われわれは無数の安全装置を所有している。
すべての種類においてその代替回路が与えられている。
それらは毎日は使わない装置や能力である。
しかし、非常事態にも使えなかった。
政治家にその使用権を委託したからだけではない。
政治家は慎重に時間をかけて
専門家にほとんどの知識と権限を譲渡したが
専門家は非常事態時にほとんど機能しなかった。
(彼らは法律的な権限を持っていなかったと互いにうそぶいた。)
もちろん個人は全く機能しなかった。
つまり、
昨日までのすべての<標準>は間違いであった。
「グランチ」カテゴリーアーカイブ
火星計画について
地球上で個人が生存するためには
全体との繋がりが何であるかを絶えず確認しなければならない。
ーーーーー存続したい場合も、たとえ絶滅するにしても。
精神的な無力と惰性によって
絶滅に突き進んでいく人々を
夢で延命させる政治指導者がすっかり廃れても
夢から立ち直させる優れた医者は
火星にはいないだろう。
お土産
一瞬、強い光線が光り輝き
少し遅れて地響きと共に
その爆発音を聞けた人はまだ幸運だった。
信じられないほど巨大なキノコ雲を遠くから
見た目は無傷で
しばらく見物できたからだ。
この原子爆弾は1970年代には
すでに限定品のお土産のように買うことができた。
2種のプロトタイプの人体実験が成功した以後
この歴史的な記念品の各改良版は
日本で製造され続けてきたが
販売元はもちろんアメリカ合衆国である。
現在ではかなりの在庫をもっていることを
そろそろ自慢していい時だろう。
総選挙前にはちょうどいい。
G.U.日課
知りえるあらゆるものに対して
無関心でいる<自由>がある。
放射性物質を少しずつ体内に招き入れて
体と現在を徐々に包み込むことを
受容する<自由>がある。
こうして
生と死に何の境界もない
知識と生活を実現するための<自由>は発明された。
国家にとって
それがもっとも効果的な<自由の半減期>である。
続)黒体放射
原子炉が黒いのは
夜間の熱放射のためだ。
服従生活
放射性物質に服従することは
いづれ暴力の原因となる。
このまま企業や国家権力に対する新しいタイプの服従が
続いてやがて癌が多発していく調査データを
医療専門家たちが医療行為を装いアメリカの核武装組織を構成する
財団法人放射線影響研究所(RERF)に提供しているかぎり、
復興予算で遂行された今回の長期的な調査研究結果は
ヒロシマ・ナガサキのデータが公開されなかったように
ふたたび国防のための放射線影響の基本データとして利用される。
このような被爆治療にはまったく無関心な研究調査は
いづれ暴力の原因となるに違いない。
大多数の市民が国家と超専門分化へ服従すればするほど
こどもの放射性物質への服従生活を
放射性核物質の半減期よりも長くしているのである。
続)落葉
人間の発明も
南半球よりも北半球のほうが多いのは
寒冷による凍死の危険性からだ。
危機的な環境の変化に機敏に適応するために
われわれはどのような生産手段を放棄し
何を発明するのだろうか。
日本権力構造は環境の変化に機敏に適応できなかったからこそ
何も放棄しなかった。
開発目的
原子炉は炉心融解から廃炉になるまでが
もっとも危険である。
なぜなら開発目的ではなかったから。
クロノファイル
クロノファイルとは
あらゆるタイプの<消しゴム>を使用しない
思考の出来事のすべての履歴である。
20世紀のアプリでは<消しゴム>の代わりに
ハイパー言語とレイヤーが発明された。
クロノファイルは
レイヤー毎に保存された
試行錯誤(=絶えざる間違い)の時間順序(chronology)である。
もっとも身近な
この神秘な現象の履歴こそ
あらゆるタイプの<消しゴム>を受容しなかった行為であるが
ほとんどの子どもは10歳までの教育組織によって
この単純なデフォルトが優先的に変更され
非選択的にされるのである。
自己教育の方法においてもそれはほとんど変わらない。
贈与経済
21世紀になって贈与経済学者がすっかりいなくなったのは
世界経済の過半数が贈与で動いている事実を隠蔽するために
IMF(国際通貨基金)加盟国の政府が
贈与経済を研究すると研究費を支給しなかったからだ。
たとえば復興バブル(19兆円)も
21世紀を代表する本質的な贈与経済である。
贈与の目的は諸問題を解決するのではなく
価値生産の手段を持てないように
金銭で金銭を稼ぐ人々の世界観を
贈与(ほとんどは融資という見せかけの収支)によって拡張し
絶えざる贈与によってより支配することである。