テンセグリティの起源

「鉄の棒が生コンに偶然落下してから25年が経過して
大型建築物における鉄筋コンクリートの実用化がはじまった」
(バックミンスター・フラー 1983)

柱と梁が90度で一体化した構造は、
地球上の疑似的な固体の概念に頑なに固執した物質化である。
物理学はけっして固体を発見しなかった。
非科学的な固体概念こそ、他の天体では過剰な重量ゆえに非実用的である。
地球上の資源では、人類のための20億戸の固体的住居は、供給不可能だ。

しかし、棒と紐が偶然から絡まって、
テンセグリティ原理の発見があったわけではない。

テンセグリティは、バックミンスター・フラーが
固体という概念から脱獄する過程で発見した宇宙の構造原理なのだ。

建築の構造とその歴史を全否定する構造原理としてのテンセグリティ構造を、
基礎を必要としない自律した永遠の構造原理として再考すべきである。

宇宙に存続する生命体として、人間の37兆個の細胞はすでに
例外なく基礎のない超軽量のテンセグリティ構造を採用している。