デザインサイエンスは
過去を模倣しないばかりか
現在を陳腐化する。
シナジェティクスが
概念の牢獄を破壊するように。
「コスモグラフィー」カテゴリーアーカイブ
柔軟な強度
テンセグリティは
過去数千年間の固定的なエンジニアリングに対して
衝撃的な動的エンジニアリングを形成してきた。
圧縮材が不連続な構造として認識されるまでに半世紀を必要としたが、
実際にはテンセグリティが受ける外力の衝撃に耐える
<柔軟な強度>のほうがもっと衝撃的である。
バックミンスター・フラーレンがダイアモンドよりも
堅くそして柔軟であるように。
このテンセグリティの宇宙的な汎用性を認識するまでには
さらに数十年間かかるだろう。
シナジェティクス変換
水素と酸素がそれぞれ
水に似ていないように
テンセグリティモデルが
棒と紐に似ていないのはなぜだろうか。
時間と空間が
時間と空間が相互に入乱れるローレンツ変換
によって同義語であるように
シナジェティクスでは
構造とパターンは
相互変換可能な概念である。
シナジェティクス変換では
2点間の距離を<統計的に>不変に保つような
原点を中心にした回転変換を表す。
住居に対する宇宙の要求
人類は生存するために
住居を購入する最初の哺乳類である。
デザインサイエンスは
他の惑星に人間が居住する予測から
その住居(=シェルター)は
光に対して、熱に対して、
軽量化に対して、モバイル性に対して、
耐久性に対して、経済性に対して、
そして安全性に対して
宇宙工学的に総合的にデザインできる
という前提から始まっている。
住居に対する人間の要求ではなく
この最初の哺乳類に対する宇宙の要求が存在する。
首尾一貫性
発見された原理は互いに矛盾しないが
思考の首尾一貫性こそ
原理の発見の機会を閉ざしている。
自然には首尾一貫性は存在しない。
絶えず再生的なのだ。
試行錯誤さえも
シナジェティクスは
試行錯誤の終わりに形成される結果ではなく
むしろ何ものも蓄積しない
思考方法の探究とその過程にある。
既知なる知識を如何に空しくするかである。
試行錯誤さえも過去の思考方法に属する。
動的秩序
揺れ動く社会を忌み嫌い
静的な固体的な安定を求める願望こそは
無秩序の原因なのである。
テンセグリティの構造安定性を形成する
振動こそは
グランチが忌み嫌う動的秩序なのである。
より重要な部分を何一つ存在させないその秩序は
防御すべき中心をけっして所有しない。
テンセグリティは
本質的にアナーキー(an-archi=主たる存在がない)である。
アウトサイダー&インサイダー
自分を外部から観る方法の探査こそ
よりアウトサイダーにすると同時に、
包括的にかつ相補的に
自分を内部から観る方法を探査できる
インサイダーにするだろう。
風のように
風には
風がまったく吹かない
互いに離れた2つの場所が
つねに存在する。
しかし、その風が吹かない場所さえも
つねに動いている。
風には
極性が備わっている。
転写と翻訳
いかなる安定も持たない自由に目覚めるとき
限定された幻想的な世界が終焉する。
シナジェティクスは
直観をすでに理解したシナジェティクスによって
翻訳しない。
昔から存在するように見える
その何かを転写したい
風のようにやってくる直観を
昨日の概念で翻訳してはいけない。
そして、幻想的な、あるいは論理的思考によっても
けっして捉えられない
別の次元から新たな存在の絶えざる開示がはじまる。
それは、シナジェティクスの
始めなき、それゆえに終わりなき
リアリティの転写と翻訳が持続する時だ。
それ以上のリアリティを求めてはいけない。