月別アーカイブ: 2019年4月

概念化と物質化

概念化は主観的な思考に関わる
重さのないメタフィジクスの過程にあり、
実現化は客観的な経験に関わる物質化の過程にある。
異なる相補的な過程が相互作用した結果、
統合されたシナジェティクスモデルが現れる。
観察行為からはこれらの物質化は不可能だ。

SYNERGETICS RBF 1975
最密充填システムにおける実と虚の相互変換

風と共鳴するテンセグリティ

テンセグリティが既知の構造だと理解したり
あるいはその構造を再現できた映像を見た瞬間から
観察者の認識は閉じていく。
テンセグリティは既知の構造の定義を破壊するために
発見された原理である。
テンセグリティは風とさえも共振する。
よりシステムを安定させるために。

張力調整機能のあるテンセグリティ構造 アルミ合金製 直径3m
制作 シナジェティクス研究所 構造デザイン 梶川泰司

可視化されたエフェメラリゼーション(ephemeralization)

観察されるべき客観的な対象から
新たな構造の可能性は見えなかった。
テンセグリティは構造の最後のかたちだ。
原子核が最初の構造であるように。

浮遊するテンセグリティ構造 シナジェティクス研究所 2013年 制作
エフェメラリゼーション(ephemeralization)

最小限の閉じた螺旋体のプリセッション

人間の体重の10%を占めているミトコンドリアには
最小限の閉じた螺旋体として
回転方向が同じ右勝手の2重螺旋DNAが
日々生成されている。
惑星の回転と軌道からこの螺旋体は
歳差運動(プリセッション)の影響を受けている。

自然の非同時的な内部と外部

内部に入った食物を複雑な生化学反応を通過させて
外部に排出されるシステムはその複雑さと厳密さを感じさせない。
自然は水を気体、液体、固体に分離しても
それらを整数比的に極めて論理的に再結合させるから、
反応に関わる元素数は増えも減りもしない。
自然の非同時的な内部と外部は不可視だ。

SYNERGETICS RBF 1975 RBF 1975
Universe as “A Minimum of Two Pictures”: Evolution as a transformation of nonsimultaneous events

斥力としての重力は発見されていない

重力は万有引力であり斥力としての重力は発見されていない。
テンセグリティ構造では張力と斥力が共存する。
フラーの対称・非対称のテンセグリティ構造においても
斥力が検証できなかったのは、
強力なカーボン製の張力材がまだ誕生していなかった
当時のテクノロジーに関係している。

非対称テンセグリティ構造 バックミンスター・フラー 1979

斥力モデル

球状テンセグリティの張力が適切に調整されているかどうかを
検証する方法を張力材の長さや張力の測定には求められない。
任意の一カ所の隣り合う頂点間距離のみを縮小させた時、
球状テンセグリティの初期の直径が拡大すれば
シナジェティクスが発見した斥力モデルであると言える。

球状斥力モデル  制作 シナジェティクス研究所 2007年

張力と斥力が共存するテンセグリティモデル

電磁力には引力と斥力の両方が存在するように
テンセグリティ構造には
張力と圧縮力の相互作用に加えて
斥力と圧縮力の相互作用が存在する。
張力と斥力が共存するテンセグリティモデルは実在する。
2点間距離の調節だけで全体の張力が可能なだけではなく
直径が拡大する現象を検証できるテンセグリティモデルから
構造の神秘を知ることができるだろう。

張力と斥力が共存するテンセグリティモデル 制作 シナジェティクス研究所 2007年

全方向的な陸・空・海ビークル

水陸両用車は開発されてきたが、
陸・空・海を走破できる大気圏内ビークルはまだ存在しない。
全方向的な陸・空・海ビークル概念の物質化は
宇宙船にも未だ存在しない。
全方向的な陸・空・海に適用できるモバイル住居空間は
ジオデシック・テンセグリティ構造だけである。

水陸両用ランボルギーニ
自動車は車道だけの専門分化したテクノロジー