グランチ」カテゴリーアーカイブ

<個人>の概念

<個人>の概念によって、単純で強い自己愛に包まれたまま静止している習慣を
自己の外から見ることは困難だ。
<原子>にもさらなる内部構造がある実験の方法が一世紀前に存在したように、
<個人>にもならなる内部構造があることを示す思考実験の方法は存在する。

そして、民主主義政治システムの中の<個人>の概念は、
何者であるかを見出すための幻想に満ちた矯正手段であることが認識されるだろう。

こうした凡庸な才能の形成と同時進行する政治システムの形成には、
何者かであることを拒む思考はまだまったく関与していない。
<個人>は矯正されつづけ、ほぼ職業と一体化してしまったのである。

<個人>の概念は、<宇宙の階層構造>を隠蔽するために発明された。
可能な限り深く、そして広い範囲で暴き出す先験的な<宇宙の階層構造>を。

空気メーター

グランチは、石油資本による電力ネットワークを構築する前に空気の独占方法を模索していた。

マルセル・デュッシャンが、<パリの空気50cc>(1919)を制作する前の、彼の作品メモはその歴史を批判する。
<自分が呼吸する空気にお金を支払わねばならない社会を作りだせ>
[空気メーター、禁固刑または空気の希少化を行なうこと、料金未納の場合は必要に応
じてただ窒息(空気のカット)させよ](1915)
1950-134-78

どんな課金メーターもないテンセグリティ・シェルターは、
無柱、無管、無線、無軌道の大気圏内で振動するニューマチック(空気構造物)である。

一つの巣

ほとんどの同時性は通学や出勤によって維持されている。
膨大な石油エネルギーと原子力エネルギーが
その同時性の確保のために浪費させられている。

<一つの巣にすべての卵を生む RBF>危険な習慣性デフォルトを支える、
すなわち、一つの巣の中で適者生存を競う同時的社会観は
知的な成長と自然の経済から脱落する。

学校や職場という同時性で矯正する環境は、
一つの巣の中の国家経済の破綻と共に解体されるだろう。

瞑想

シナジェティクスモデルの発見、
つまり、物質化と非物質化との相互作用の存在は
全体を完全な注意を払って見つめる心の状態と関連している。

ライセンスや生活費を稼ぐために
どうして学校や仕事場に行く必要があるのだろうか
と、考えた16歳の時の直観とすこしも変わらない時代に生きている。

動力学的住居

17世紀にミケランジェロに加えてレオナルド・ダ・ビンチが設計に参加した 
バチカン市国の世界最大級のサン・ピエトロ大聖堂によって
無柱の球状空間(直径49m)が、絶えず威信を持つようになり、
その後の宗教的建築のモデルとなった。

世界最大級のための初期の構想案は、完全な半球ドームであったが、
最終的に静止力学的な解法と実験から尖頭型ドームが採用された。

システムの各要素の相対的な位置が時間的に変化しない状態で作用する
力やトルクについて研究する静止力学的は、
大地の静止状態を前提とした構造物のみを対象にしてきた。

その歴史的保守性を超えたのは、1949年のバックミンスター・フラーによる
オクテットトラスを構造モジュールとした
動力学的なジオデシックドーム構造(直径51m)である。
真のジオデシックドーム構造は、大地に根ざした基礎部を必要としない。

それによって、形態学や超専門化した施工技術を基盤とした建築学ではなく、
数学を基盤とする超軽量な構造学がはじめて明らかにされた。
同時に、世界最大級の宗教が独占してきた無柱空間は、
ジオデシックドーム構造による単位あたりの物質・エネルギー・時間コストで
圧倒的に陳腐化したのである。

大地の動的状態と共存可能な人間の住居のモデルは、
巨大宗教を支えた静止力学的な建築学を基盤とするのではなく、
数学を基盤とする経済的なモバイル用超軽量テクノロジーに移行したのである。

この超軽量テクノロジーは、
惑星地球上のあらゆる局所的気象条件下でテスト済みである。

宇宙エコロジー

個人は、生活費を稼ぎ出さなければ、ホームレス化するように教育され、
国家は、新しい資源とエネルギーを見出さなければ、
消滅する恐怖感から、戦争するように運命づけられている。

エネルギー・食料・シェルターのすべては
個人で獲得可能なノウハウの段階にある。

国家が破綻する前に、われわれは自律的に実践すべき段階にいる。

エネルギー・食料・シェルターの包括的実践ノウハウは
選択可能な宇宙エコロジーの一形態である。

破綻させる方法

軍隊を持たない資本主義は存在しない。

しかし、学校では、
より高給な職業は教えるが
合法的に金を稼ぐ方法も武器の製造方法も教えない。

学校は、金を借りて、家や間接的に武器を買う人々を教育する。
破綻させる方法が一番儲かるから。

監視体制

国家が破綻する前にこそ、監視グループによる厳戒な監視体制が敷かれる。
日々の生活において、ますます監視と無縁である保証はない。

その監視体制でさえ、破綻後には解体されるだろう。
すでに大多数が監視なき概念の牢獄に繋がれた後だからだ。

われわれが、拠り所にしている絆によって。

法律家資本主義(Legally Piggily)

原子力の所有権は、政府による巧みな法律操作により、超国家的私企業に譲渡されてしまった。
彼らの基本的戦略は、「人類には、企業の原子力エネルギー開発計画に代わる現実的な選択肢は存在しない」
という確信に基づく。(『クリティカル・パス』RBF 1981)

もっとも非科学的で傲慢な強欲的態度は、
自由企業カルテルとその法律家資本主義(Legally Piggily)に始まる。
原子力の所有権は、<鉄腕アトム>の公報開始時期には、まだ一般市民にあった。
現在の日本列島全域は<原子力カーテン>で閉じられつつある。

個人の形成

個人の形成が個人の社会的位置の選択を伴うならば、
個人の好みに応じて職業を変えられるだろう。

いまや日本の教育において、
多くの個人は、個人の形成が絶望的に近いと感じている。

なぜなら、職業が教育を決定しているからだ。