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赤字覚悟

損をしても売る「赤字覚悟のセール」は
売らなければ
もっと赤字になる場合が含まれているが、
誰かの損失は誰かの富だというゲームは
この種の覚悟によってより日常的に継続されている。
脱工業化社会に引き継がれた
この赤字覚悟のエントロピー的ライフスタイルは
太陽系のエネルギー収支に適応した哺乳類からみれば
例外的な行動様式である。

発明の価値

発明家がもっとも無視しているのは、
特許の価値は、発明の価値によって確立されるのではなく、
特許明細書が書かれる熟達度によって決定されるという
先願主義の特許システムである。
発明家のための
このシステムを教育する教育機関は存在しないのは
なぜか?
法律家資本主義を運営する側に
発明家は必要ではないからだ。

螺旋

螺旋には2種類ある。
蚊取り線香のような渦がスパイラル(spiral)であり、
縄やDNAのような3次元的な捻れがヒリックス(helix)である。
負のスパイラルやデフレ・スパイラル(deflationary spiral)
と呼ばれる経済予測は
株価の上昇と下降という概念のように
未だに2次元的な世界像に支えられているが、
優れた道具や生き物は、
3次元的なヒリックス(helix)を採用してきた。
自然は3次元的な捻れに関する「構造とパターン」を
完全に非物質化しているのである。

農薬農法

科学は農薬を生み出したが、
それを使わない自然農も
科学である。
つまり、農薬は最良の道具ではない。
農薬を使う農業の生産コスト計算法は
慣習的に容認された法的な計略である。

普天間基地

法律と慣習は、つねに物理的な軍事力を背景に主張・維持してきた
〈権利〉のみによって制定された政治権力の策略である。
法律や法的な合意は道具ではない。
人間が作る法律と慣習は、テクノロジーではない。

分断化

会社は、法的に偽造できる。
発明も発見もしないでも金儲けができるように。
ニュースは、社会的に捏造できる。
経験を秩序化しないでも
ばらばらな出来事から断片的な意味が無数に生まれるように。
こうして、
奴隷の奴隷としての自覚は完全に奪われている。

間違い

教師がいなくても多くの間違いから
子どもはかなり知的になるので
間違いを怖れるように教育することが発明された。
こうして、
「どうして転けたの?」という母親が生まれている。

包括性

優れた教育は
優れた学生ほど、優れた専門家になりたがる傾向を生んできた。
これまでに分かったすべての生物学的絶滅が
過度の機能の特殊化、つまり超専門分化に起因しているにもかかわらず。
より高い包括性に無関心になるほど危険な教育はない。

現在

概念を一般化したければ、
完全に混乱させられた現在に帰らなければならない。
そこには純粋な問題がある。

転換期

良識のあらゆる基盤が崩壊している。
金儲けはできないが、
知識の獲得範囲が急激に拡張している
転換期にいると理解しなければならない。
知識はこれまでお金以上に奪われ続けていただけだ。
いま起こっているのは商品の過剰生産よりも
インデックスのない知識の過剰供給である。
地図のない遠足は冒険以上に危険だ。