続なオクテットトラスの
最初のテンセグリティ構造が発見されたのである。
ジオデシック構造を閉じた球状テンセグリティに変換したのは
最小限のテンセグリティ構造が発見された後である。
ジオデシック構造は、圧縮力と張力が分離しないまま
それらが非同時的な相互作用をしている
総三角形化した特殊な場合である。
圧縮力と張力を純粋に分離したテンセグリティ構造原理の発見は
偶然よりもはるかに概念形成のためのモデル言語の構築に依存している。

相互作用

都市に定住させる19世紀的テクノロジーによって
人々は未だ静的に生きている。
長期に滞在できる宇宙ステーションでは
電柱や上下水道は存在しない。
光ケーブルも有線である。
生存に必要なシステムは
つねに外部宇宙と相互作用している。
無菅と無線、そして
無柱と無軌道(=非道路)のテクノロジーによって。
労働から解放されるまでは苦痛を受容するという
静的な閉鎖空間の概念によって
牢獄の概念に幽閉されている。

概念の死

ギリシア時代の球の概念は25世紀間変化しなかった。
球面上のすべての点は、球の中心からつねに等距離にある。
この静的概念から動的概念に変容したのは
ジオデシック・テンセグリティの発見からである。
球面上の隣り合う2点間距離は、振動によって
つねに統計的に一定に維持できる。
空間構造の概念を変革できるのは
最軽量化へのテクノロジーである。

自動化

コンピューターによる自動化と遠隔化とは
資本主義では解雇と同義である。
太陽系が生まれたのは
重力(万有引力)によって遠隔自動化された結果である。
イデオロギーはシステムではないのだ。

実用的な概念

イチゴの隣にリンゴを置くと
2つは互いに異なった果実になるように、
民主主義国家に隣接して独裁国家を置くと
2つは互いに<見えない構造>になる。
断絶できる壁によって
戦争は確実にプロセスの一部となる。
この種の半永久機関を考案する人間は
相互に対立するイデオロギーという非物質的な概念を使って
物質的な富の収奪が可能なことを証明してきたのである。
その報酬は、配当金であり、
戦利品であり、賠償金である。
これ以上の実用的な概念はないことを
彼ら(=グランチ)はとても自負しているのである。
イチゴの隣に置かれたリンゴからも
リンゴの隣に置かれたイチゴからも
互いに<戦争と呼ばれない戦争>ほど
それからの報酬が増大するかぎり。

しっぽ依存症

学習が雇用の手段になれば
嘘つきは偉人の始まり
沈黙は賢者の欺瞞になる。
そして、平和は偽装の訓練だった。
みんなしっぽになりたがり
しっぽのない誰かは
権力か欲望のしっぽだった。
頭たちは散歩に出かけたままだ。