グランチ」カテゴリーアーカイブ

失業家

脱工業化社会における大発明は
皮肉にも自発的失業家から生まれている。
けっして銀行や国家から融資を受けるベンチャービジネスからではない。
銀行が新たな技術を理解できる範囲は極めて限定的だから。

消費税

生活費を稼ぐために
ただ消費しているだけの哺乳類の
近視眼的な借金返済方法は
戦後に発明されている。
自分たちで負担した分でさえ
自分たちで受け取れないほど
サービスの水準が大きく低下していくシステムの
不具合がリーコールの対象にはならない
グランチによる20世紀の代表的な発明である。
消費行為自体に対して無限に課税できるなら
加速度的に人口増大するこの哺乳類に対して
酸素消費税もいずれ検討されるにちがいない。

無秩序

貨幣で貨幣を儲ける方法に成功した会社や
彼らの真似をしただけで裕福になった人さえも
若者たちが尊敬するようになって
もう10年以上が経過した。
貨幣で貨幣を儲ける方法は
生き延びるための労働とその喜びが否定されただけではなく
秩序ある宇宙の体系を否定することで成立する。
支配のためのこれ以上の無秩序(chaos)は存在しない。

冷蔵庫

世界の主要都市部の温暖化現象だけで
地球全体の温暖化を類推するのは
冷蔵庫の外側の温度上昇から
家全体の平均の温度上昇を測る操作に等しい。
同じ考えから、彼らは家の内部の温度上昇に伴う
冷蔵庫の中の氷の増大現象を
地球寒冷化と言わざるを得ないだろう。
実際、南極の氷は融けながら全体は増大しているが
その現象は除外されたままだ。
観察者が冷蔵庫の内部にいるのか
外部にいるのかを最初に決めなければならない。

よい医療制度は健康のために
より多くの病名を作り出している。
より高価な薬が必要だったから
病気でもない人が
<健康になる薬>を飲んでいる。

斥力的な群れ(cluster)

互いに引き合う張力的関係ではなく
所有欲と支配欲、憎悪などの排他性という斥力的関係によって
われわれは互いに分裂しながら
群れ(cluster)で結びついている。
そうした無数の暴力性を
道徳として偽装する社会を形成している。
互いに引き合う張力的関係が
バイオスフィアのすべての細胞から
大気圏外の太陽系までを
同時的にかつ非同時的に
統合してきたにも関わらず

戦争機械

みんなが金持ちの真似が好きだったお陰で
働かない豊かな生活が1%にやってきた。
お金でお金を稼ぐこのシステムは
経済戦争から戦争経済に自ら変容する。
残りの99%に
借金あるいは死体が残るシステムこそ
戦争機械なのだ。

同時的真実

「知られざる真実」は確かに存在する。
——非同時的に。
では、いまいったい今何が起こっているんだろうか?
同時的に真実は分からないということだけが分かっている。
少なくとも20世紀にバックミンスター・フラーが
『クリティカル・パス』(1998 白揚社)を著す以前にはなかった
認識が加速度的に形成されている。
理解にも真実にも同時性は存在しない認識こそ
同時性に見せかける過剰な<記号のテクノロジー>を見破ることができる。

インサイダーVSアウトサイダー

世界の覇権が第2次世界大戦によって
内部から外部へと入れ替わったように
知識にはインサイダーとアウトサイダーがある。
学問にもインサイダーとアウトサイダーがある。
現在の世界の政治経済情報は
インサイダー(つまり、かつてのアウトサイダー)が編集した情報である。
同じ対象を観察する観察者の場所の問題を
操作主義的に扱う包括的なシナジェティクスは
そのどちらにも属さない。
シナジェティクスはこの半世紀間
内部と外部には同時には属することができない
客観的に記述可能な物理的かつ超物理的(フィジカル&メタフィジカル)な
シナジェティクス・モデルを数多く発見してきた。

自然の富

資本主義社会における学級崩壊と
原子炉のメルトダウン(炉心溶融)
およびメルトスルー(溶融貫通)は
前世紀から継承された危機的な出来事である。
教育システムと原子力発電システムは
自然の富(好奇心と自発性、そして有限な元素)を破壊し
それらからエネルギーを奪うための技術であり
人類の生存に対する包括的なテクノロジーは
まだほとんど確立できていないのである。